「のむ天然おだし」で伝えたい、日本の食文化の魅力

ごほうびクリエーター×ぐるなび

“のむ天然おだし”専門店「雅結寿」のドリップパック

キラリと光るあの人から人生のヒントを。元気をくれる特別なごほうびフードを生み出すごほうびクリエーターの生き方に迫ります。

“のむ天然おだし”専門店「雅結寿みやびゆいのじゅ」 阿部恵里子さん

東京都世田谷区の三宿エリアにたたずむ、こぢんまりとしたカフェのような外観。店内でひときわ目を引くのが、魚や野菜のイラストで彩られた11種ものドリップパックです。コーヒーや紅茶ではなく、その名も「のむ天然おだし」。化学調味料・食品添加物、塩といった調味料を一切加えず、自然本来の素材を使っただしをドリップして飲む看板商品です。 だしとは食材を煮出し、うま味成分を抽出したもの。料理の味の決め手といっても過言ではありません。そんなだしの魅力を伝えるべく、阿部恵里子さんが2016年に開業したのが「雅結寿」です。

優しい味わいに、価値観がひっくり返された

広告会社に勤め、企業やイベントのオリジナル商品の企画やブランディングを手掛けていた阿部さん。当時から食文化への関心が強く「イベントやフェアでノベルティーを作ると、最も反響が大きかったのが食べ物関連。食が人の心を打つことを実感しました」。食に興味を持ち始め、地方の特産品を活用したプロデュースも積極的に手掛けてきました。

“のむ天然おだし”専門店「雅結寿」を運営するボニートジャパン株式会社代表取締役の阿部 恵里子さん

「日本には、こんなにたくさんおいしいものがあるんだ」という確信から、革新へ踏み出したきっかけは知人の日本料理店での出来事。「今からお出しする料理すべての元になっています」と食前酒のように出されたのが、カツオ節と昆布の合わせだしでした。口に広がった優しい味わいに、価値観がひっくり返ったそう。当時は多忙で、精神的にも余裕がなかった頃。「飲んだ後の余韻と、ほっとさせてくれる感覚がとにかく素晴らしかったんです」

ドリップスタイルは素材が一番香り立つ手法

カツオ節や昆布、煮干しやシイタケ。一口にだしといっても、種類も産地もさまざまです。掘り下げるほどおもしろく、勉強のやりがいを感じた阿部さん。どんどん、だしの世界に魅了され、都内のカツオ節専門店や現在も取引のある鹿児島の会社まで足を運びました。

「だしは料理に使うもの。本来、身近なものであるはずなのに、意外にもスーパーでの選択肢は少ないんです」。さらに欧米化しつつある食生活や顆粒かりゅうタイプの台頭により、だしや和食そのものの認識が薄れていると感じたそう。「素晴らしい食材や産地があることを、おだしを通してもっと知ってほしい」。知ってもらうためには、どう伝えるべきか――たどり着いたのが、最も香りを堪能できるドリップスタイルでした。

“のむ天然おだし”専門店「雅結寿」のドリップ。最も香りを堪能できる

2015年にボニートジャパン株式会社を設立してからは、前職から付き合いのあった生産者をはじめ、各地のメーカーとの商品づくりに奔走。阿部さんの理念に快く賛同し、多くの食材を紹介してくれるケースが大半だったそう。「どの会社さんも体にいいものを作りたいけれど、コスト面を考えると化学調味料に頼らざるを得ない。本当に良質なものを適正価格で作ることには皆さん前向きでした」

スタートはいまひとつでも、お客さんの声を信じて

店舗を開いた当初のラインアップは、現在よりも少数精鋭。鹿児島県で作られた、本枯れ節と荒節、北海道産の昆布と国産シイタケを使った「鹿児島ドリップ」、芳翠園ほうすいえんの高級銘茶を加えた「のむ銘茶だし」シリーズが販売されていました。

“のむ天然おだし”専門店「雅結寿」の店内の様子

阿部さんが原点と語る「鹿児島ドリップ」をいただくことに。約90度の熱湯が細く注がれると、店内中にだしの香りが広がります。澄んだ黄金色からは、素朴ながらも想像以上にコクの深い味わいが。風味の神髄を香りと味覚で堪能する、ぜいたくな時間です。

ただ、開店当初の反応はいまひとつでした。「だしは飲み物ではない」「味が薄い」という声が多く寄せられたそう。信念を曲げずに売り続けられたのは、たとえ少数であっても気に入ってくれたお客さんの応援があったから。「まだ認知度が低いだけで、知ってもらえれば可能性がある」。だしの良さを知ったファンの声に励まされ続けるうち、口コミでどんどん顧客を増やしていきました。

だし食材の掛け合わせ、可能性は無限大

現在では店舗、オンラインで販売。ハイクラスホテルからも声がかかり、スイートルームやラウンジで提供されています。商品展開も多様性を増し、料理だしや缶詰、だしを使ったおつまみなどの販売も開始しました。「やっぱり料理にも使ってみたいとお声をいただいたんです」。創業当初から抱いていた「まずは、おだしの素晴らしさを知ってもらいたい」という目標は、達成されつつあります。

“のむ天然おだし”専門店「雅結寿」を運営するボニートジャパン株式会社代表取締役の阿部 恵里子さん

次の段階を尋ねると「おだしを始め、もっと食材の掛け合わせや組み合わせをたくさん提案して商品を作っていきたい。日本のおいしい食材は、まだまだたくさんあるんですよ」と弾んだ声が返ってきました。「商品開発が本当に楽しくて大好き」とも。「紅茶やコーヒーとまではいきませんが、おだしを飲むことは徐々に浸透してきた気がします。アレンジを含めて、だしの世界をもっと広めていきたいです」

(ライター/麻林由、撮影/片桐圭)

【お店とメニュー情報】

[商品]「のむ天然おだし 【雅】みやび」3,348円(税込み)
https://gurusuguri.com/shop/z633800/GI-100/
[店名]雅結寿
[住所]東京都世田谷区下馬2丁目27-14 玉川B&Sビル1F
[営業時間]12:00~18:00
[定休日]月、火曜
[問い合わせ先]03-6450-8357
[ホームページ] https://miyabi-yuinojyu.com/

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