登坂広臣さんと中条あやみさん、ダブル主演で「期間限定の恋人」に

インタビュー

 登坂広臣さん、中条あやみさん主演の映画「雪の華」(橋本光二郎監督)が、2月1日に全国公開されます。中島美嘉さんの代表曲「雪の華」(2003年)をモチーフに、ガラス工芸家になる夢を追い続ける青年と、余命1年を宣告されてすべてをあきらめかけていた女性が運命的に出会い、1か月間限定の恋人になる大人のためのラブストーリーです。登坂さんと中条さんに、日本とフィンランドで行われた撮影の裏話や、映画の見どころを聞きました。

100万円で買った“期間限定の恋”

――中島美嘉さんの「雪の華」が映画化されるという企画を聞いて、どう思いましたか?また、最初に脚本を読んだ感想は?

中条あやみさん

中条あやみさん 「雪の華」を初めて聞いたのは子どもの頃でした。日本だけではなく、海外のアーティストもカバーするような名曲だというのは知っていました。「今の時代まで多くの人に愛されてきた歌が、どんな物語になるんだろう? どう演じていけばいいんだろう?」と、興味とともに責任感を覚えました。脚本を読んでみたら、本当に真っすぐな恋愛物語でした。私自身、まだ演じたことがない役柄で「面白そうだな」と感じました。

――想像通りのストーリーでしたか?

中条さん 私は美雪という役に対して、はじめは中島美嘉さんのようにクールな女性をイメージしていたのですが、台本の読み合わせの時に、橋本監督が思い描いている“美雪像”と違うなと気づいて、そこから軌道修正しました。美雪は大人っぽい女性というより、かわいらしい女性だったんです。

登坂広臣さん 青春時代によく聴いていた曲だったので、映画のお話をいただいた時に、この名曲の世界観をどう映像化するのか、すごく興味がありましたね。脚本を読むと、(主人公の)悠輔と美雪の間で行き交う感情表現がきれいでストレートな恋愛物語だなと思いました。フィンランドの美しい雪景色やオーロラのシーンが重要で、映像美も見どころのひとつだと、プロデューサーがおっしゃっていましたが、「音楽と景色と脚本がきれいに合わさったら、すてきな映画になるな」と。

――二人がお気に入りのシーンは?

中条さん 本当の恋人ではない二人が夏のフィンランドの街を歩いていたら、偶然手をつないでしまい、照れながらずっと夕暮れの水辺を歩くシーンがきれいで好きです。

登坂広臣さん

登坂さん まだ曖昧な関係の二人がひょんなことで手をつないで市場などを歩いている。擬似恋愛なんだけれど、徐々に心が通い合っていくシーンです。美雪が悠輔に100万円を出す代わりに1か月間限定で付き合ってくれるよう持ちかけ、そこから関係が始まったという状況で、悠輔は美雪の気持ちを受け止めていいのか、心が揺れ動いていたんです。僕もそのシーンが好きですね。

あるシーンで「もう、付き合っちゃえ!」と監督

――橋本監督からの指示は?

中条さん フィンランド旅行に行くシーンで、二人はホテルの別々の部屋に泊まります。つないでいた手を離し、寂しそうに別れて部屋に戻るのですが、監督が思わず「もう、付き合っちゃえ!」って叫んだのを覚えています(笑)。あれは、すごくおもしろかったです。

登坂さん そんなに別れるのが名残惜しいなら、確かに付き合っちゃえばいいのに(笑)。

――美雪は病で余命1年と宣告されていましたが、美雪も悠輔も明るいキャラクターでしたね。

登坂さん 美雪には時間に限りがあるという自覚があって、焦りながら悠輔に気持ちを伝えようと近づいていきました。最初、悠輔はイラっともしただろうし、不思議な気持ちだったと思います。でも、会うたびに彼女にひかれていく自分の気持ちにも戸惑うんです。「なんでオレはこの子にこんな気持ちになっちゃうんだろ?」「バイバイって手を振った後の寂しい気持ちはなんだろう?」と。自分の気持ちに素直になれないことへの葛藤があったんです。

 演じていて思ったのは、「美雪はストレートに自分の気持ちを伝え続けてくれて、男から見てすてきな子だな」と。こんなにかわいい子にしつこくされて、さぞかしアイツ(悠輔)もうれしかっただろうなって(笑)。あやみちゃんには、会うまではモデルとしてメディアに出ているクールなイメージしかありませんでした。僕とあやみちゃんは、実年齢が10歳離れているんですけど、実際に会うと、普段は人懐こくて、かわいくて、コテコテの関西人でおもしろくて、現場の雰囲気を明るくしてくれます。人懐こいところは、猫というより犬っぽい(笑)。

中条さん 悠輔は両親を亡くし、二人のきょうだいの面倒を見ていて、世話焼きな面とちょっと不器用な面があります。そこが人間味を感じさせて、いいなと思います。二人が出会ったのは、美雪がひったくりに遭い、落ち込んでしゃがみこんでいるところを悠輔に助けられたのがきっかけ。悠輔は、助けの声も出さずにいた美雪に「そんなんで生きていけるのかよ!?」ってお説教をするんです。アニキ的な包容力と優しさがあって、ピュアな悠輔が好きです。登坂さんも純粋で不器用な部分があるのかなって(笑)。

登坂さん ばれた?(笑)。

中条さん 登坂さんは、どなたにも分け隔てなく優しい方です。周りの人たちをとても大切にする方だなと思いました。

――恋をした美雪が、眼鏡からコンタクトレンズに変え、服装が明るくなっていきます。

中条さん 自分では気づいていないけど、「好きな人いるんだろうな」って、周りから見たらあからさまに分かると思います(笑)。美雪の母親にも指摘されていましたが、恋したら急に着る洋服もカラフルになって、分かりやすい部分もかわいらしいなと思いました。

寒かった冬のフィンランドロケ

――冬のフィンランドロケの思い出はありますか?

中条さん 寒かった(笑)。声も出ないくらい寒くて、本当に撮影できるのか心配でした。悠輔と美雪が再会するシーンがあったのですが、日の出の前後の1時間しか撮影する時間がなく、朝日が昇るか昇らないかぐらいの時間を狙って、朝5時半にスタートしたんです。その時間帯に撮影するというのは不思議な体験でしたね。あとは、雪しかない場所での自由時間の過ごし方とか。

登坂さん 自由時間にはよくみんなで食事に行ったり、翌日の撮影開始が遅いときや撮影がお休みの時には、スタッフとビリヤードをしに行ったりしていました。

――雪の中を走るシーンがありました。どうでしたか?

(c)2019 映画「雪の華」製作委員会

登坂さん 深い雪の中を走るシーンは本当に大変でした。「ずっと走ってください」って言われて、カメラは離れたところから撮影していたのですが、全然カットがかからなくて。カットがかかっているのかどうかも分からなくて、200、300メートル走り続けて後ろを振り向いたら、スタッフもめっちゃ走って僕を追いかけていました(笑)。スノーブーツじゃないから走りづらいし、体力的にも気持ち的にもハードでしたね。

――最後に、映画の見どころを聞かせてください。

中条さん 余命を宣告された直後、バッグを引ったくられ、落ち込んでいた時、悠輔に「声出して行けよ! 声!」と言われ、それに美雪が心を動かされ、勇気を振り絞って「付き合ってください」と言って、恋が始まるんですが、自分の大切な人になかなか思いを伝えられないことって、たくさんあると思います。でも、この映画は「ちゃんと声に出して思いを伝えなきゃな」って思わせてくれるので、ぜひ見ていただきたいです。

登坂さん 美しいフィンランドの風景や、葉加瀬太郎さんが手掛ける音楽と映像の融合も見どころだと思います。いろいろ障害はあるけれど、ストレートな男女のラブストーリーです。

(取材:メディア局編集部・遠山留美、撮影:フォトグラファー・金井尭子)

【ストーリー】幼い頃から病気がちで、夢を見ることをあきらめていた美雪(中条あやみ)。そんな彼女と偶然にして衝撃的な出会いを果たしたのは、ガラス工芸家を目指しながら妹弟の面倒を見る悠輔(登坂広臣)だった。彼の働くカフェが経営危機を迎えていると知った美雪は、一生分の勇気を振り絞り、100万円を出す代わりに1か月間だけ恋人になるという無謀な契約を持ちかける。戸惑いながらも“期間限定”の恋に応じる悠輔だったが……。舞台は東京-フィンランド。切ない想いに涙が溢れる、初雪の日に出会った2人の、1年のラブストーリー。

【公開情報】
映画「雪の華」2月1日(金)公開
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:橋本光二郎、脚本:岡田惠和、音楽:葉加瀬太郎
キャスト:登坂広臣、中条あやみ、高岡早紀、浜野謙太、箭内夢菜/田辺誠一ほか

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