お盆を使った独創的な「ハダカ芸」で、一人芸ナンバーワンを決めるコンクール「R-1ぐらんぷり 2017」の王者となり、昨年大ブレイクしたアキラ100%さん。ゲスト出演した「ダウンタウンDXDX 2時間SP」(日本テレビ系、11日午後9時から放送予定)の収録前、ハダカ芸へのこだわりやプライベートについて話を聞きました。
賞金は妻へのプレゼント
――3度目の出演ですが、意気込みは?
もうお正月気分ではありませんが、新年らしいネタをやらせてもらいます。両脇に出演者がいて、MCのダウンタウンさんが真ん中にいて、その前でネタをやるので、モニターに集中していただかないと(笑)。サイドに座っているゲストからのプレッシャーに耐えながら、いいパフォーマンスをしたいと思います。
――リハーサルで何度も練習していましたが、成功しそうですか?
緊張してなかなかうまくいきませんが、大御所ゲストのみなさんの前でみっともない芸は見せたくないので、がんばります!
――昨年は大活躍でしたね。どんな1年でしたか?
「テレビで売れたい」と思ってずっとやってきましたが、自分の想像をはるかに超え、もう信じられないというか、ラッキーな1年でした。
――一番の転機は「R-1ぐらんぷり」の優勝ですか?
そうですね。最初は2015年の初めに、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」(日本テレビ系)内の宴会芸を見せる新年企画「山-1グランプリ」で「丸腰警部」をやらせてもらったときに、少し手ごたえを感じました。
次に、2016年の年末にダウンタウンさんの「絶対に笑ってはいけない科学博士24時」(日本テレビ系)という番組で、俳優の原田龍二さんとコラボネタをやらせてもらったときにも多くの反響がありました。そのふたつがあって、R-1の優勝につながるホップ・ステップ・ジャンプで、今の状況になれたのだと思います。それまでは、コアなお笑いファンが見るネタ番組には出させてもらっていましたが、「ガキ使」の出演で一般の視聴者にも認知してもらえました。
――R-1の賞金500万円の使い道は?
大きな買い物はしていません。妻とちょっと豪華な外食をしたり、アクセサリーをプレゼントしたりしました。アルバイト時代はずっとできなかったので、妻にプレゼントを喜んでもらえてよかったです。
――奥様は「ハダカ芸」についてなんと?
「くだらないね」って言いながら笑ってくれます。公園とかで芸の練習ができないし、家か劇場でしか練習できないんです。自分ではチェックできないので、家で練習するときは、見えるか見えないか確認をしてもらいます(笑)。
批判あっても仕方ない
――お盆で股間を隠すネタは、先輩芸人から「下品だ」「ただの宴会芸」などと批判もありましたが、松本(人志)さんは、アキラさんを擁護するコメントをしています。
ありがたいです。このネタを劇場でやったときに、アンケートを取るんですが、「おもしろい」と「つまらない、もう見たくない」がハッキリ分かれていました。この芸をおもしろいと思ってくれるのは理屈じゃないんですよ。その辺はあきらめていたというか、万人に受けなくても仕方ないと思っていました。好き嫌いは分かれると思います。
――最初は少し抵抗感がありましたが、見るうちに、練習の積み重ねで完成されたすばらしい芸だと思い感心しました。
この芸を始めて3年がたちましたが、最初はお盆を回転させたり、しゃがんだり、歩いたりしかレパートリーがなかったんですが、少しずつ工夫して、ショートネタや、小道具を使ったネタなど、今では30種類くらいのバリエーションがあります。
――営業でのハプニングは?
幸いなことにありません(笑)。営業ではアグレッシブな技はできるだけ避けて、安全策を考えてネタを組んでいます。いつも「背水の陣」の気持ちで闘っています(笑)。
――一番つらかった仕事は?
服を着ていないので当たり前ですが、寒いところだと、手がかじかんでしまうのできついです。逆に暑いと、手が汗ばんでお盆がすべりそうになります。この芸は暑さ寒さに弱いです(笑)。あとはお盆と手をガムテープでくっつけて、隠したままバンジージャンプを飛んだことです。怖かったですが、若手芸人としてバンジーをやらせてもらったことへのうれしさがありました。

在庫がない!お盆芸存続の危機
――お盆の在庫が少ないそうですが、ブレイク後、増産されましたか?
それが家にあるものしかないんですよ。100円均一ショップものを使っています。今日はきれいなものに新調しました。すぐにへこんでボコボコに曲がってしまいますが、大事に使っています。
――一般の方も宴会でマネをしていますが、アドバイスは?
この芸は絶対に見せないというのが前提ですから、少しでも見えてしまうなら、人前ではやらないでください。今はコンプライアンスとかハラスメントとか厳しいですから。地道に素振りや自主練習を行ってください(笑)。
――人前でハダカになるので、体形維持のために鍛えたり、お肌の手入れはしていますか?
以前はスポーツインストラクターのアルバイトをしていました。元々やせ形で、体脂肪率は12-13%ぐらいです。最近はバイトも辞め、あまり鍛える時間がないので、家で腕立て伏せやスクワットをしていますが、テレビを見ると少し体重が増えてきたのがわかるし、わき腹に肉がついてきたなと感じます。永久脱毛だと何度も通わないといけないみたいなので、ムダ毛はそっています。
スキャンダル対策は?
――ブレイクして、心配なのはスキャンダルですが。
プライベートはおとなしくて、仕事が終わるとすぐ家に帰ります。お酒もそんなに強くないですし、飲みに行って睡眠時間が減るよりも、家で体を休ませたいと思います。これが20代、30代だったら、飲みに行って2、3時間寝て、すぐに仕事に行っていたと思いますが、もう、無理ができません。40歳を過ぎて急に忙しくなったので、年齢もあるかもしれませんが、疲れやすいんですよね(笑)。
週刊誌の記者にはつまらないプライベートだと思いますが。オフがあったら妻と食事に行ったり、買い物に行ったり、家で撮りためたテレビ番組を見たりしていると、あっという間に夕方になってしまいます。
2018年の抱負は?
――次々と新しいハダカ芸人が出てきますが。
ハダカネタもひとつのジャンルとして確立しつつあると思います。その中でどうにか生き残っていきたいと思っています。バラエティー番組でひな壇とかに座らせてもらっていますが、ハダカなのであまり外のロケとかリポーターをさせてもらったことがないんですよね。そういう仕事にも挑戦させてもらえたらうれしいです。
――元々は俳優志望だったそうですね
はい、若い頃は。もう10年以上、お笑いをやっていますが、もし、チャンスがあったらぜひお芝居もやりたいと思っています。
服を着るタイミングは?
――他のハダカ芸人さんもそうですが、洋服を着るタイミングを考えていますか?
僕はこのまま服を着ないでもいいと思っていますが、年齢とともに筋肉も落ちてくるので、人前でずっとハダカを見せられるよう鍛えたいと思っています。
――冬場の寒い季節は大変ですが、体調管理は?
この季節、冷えが怖いですが、ネタの前後にしっかり体を温めて防寒対策をしてケアをしていきたいと思います。小島よしおさんや、とにかく明るい安村さんにも、「外の仕事では靴はぜったい履かせてもらったほうがいい」とか「朝、お風呂に入ったほうがいい」とアドバイスしてもらっています(笑)。小島さんは「雪まつり」の営業の時には、横に熱湯を置いて体を温めながらやっていたそうです。
――ハダカ芸人さんにとって熱湯風呂は罰ゲームではなく、ごほうびですね。
はい。風邪を引かないようにがんばりたいと思います。
(聞き手:読売新聞メディア局・遠山留美、撮影:高梨義之)
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