ローサ・サラザールさん、上白石萌音さん「アリータ」を語る

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 「アバター」「タイタニック」を手掛けたジェームズ・キャメロンが製作・脚本を担当した映画「アリータ:バトル・エンジェル」が、22日に全国公開されました。記憶を失ったサイボーグの少女「アリータ」が、自身の力や記憶を取り戻しながら、大切な人のために戦い続けるSFアクションです。アリータを演じたローサ・サラザールさんと、アリータの声の吹き替えを担当した女優の上白石萌音さんに、作品にかけた思いを聞きました。

――この作品は、木城ゆきとさんのコミック「銃夢(ガンム)」が原作のSFアクションです。ヒロインに抜てきされた時の思いは?

ローサ・サラザールさん まずはほっとしました。すごく長い時間をかけて、何か月もオーディションをしていたから。安堵(あんど)感の後に、興奮の波が押し寄せてきて……もう、いろんな感情が入り乱れていましたね。

――戦うサイボーグとして作られたアリータですが、人間の脳を持っています。オーディションを受けるにあたって、どんな準備をしたのでしょうか。

ローサさん 原作を繰り返し読み込みました。実は、アメリカでは絶版になっていたので、インターネットなどで探してかき集めたんです。どうしても映画の世界観を見極めたかったので、木城さんの別の作品も読みました。それに、持久力を高めるために毎日3時間、トレーニングをたっぷりやりました。ムエタイや武術、キックボクシングまで(笑)。

――すごくハードですね。

ローサさん この映画では、俳優の動きや表情をそのままCG化する「パフォーマンス・キャプチャー」という技術が駆使されています。専用のスーツを着て、1日に14、5時間撮影しなければならないので、スタミナをつけるために体を鍛えて準備を進めてきました。ただ、私にどんなにやる気があっても、役に選ばれない限りは力を発揮できない。ですから、準備は大変でしたが、全力投球してきました。元々、体を動かすことは大好きですが、これまでこんなに打ち込んできたことはありません(笑)。

――上白石さんは洋画の吹き替えは初めてですよね? いかがでしたか。

上白石萌音さん 洋画の吹き替えは初めてです。映画は、ローサさんのように演じる方がたくさん準備を重ねてできた努力の結晶です。声を吹き込むにあたり、「絶対に作品を下げることをしてはいけない」と、責任やプレッシャーを感じました。

――どんな工夫をされたのでしょうか。

上白石さん 実は、映像は前もって見られないんです。なので、予告映像を何百回も見てローサさんの声を聴き、自分の声を近づけたり、漫画をたくさん読んだりして、できうる準備は全てしました。でも、台本にあった「息を吸う」「うめく」「ん」といった表現のように、台本を読むだけでは分からないことも多かった。そこを考えることを含めて、アリータに向き合ったローサさんの時間を追体験できたと思います。

――アリータはサイボーグといいながらも、感情表現が豊かです。台本や原作を読んで、どんな女の子だと考えて演じましたか? 作中にもありましたが、「人間より人間らしいサイボーグ」という印象を受けましたが。

ローサさん アリータは、最初は本当に若い女の子ですが、そこからどんどん成長していって、最終的には「女性」になります。女の子から女性に変わっていく過程をすべて演じていくので、女優としてはやりがいがありました。

――見る人にどんなことを感じてほしかったのでしょうか。

ローサさん 限られた上映時間の中で、彼女のだんだん変わっていく様子がしっかり伝わるようにしたかった。ただ、撮影は物語の順番通りには行われません。なので、自分が今、どの場面を演じているのかを意識していました。

――劇中では、印象的なキスシーンもありましたね。

ローサさん そう、そこで初めて彼女は女性になるわけです。でも、女性になって、以前ほどうぶじゃなくなったとしても、やはり、疑いや迷い、不安を抱えているんです。

――中でも、重要だと感じたシーンは?

ローサさん 「私は本当の人間じゃないけど気にならない?」と、アリータを手助けするヒューゴに問いかけるところです。それは、彼女にとって一番重要な質問。「本当に私のことを見ている? 愛している?」という思いを相手に感じ取ってほしい、分かってほしい……。いろんな感情が渦巻いているシーンだと思います。サイボーグだけど脳は人間なので、まさしく彼女の「内面の旅」なんですよね。だから、皆さんから見ても、ほかの俳優よりもアリータが一番人間に見えるかもしれない。

――魅力的なアリータはまさに「女性が憧れる」ヒロインだと思いますが、自分と似ているなあと感じるところはありましたか?

上白石さん どこが、というより、全部共感できると思います。心配性な部分があったり、けれど、そこを乗り越える強さがあったり。脳は人間、体はサイボーグという特別な女の子ですけど、「すごい人」という思いより、共感していました。常にアリータと同じ気持ちで吹き替えができたかなと思います。

――私も感情移入してしまいました。

ローサさん 本当に!? うれしいです、ありがとう!

上白石さん 女の子みんなが「彼女は自分だ」と思いながら、見ることができると思います。

ローサさん 萌音さんの言う通りで、彼女は超人ではなくて、本当に普通の女の子。人間なんですよね。特に能力があったわけじゃないけれど、自己発見の旅に出て本当の自分、そして自分の持つ力に気づくんです。だから、見ていると「もしかすると、本当は自分の中に力があるかも」と思えてくる。それを探す内面の旅に出ればいいのだと、みなさんの背中を押してくれると思います。

――OTEKOMACHI読者の多くは女性です。最後に、改めて読者に一言お願いします。

ローサさん 女性のための映画です。誰が見ても共感できるストーリーだと思います。まず、アリータが生まれた場所である日本に来られてうれしいです。ここで生まれたアリータという存在を、みなさんが大好きになって、そして誇りに思ってほしい。みなさんが愛してくださるようにと願っています。

上白石さん 木城先生が生み出されたキャラクターなので、やはり日本人が共感しやすいキャラクターなのではないでしょうか。アリータの強さって、機械的な強さではありません。「悔しい」「守りたい」とか「あの人が好き」という強い感情に動かされて、どんどん強くなっていくんです。ただ強いわけでなく、内面からにじみ出る強さや美しさがある子。きっとご覧になる方もアリータのことが大好きになるし、見れば見るほどに面白さが増していく作品だと思います。大きなスクリーンで壮大なスケールを楽しんでください。

(聞き手・メディア局編集部 安藤光里、撮影・本間光太郎)

【ストーリー】天空に浮かぶユートピア都市「ザレム」と、ザレムから排出されたクズ鉄町「アイアンシティ」――。アイアンシティに暮らすサイバー医師のイド(クリストフ・バルツ)は、クズ鉄の山から少女の頭部を発見する。奇跡的に脳は生きていたものの、記憶を失っていた少女は、イドによって新しい機械の体を手に入れてアリータ(ローサ・サラザール)として生活を始めた。ある日、戦闘に巻き込まれたのを機に、彼女は自分の高い戦闘能力に気づく。実は、彼女は、300年前の大戦中に失われたテクノロジーで作られた「最終兵器」だったのだ。アリータと分断された世界の過去に隠された秘密とは――。サイボーグの少女・アリータは、自分の命の意味を見つけるため、そして大切な人たちを守るため、二つに分断された世界の秩序に立ち向かう。

【公開情報】
┃タイトル:『アリータ:バトル・エンジェル』
┃公開表記:2月22日全国ロードショー
┃配給表記:20世紀フォックス映画
┃著作表記:(C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation