AyakoさんがCDデビュー「ドアを開けて明日へ」

インタビュー

 ミニアルバム「Open  Door」(Fifteen  Records)で18年末にCDデビューしたボーカリストのAyakoさん。アルバム収録曲はすべて英語で、ジャズやポップスなどの名曲をカバーしたほか、表題曲は自ら作詞・作曲を手掛けました。哀感のにじむ澄んだ歌声が印象的な22歳に、今後の抱負などを聞きました。

大好きなアーティストの曲をカバー

――アルバムには、自作曲の「Open  Door」をはじめ、マドンナ、エド・シーラン、ノラ・ジョーンズのカバー曲、さらにボーナストラックとして、ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」で使われている名曲「マイ・フェイバリット・シングス」が収録されています。これらを選曲したのはなぜですか。

 私自身の音楽のルーツが見えるような曲を選ぼうと、プロデューサーと話をしました。いろんな曲が候補に挙がりましたが、私が本当に好きでよく聴いていた曲、大好きなアーティストの曲を選びました。

――「マテリアル・ガール」(マドンナ)などは、アップテンポな原曲とは対照的に、スローテンポでしっとりとした曲調が印象的です。

 マドンナは、強くて、誰も彼女を止められないといった感じがすごくかっこいいなと。でも、彼女の曲をカバーするなら、原曲とは全然違う雰囲気の曲にしたいと思いました。イントロを聴いた時に「なんだか聞いたことがあるけれど、何の曲だっけ?」って思わせるような曲にしたいと。

――唯一のオリジナル曲「Open  Door」は、どんな思いを込めて作ったのですか。

 きょうという日は、やりたいことができなかったり、会いたい人に会えなかったりして、自分にとってベストの一日ではなかったかもしれない。けれども、明日に向かってドアを開けて、自分が待ち望んでいる日に近づいていこう。そんなストーリーを歌にしてみました。

オーディション番組出演で音楽志す

――音楽の道を志したのはいつ頃ですか。

 幼稚園の頃、「サウンド・オブ・ミュージック」にはまったんです。最初は親が見せてくれたと思うんですが、自分で繰り返し見るようになって、親に「お願いだから、もうやめて」と言われるほどでした(笑)。それからディズニーのミュージカルアニメなどもよく見るようになって、英語で歌うのが好きになったんです。ただ、歌手になりたいと思っていたわけではありませんでした。

 中学を卒業した後、自分が将来、何をしたいのか分からず、迷っていた時期がありました。「音楽をもう少しやってみよう」と考えたのは、その頃です。すると友達が、「X Factor OKINAWA(エックス・ファクター・オキナワ)」という音楽オーディション番組があることを教えてくれて、応募するよう勧めてくれて。しかも、その日は応募の締め切り日。「このまま応募せずに後悔するのは嫌だな」と思って、急いで書類を送ったんです。

――歌手を目指す人たちが出場して優勝を競う番組で、Ayakoさんはファイナルステージに進出して、3位に入賞したのですね。

 自分でもびっくりでした。それまでは、ただ歌が好きで歌っていただけだったから。でも、この番組がきっかけで「自分は音楽を続けてもいいんだ」と思えるようになって、ボーカルレッスンに通うようになりました。そして、高校卒業後は、アメリカの「ヤング・アメリカンズ・カレッジ・オブ・パフォーミング・アーツ」に入りました。

――「ヤング・アメリカンズ」ではどんな活動を?

 ヤング・アメリカンズは、NPO(非営利団体)の劇団です。世界中をツアーで巡って、各地の子どもたちと一緒にショーを作り上げるワークショップを行うのです。30人から40人のメンバーが3、4か月かけてツアーをするんですが、その間はホテルではなく、一般家庭にホームステイをさせてもらっていました。

世界のいろんな場所で音楽を

――作詞・作曲をするようになったのはいつ頃?

 ヤング・アメリカンズにいた頃ですね。ルームメートたちがいつもギターを弾いたり、即興で曲を作って歌ったりしていたので、それにすごく影響されたんです。当時の仲間で、ヤング・アメリカンズを退団後、アーティストとして活動している人も何人かいて、彼らにも刺激を受けましたね。

――英語での作詞は難しくない?

 英語の歌詞は、韻を踏むことが重要なのですが、それがすごく難しいです。だからよく、作った詞をネイティブの友達に見てもらって、「これどう思う? 意味わかる?」って聞いています。ただ、今まで日本語より英語の曲の方をたくさん聴いてきたので、フレーズの作り方などは英語の方が自然にできる気がします。日本語の方が難しく感じますね。

――現在は、コロンビア・カレッジ・シカゴに在学中ですね。

 大学では広告関係の勉強をしています。もちろん音楽を専攻することも考えたのですが、何か新しいことにチャレンジをしたいと思って。冬のシカゴはとても寒くて、摂氏零度を超えたら暖かいと感じるほどなんです(笑)。それでも、授業の合間に友達とアートギャラリーに行ったり、演劇やコンサートを見に行ったりしています。今はまだ1年生なので、しばらくは夏休みや冬休みなどの時期に日本に戻って、音楽活動を行うことになります。

――どんなアーティストを目指しますか。

 私はアレン・ストーンが大好きで、シカゴでのライブに行ってきたんです。その後、彼のレコーディング音源を聴いたら、「これじゃ物足りない」と思って。ライブじゃないと物足りないと感じたんです。今の時代は、コンピューターを使ってきれいな音源を作り出せるけれど、やはりライブの方が迫力があって良いと思わせるアーティストにあこがれるし、自分もそんなふうになりたいです。それから、ヤング・アメリカンズにいた時から感じているのが、音楽に対するお客さんの反応って、国や地域によって違うということ。だから、世界のいろんな場所で音楽活動をするのはすごく楽しいと思います。いろんな場所に出かけて、音楽はもちろん、日本人アーティストとして日本の文化を世界に広げていけたらと思っています。

Profile プロフィル

Ayako
Ayako
ボーカリスト、シンガー・ソング・ライター

 1996年、東京生まれ。2013年、イギリス発の音楽オーディション番組「X Factor OKINAWA」に16歳で出場し、3位入賞。18年10月、ミニアルバム「Open  Door」を世界配信し、本格デビュー。12月24日にCD「Open  Door」(写真)をリリース。1月6日には、東京・渋谷のタワーレコード渋谷店でインストアライブを行う予定。