吉田羊さん、恋の相手はどのタイプ?! 映画「ラブ×ドック」公開

インタビュー

 鈴木おさむ監督の映画デビュー作「ラブ×ドック」が11日に公開。恋愛で人生の選択を誤ってきた人気パティシエが、怪しい恋愛クリニックと出会い、一発逆転を狙うオトナのラブコメディー。ヒロインを演じる女優の吉田羊さんに映画の見どころや恋愛観を聞きました。

おしゃれは恋愛のスタート地点

―――クールでかっこいいイメージのある吉田さんですが、今作での剛田飛鳥は恋に振り回される、喜怒哀楽が激しいキュートな女性。ヒロインに共感できるところはありましたか。

 飛鳥の魅力って、素直にまっすぐ生きているところ。失敗したり、つまずいたりするけど、自分で決めたことは全力でがんばる。私も自分にウソはつきたくないし、心に忠実に生きたいと思っています。セリフやお芝居にウソがないよう、恐れることなく、全力で喜怒哀楽を表現しました。

すごく泣けるセリフがあって、感情がわっと高まり、パティシエとしての飛鳥が私の中に入り込んできました

―――衣装もカラフルでかわいくて、恋する飛鳥にピッタリでした。

 役作りは衣装と化粧が8割だと思っています。キラキラした衣装を身に着けるだけで、飛鳥になり切れました。メイクさんも素晴らしくて、まさかの「吉田羊がかわいらしく見える!」という奇跡を起こしていただきました。「全方向でかわいく見える、すごいぞ!」と。不思議なことに、キラキラした衣装でメイクをすると、テンションが上がるんです。おしゃれしている自分を見てほしくて、外出したくなる。それで思ったんですけど、ファッションを意識することで、恋のスタート地点に立てるんじゃないかと。出会いがないと恋はできないでしょう? おしゃれして外に出て恋をしましょう!

―――吉田さん直伝の恋愛方程式ですね。実践したいです。恋愛で失敗ばかりの飛鳥は、恋の遺伝子検査を受けます。吉田さんは「遺伝子検査で人生が測れる」と言われたら、受けますか?

 受けません。だって、予測できる未来なんてつまらないもの。もし、受けるとしたら、遺伝子への挑戦ですね。遺伝子なんかに負けない、ぜったい自分で人生をコントロールするぞ!――という気持ちで挑むかもしれません。

人生に無駄な恋はない!

―――映画では飛鳥の前に3人の男性が現れます。年上のオーナーパティシエ・淡井、同世代でジムトレーナーの野村、年下のパティシエ・星矢。吉田さんは誰がタイプですか。

 不倫でなければ、淡井さんです。人生経験が豊富なので、女性を喜ばせる引き出しをたくさん持っていそう。それに、人生にはユーモアが必要です。淡井は歯が浮くようなセリフを、真顔で説得力を持って言える人。それって、ユーモアのセンスですよね。この人といたら、面白そうと思わせてくれる。「きょうは、どんな言葉をくれるのかしら」って、毎日楽しみでしょう?

―――「1分間、愚痴を聞いてほしい」と耳元でささやかれたり、後ろからぎゅっとハグされたり、いろいろな“口説かれシーン”がありました。一番ときめいたのは?

 大きな水槽の前で、星矢とつなぎかけた手を外して、そっと小指だけ触れるシーンです。台本には「手をつなぐ二人」とだけ書いてあったんです。でも、現場で「これ、直接つないだら、つまらないよね」という話になって。星矢はつなごうとするけど、飛鳥はためらう。でも、やっぱり触れたい。そんな気持ちの揺れが指先から伝わるか、伝わらないか――。そのシーンは、キュンとしました。

映画に出てくるケーキは実際に作りました。すごくおいしいんですよ

―――淡井は口説き目的で飛鳥の仕事ぶりをほめ、それに対して、飛鳥は「女の仕事を軽々しく評価するな!」と激怒します。働く女の胸に響くシーンでした。

 働いている女性は、仕事をほめられると弱いんです。私も仕事を優先して、恋愛を横に置いて生きているので、仕事で評価されるとすごくうれしい。だからこそ、その気持ちを利用されると深く傷つくと思うんです。年を重ねると恋愛の機会が減って、自分に興味を持ってくれるきっかけとして、「仕事」が大きな要素になります。でも、誘惑するための口実にはしてほしくないですね。

―――たしかに、オトナになるにつれ、恋に臆病になる気がします。そんな女性の背中を押すとしたら、なんと言いますか。

 今回の映画の最大のテーマでもありますが、「人生に無駄な恋はない」です。人を好きになることでしか得られない感情があると思うんです。それを知らないで生きていくのはもったいない。恋に失敗して傷ついても死ぬわけじゃない。それを糧に次の恋に向かっていけばいいんです。

何かを選択するときは、必ず自分で決める

―――飛鳥はつらくても苦しくても、パティシエという仕事を大切に思い、頑張り続けます。吉田さんは、女優以外の仕事をしたいと思ったことはありますか。

 お芝居は楽しいですし、幸いなことに次々とお仕事のお誘いをいただいたので、続けてこられました。でも、一生女優を続けていくつもりかというと、そうでもないんです。私は自分を空っぽな人間だと思っています。演じることで“空っぽ”を埋めているんです。いろいろな役を演じていると、自分で自分を発見することがある。こういう顔するんだとか、こういう声が出るんだとか。そういう、小さな発見を自分の中に埋めていって、いっぱいになったら、演じることに飽きるかもしれません。そうなったら、女優をやめるかもしれないですね。

ピラティスを始めました。体を整えることがメンタルを整えることにつながるのだと感じています

―――女の本音が満載で、本作を見て私は思わず泣きました。飛鳥のように仕事や恋に悩み、人生の岐路に立っている女性たちにアドバイスを。

 何かを選択するとき、私は必ず自分で決めてきました。自分で決めたことなら、人のせいにできないし、うまくいかなくても納得できる。「あのとき自分で決めたじゃないか」と言える強さが大事だと思います。

(聞き手:読売新聞メディア局・後藤裕子、撮影:金井尭子)

吉田 羊(よしだ・よう)
女優

 2月3日生まれ。福岡県出身。1997年に舞台でデビュー。約10年間舞台を中心に活躍し、2007年から活動の場を映像にも広げ、着実に出演数を重ねて、14年の大ヒットドラマ「HERO」(CX)で一躍その名を知られる。『映画ビリギャル』(15年)で、第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞、第58回ブルーリボン賞助演女優賞などを受賞。16年大河ドラマ「真田丸」(NHK)に出演し、同年の『嫌な女』で映画初主演、『コールドケース~真実の扉』(同年、WOWOW)で連続ドラマ初主演、『メディカル・チーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』(同年、CX)で地上波連続ドラマ初主演を務めるなど大ブレイクを果たした。その他、近年の主な出演作に『SCOOP!』(16年)、『ボクの妻と結婚してください。』(同年)など。公開待機作は『恋は雨上がりのように』『コーヒーが冷めないうちに』(18年)など。

<映画情報>

ラブ×ドック

 とあるところに存在する恋愛クリニック「ラブドック」。そこは恋愛体質の人にこそ、意昧のある場所。ある日訪れたのは人気パティシエの剛田飛鳥。人生で成功を収めながらも、節目節目で恋愛に走り、仕事をなくし、親友をなくしてきた。そんな飛鳥に、魅惑の女医、冬木玲子が処方したのは、遺伝子から抽出したという、特別な薬。これを打てば危険な恋愛をストップできる優れもの? 果たして彼女の恋愛模様は、薬で軌道修正できるのか? いくつになっても恋をしたい! 人生を楽しみたい! でも、理想と現実がかみ合わない……。そんな女性たちに贈る、遺伝子レベルで恋が始まる、究極のラブコメティー!

出演:吉田羊、野村周平、大久保佳代子、篠原篤、唐田えりか、川畑 要(CHEMISTRY)、山田純大、音尾琢真、大鶴義丹、成田 凌/広末涼子 吉田鋼太郎(特別出演)/玉木 宏
監督・脚本:鈴木おさむ
ミュージックディレクション&主題歌:加藤ミリヤ
(c)2018 『ラブ×ドック』製作委員会
公式サイト:http://lovedoc.asmik-ace.co.jp/
5月11日(金)全国ロードショー