アン ミカさん 母がくれた“四つの魔法”は私の宝

DTDX×OTEKOMACHI

 ファッションモデルのほか、エッセーの執筆や化粧品のプロデュースなど多彩な活動で知られるアン ミカさん(46)。「ダウンタウンDX」(日本テレビ系、2月7日午後10時から放送予定)に、実業家の夫セオドール・ミラー氏と一緒にゲスト出演し、アツアツぶりを披露しました。収録後、アンさんに美しさの秘けつなどについて聞きました。

――今日の収録では、ご夫婦仲が良いところをたくさん見せていただきました。

 うふふ……お互い、顔を見ちゃうとね……。彼は神さまが巡り合わせてくれた人。結婚して6年になりますが、いま本当に幸せです。

世の中の役に立つ仕事をしたい

番組に出演したアンさんと、夫のセオドール・ミラー氏

――アンさんは、韓国・済州島生まれの大阪育ちということですが、韓国語は大人になってから習得されたのですか。

 そうなんです。一家で日本に来たのは、私が4歳のとき。両親は家の中でも日本語を使うことが多くて、小学校に上がるころには日本語だけになっていました。母に続いて、2001年に父が亡くなって、きょうだい5人で両親のお墓を建てに済州島に行ったことがありました。でも、通訳を介してではなかなかニュアンスまで伝わりません。親戚に手紙を出したいのにできない。自分たちのルーツを知りたい。それで、きょうだいのなかで誰か本格的に韓国語の読み書きができるようにしたほうがいい、となって、翌年、私が留学することになったんです。

――お仕事を休んで留学するというのは、かなりの決断だったのでは。

 韓流ブームの3年前でした。周囲の仕事仲間からは「なぜ、わざわざ韓国に?」と驚かれましたが、私のルーツを知るためには、当たり前のことなので、絶対に実現しようと思いました。15歳でモデルの仕事を始めるとき、父と「将来は資格を取って、自分なりに付加価値を付けて、世の中の役に立つ仕事をする」と約束していたんです。でも、20代初めからパリコレに出るようになって仕事が忙しくてどうにも時間がない。突然、父が亡くなってしまい、「約束を守れなかった……」という思いが残りました。だから、片言しか知らなかった韓国語を何とか自分のものにしたいと思いました。

――留学されて、どうでしたか。

 ふかふかのソファが置かれたカフェが町のあちこちにあるし、映画館や美術館、博物館が充実している。伝統的な両班(ヤンバン)=貴族階級=の家屋がある一方で、モダンで洗練された建物もある。目上の方を敬う儒教精神も息づいているし、日本とは違った魅力がたくさんありました。

きれいになりたい気持ちは世界共通

――今は、韓流ファンやK-POPファンが増えて、様々な世代の人が気軽に観光したり、留学したりすることも多くなりました。2002年当時はどうだったのでしょうか。

 (韓国では)日本の漫画や書籍が出版されなかったり、映画も上映されなかったりという時代が結構長くありました。私が留学したのは、ちょうどそれが解禁されたばかりのころ。ソウルの街中を歩いていたら、知らない女の子が目をキラキラさせながら近寄ってきて、「お化粧の仕方を教えて」と話しかけてきたことがありました。話してみたら、エビちゃん(モデルの蛯原友里さん)のファンだそうで、日本のメイクがあこがれだって言うんですね。きれいになりたいと思う気持ちは、どこも変わらないんだなあと思いました。

――今、アンさんがプロデュースする化粧品は、テレビショッピングの「QVCチャンネル」でもファンが多いと聞きました。

 ありがとうございます。コスメ・コンシェルジュとして、世界でも新機能を持つ成分を自分で探し、自分で使ってみて「これは良い」と思った成分を積極的に配合しています。商品に成分選びからかかわることで、納得できる展開になっていると思います。

女性は誰だって、とびきりの美人になれる!

――アンさんが美しさを保つためにふだんから気を付けていることがあれば教えてください。

 私は、母から教えられた“四つの魔法”を守っているだけなんですよ。私自身は、幼少期に太っていて背も低く、顔にケガをしたことから人前で笑うことが苦手なコンプレックスだらけの女の子でした。でも、そんな私に母は「ミカちゃん。本当に美人と呼べるのは、『一緒に居て心地いい人』のことなのよ」と言って、姿勢をよくすること、相手の目を見ながら話を聞くこと、口角を上げて笑顔になること、人の話をよく聞くこと……この四つを教えてくれたんです。

――すてきなお母さまですね。所作の美しさが基本にある、ということなんでしょうか。

 そうです。学校から帰ると、母は子どもたち一人一人の話に耳を傾けてくれました。聞き上手だったんでしょうね。所作の基本を教えてもらえたことが、今でも宝物になっています。首が緊張していると、二重あごになってしまいます。頰の筋肉が衰えると、口角が下がります。誰にでも起こりうることなんです。日々気を付けて、美しい所作を保つと、筋肉が鍛えられて、美しい“空気感”をまとうことができます。形から入っていくと、必ず、すがすがしい美人になれます。人の話を聞くときには、心を向けるように胸を相手に向けます。「私はあなたの話を一生懸命聞いていますよ」というメッセージになります。

――食生活や運動も大切にされているのですね。

 ええ。二十四節気に合わせたメニューを工夫していますし、運動面では自宅で縄跳びもしています。筋力を維持することも大切です。私のおススメの筋トレは「プランク」。うつ伏せになって両肘を肩の下につき、上半身と腰を上げて、体を一直線にするだけなんです。最初は1日1回20秒から30秒で構いません。少しずつ鍛えていけば1分くらいできるようになりますよ。

(聞き手/読売新聞メディア局編集部 永原香代子 撮影/本間光太郎)

 アン ミカ(あんみか) 本名は、安美佳。1972年、韓国に生まれ、大阪で育つ。1993年にファッションモデルとしてパリコレに初参加。テレビ・ラジオ出演、ジュエリー・ファッションデザイナー、化粧品プロデュース、エッセー執筆や講演など、多方面で活動している。漢方養生指導士、化粧品検定1級、NARD アロマアドバイザーなど様々な美容関連の資格を所持。2009年より韓国名誉広報大使、2013年より初代大阪観光大使に就任。