長瀬智也さん 大企業と戦う2代目社長を熱演

インタビュー

©2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

「空飛ぶタイヤ」池井戸作品初の映画化

 池井戸潤さんの人気小説「空飛ぶタイヤ」(6月15日公開)が映画化されます。トレーラーの脱輪事故を題材に、主人公で大企業と戦う運送会社社長・赤松徳郎を長瀬智也さんが演じます。長瀬さんに、作品への思いを聞きました。

人間味のある“熱い男”を表現

――長瀬さんといえば“熱い男”のイメージがあります。社員の運転していたトレーラーが脱輪事故を起こしたのがきっかけで、大企業の自動車メーカーと戦うことになる“普通の男”赤松社長はどんな人ですか?

 赤松は、父親が創業した運送会社を受け継いだ2代目社長なんです。社長になりたくてなったわけではないので、社員のこともよくわかっていなくて、整備不良のせいで事故が起きたと疑い、整備士の門田(阿部顕嵐)をいきなりクビにしちゃうんです。そういうダメなところ、ダサいところも含めて人間味があるところを表現しようと思いました。この若さで完璧な社長はありえないし。おやじの代から働いている大先輩の専務(笹野高史)や社員たちに支えられ、社長としては未熟だけれど、弱さを乗り越えて成長し、ステップアップしていきます。そんな人間味があって、リアリティーのある社長を目指せたらと思いました。

――長瀬さん自身が守るべき“正義感”は?

©2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

 仕事で、「なんでこれじゃ、だめなんだ?」とか「これが絶対一番いいに決まっているじゃないか」と思うことはありますが、いろいろな事情で自分の価値観が通らないこともあります。もめごともなく平和にことが進むに越したことはありませんが、自分の価値観を貫き通すために仕事場に行っているわけではないし、そこは何が何でも自分の“正義感”を守ろうとは思いません。仕事であればどんなこともやります。とはいっても自分らしくいることは大事だと思います。ただ、自分にとっての正義が他人からは邪悪になるかもしれない。そこは客観的に、冷静的に見ることにしています。そんな姿勢がたまたま役柄にはまって、見る人に勇気を与えられたらうれしいです。

――長瀬さん自身、役を通して勇気をもらったものは?

 誰だって社会の中で納得いかないこともあると思います。大企業のコマとして頑張って働いていても、周りが見えなくなることがあるかもしれません。その中で、自社の“リコール隠し”に気づいたホープ自動車の沢田課長(ディーン・フジオカ)やホープ銀行の井崎(高橋一生)が、独自の調査を始めます。「そんな人もいるんだな」というところに救いを感じました。社会の中で赤松と同じように戦う人がきっといるんだと思うだけで、勇気をもらえました。企業の中で働いていても「これだけは曲げられない」という思いは男としてカッコいいし、すてきだなと思いました。

動物的な勘でついていく

――どういう社長について行きたい?

©2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

 僕自身はトップに立てる人間じゃないけど(笑)。いい人を取り繕うことはできるかもしれない。僕もいろいろな人を見てきているので、自分の中でのジャッジはできると思います。そういうアンテナとか見極める目を持っていると思います。薄っぺらなことで僕をだますことはできない。それは、業績でもコミュニケーション力でもない。人がなんと言おうと「オレはいいと思うんだよ!」と感じる、言葉で言い表せない動物的な勘みたいなもの。そこを自分で信じています。いいことも厳しいこともちゃんと言ってくれる。僕にも同じ目線で話してくれる。そういう人はすごいと思います。

“加齢臭”をフェロモンに

――10年前のインタビューで、「“加齢臭”をフェロモンに変えたい」と言っていました。今年40歳になりますが、心境に変化は?

 基本的には何も変わっていません。僕は演技のほかに歌もやっていますが、歌もお芝居もあまり区別はつけていなくて、どちらも「主人公」になることを考えています。うまくやることにとらわれずに、どちらでも人に感動を与えたいと思っています。自分には、これ以上もこれ以下もなく、これしかできない。でも、若いころに比べ、だんだん頑固さはなくなってきたかもしれません。それでも人から「こうしたほうがいいよ」と言われるのではなく、自分で決めたいとは思っています。若いころはそれが生意気だと思われたかもしれません。昔は「コメディーがやりたい!」と思ったら、それにこだわっていましたが、コメディーもあれば社会派もあるかもしれない。音楽だったらロックもあるしラブソングもある。お芝居にも歌にもいろいろジャンルがあるんだと、考えが柔軟になりました。

――池井戸作品と言えば“一発逆転”が醍醐味(だいごみ)のひとつですが、自身が思う“一発逆転”はありますか?

 僕らがすばらしいと思っていても、今の時代ではダメといわれることがあります。世間の目も年々厳しくなってきています。だけど、自分がいいと信じているものはいつか認めてもらえる日が来るかもしれない。そんな“一発逆転”があればいいなと思っています。
 (メディア局・遠山留美)

長瀬智也 (ながせ・ともや)

1978年11月7日、神奈川県生まれ。俳優、ミュージシャン。バンド「TOKIO」のギター、ボーカル。

©2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

公開情報:映画「空飛ぶタイヤ」6月15日(金)から全国公開
監督:本木克英、脚本:林民夫、原作:池井戸潤「空飛ぶタイヤ」(講談社文庫/実業之日本社文庫)
主演:長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生、深田恭子、岸部一徳、笹野高史、寺脇康文、小池栄子、阿部顕嵐(Love-tune/ジャニーズJr.)、ムロツヨシ、中村蒼

オフィシャルサイト:http://soratobu-movie.jp/

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