30代は悩み世代、ポジティブに選択肢があると思うようにしています

日本テレビアナウンサー 水卜麻美

今月の誕生日で30歳になる水卜さん。仕事や結婚、フリーのこと。気になることを聞きました。

アナウンサーは幸せにつながる仕事

  ――――アナウンサーは昔からの夢だったそうですね。

 小学生の時からずっとなりたかったんです。一点の後悔もないし、もし生まれ変わっても違うことをしたいとも思いません。この仕事につけてよかったなと思っています。

  ――――仕事のどこが一番魅力ですか?

 視聴者のみなさんに「今日も何か食べに行くの?」と声をかけられたりして、町中に知り合いが増えた感じなんです。小さい子から手紙をもらったり、お母さんから「みとちゃんの食べる姿がおいしそうで、子どもがご飯を食べるようになりました」と言われたり。うれしいですよね。アナウンサーは伝える仕事なので、食リポを見た人が一歩足を延ばして食べに行ってみようかと思ってもらえたり、幸せにつながっているなら意味はあるよなー、と思って。

何が来てもふわっと受け身がとれるようにしていたい

  ――――5年後の自分は?

 なるようになる、と思って、あんまり目標が立てられないんです。結婚をしているかもしれないし、したいような気もするし……。でも、何歳でというのは決めていないです。ずっとアナウンサーをしていたい、していると思うんですけれど、会社員なので、自分の思う通りにいかない可能性もある。それで「あっ」と思うよりは、いつなにが降ってきても大丈夫なように、一日一日、今あるものをMAXにと思っています。

 もともと夏休みの宿題は1日の朝までやっているタイプなんですよ。そういう意味でも、自分で決めて縛っちゃうと、うまく生きられないと思う。それじゃいけないと考えていた時期もあるんですけれど、これが私だからしょうがないと思って受け入れています。

 ――――どんなボールが来ても受け取れるようでいたい?

 人から「こうやったほうがいいんじゃない」と言われると、「ああ、そうか」と思い、「こうしたほうがいい」と言われると「ああ、そうか」と。だいたいのことに「ああ、そうか」と思うタイプなので。自分がないと言うことかもしれないんですけど、一つ芯があれば、あとは結構、柔軟でいたいと思っています。日テレのアナウンサーとしての軸はあり、あとは何がきてもふわっと受け身がとれるようにはしているかもしれない。

  ――――日テレのアナウンサーとしての軸とは?

 ちょっとした立ち居振る舞い、言葉遣いとか……。ご飯を食べての食リポでも「やばっ」とか「うまっ」とかは言わない。面白くてもアナウンサーとしてはダメだよなというのは日々の生活にしてもあったり……。そこだけは結構決めています。

  ――――テレビ局によってもカラーが違います。

 キラキラ感ないっていうと語弊があるけれど、本当に普通なんですよね。芸能人のみなさんを見て、面白い、かっこいい、きれいとか感動する側でいたいと思っていて、後輩もそうじゃないかな。日常見ている値段とか、普通の感覚を一番大事にしていかなきゃいけない。茶の間に一人いても違和感ない感じ。「ヒルナンデス!」でもそういう存在でありたいと思っています。

 (毎年新年に実況する)箱根駅伝の伝統もあるのかな。そうそうたる先輩方が実況のための下調べや資料作りを夜中までしている姿をみんな目にしています。アナウンサーたるもの、泥臭い、見えない仕事がどれだけ大事かを知っている。そういう部分に価値を見いだす人が多い気がしますね。テレビには映らないけれど、私が取材したことを尊敬する先輩に実況で読まれたことに感動するっていう。オンエアにのるだけじゃない価値観をうちのアナウンス部は共有していると思います。

  ――――毎日の帯番組を続けるのは大変だと思うのですが。

 大事なのは、会社の環境だなと思います。アナウンス部に帰って先輩・後輩の顔を見ると安心するし、居心地がいい。アナウンサーって、一人勝負なところがあるんですよ。すれ違いで顔を合わせなくても、テレビで後輩の顔見ると安心したり、笑ったり。会社の人がみんな知り合いで、エレベーターで「最近どう?」って話しかけてくれる。それが自分の心のよりどころになっています。

フリー報道 「ぜんぜんやめる気はないです」

  ――――フリーになるつもりは?

 そんなことを言ったこともないのに、急に(フリーになることについて)週刊誌で取り上げられるようになって、30歳ってそういうことなんだなと思った。アナウンサーで独立する人は30歳ごろが多いんですよ。だから、世間は私が30になることに気づいていると思って(笑)。言われて初めて、なるほどそういう道があるのか、と思ったけれど、ぜんぜんやめる気はないです。もちろん今後何があるかわからないけれど、例えば、前向きな理由で、寿退社とか(笑)。言いながら笑っちゃったけれど。先輩から「やめるならおごれ」と言われ、「やめないですよ」と言い返してます。

  ――――会話の多い職場ですね。

 雑談はたくさんしています。後輩とも先輩とも、しょっちゅう飲みに行くようにしているし。「番組が面白かった」と連絡をもらったり、人に声かけられたり、気にかけてもらったりすると、心にいいんでしょうね。アナウンサーの派閥や相関図が書かれた記事を見ながら、「この仲が悪いと書いてある2人、一緒に飲みに行ってたよね」なんて、みんなで囲んでお茶を飲んだりしています。

結婚、出産……悩みがあることは選択肢があるということ

  ――――自分の悩みは相談しますか?

 私、あんまり相談しないです。飲みに行っても、自分はしゃべらずに、みんながしゃべる面白い話を聞きながら、ビール飲んだりするのが楽しい。あんまり自分のこと話せないんですよね。結構自分の悩みは自分で解決っていう感じなので。だからこそ、周りに一緒にいてくれたり、バカやったりしてくれたりすることがうれしいんでしょうね。

  ――――30代は結婚や出産など迷いの多い世代ですよね。

 それでいうとまさに毎日悩んでいます(笑)。周りはみんな結婚していて、高校の友達と、以前は夜に飲み行っていたのが、パパがみていてくれるから土日のランチになったりして。かわいい他人の子どもをあやしながら、私これでいいのかしらって。そういう意味では日々楽しいけれど、相当迷っているし、悩んでいるし。結婚した友達は「早く結婚しなよ。子どもかわいいよ」って言うし、バリバリ働いている人は「まだいいんじゃない」って。どれも正解だから……。でも、ポジティブに迷う、というか、悩むということは選択肢がたくさんあるんだな、と思うようにしています。

  ――――これからやりたい仕事は?

 アナウンサーとして憧れていたのは小島奈津子さん。でも、同じにはなれないので、自分なりの正解を見つけなきゃ。今後やりたいのは、インタビューですかね。人の話を聞くの好きなので、じっくり話を聞きたいです。

前編:「理想の上司NO.1 水卜アナが人前で弱音を吐かない理由」 

(聞き手:大森亜紀、写真:鈴木竜三)

水卜麻美(みうら・あさみ)
日本テレビアナウンサー

 1987年4月生まれ。千葉県市川市出身。慶応大学文学部卒業。「ヒルナンデス!」(月~金曜11時55分)、「幸せ!ボンビーガール」(火曜22時)、「有吉ゼミ」(月曜19時)にレギュラー出演