大阪のおしゃれなチャイ専門店を仕切る、陰の猫店主

いろいろな猫の生き方(94)

大阪市大正区にある「チャイ工房」は、大阪の中心部からは離れているけれど、足を運ぶ価値があると言われているカフェです。その価値とは、古民家をリノベーションして居心地の良い、おしゃれなカフェで定番になりつつあるインドのお茶「チャイ」の専門店であること。それに、かわいい看板猫の存在です。大阪出張の際に立ち寄ってみると、看板猫のチャコさんは、このカフェを取り仕切る「陰の店主」のような存在感をみせていました。そんなチャコさんの振る舞いをお伝えします。

こちらがチャコさん(9歳メス)。生後1か月ぐらいのときにお店にやって来ました。近くにある区役所のそばで保護され、亡くなった先代猫に柄がそっくりで、ご近所さんの勧めもあり、引き取ることになったそうです。

古いアパートをリノベーションしたお店の1階はカフェ。2階は陶芸工房とプライベートな空間なので、立ち入りはできませんが、チャコさんは2階へ上がる階段がとてもお気に入り。この場所で店内の様子を観察しています。

訪れたときは、1階のカフェ内を自由に動き回っていました。また、板の間に上がったお客さんの靴底の匂いをしきりに嗅いでいます。まるで、「この人は何者?」とチェックしているようです。

チャコさんは、短く曲がったかぎしっぽ。そのせいでバランスをとるのが難しいのか、棚の上の小さな陶器を落としてしまいました。自分をモデルにした猫の作品だったから、そばにいたお客さんに大ウケ。猫の陶器は他にも種類があり、販売もしています。

オーナーが猫用のおやつの入った瓶をカラカラと鳴らすと、すっ飛んできます。専用の陶器のお皿でおやつを一粒。なくなると瓶をちょんちょんと叩いたり転がしたりして催促する姿がかわいい。ちょっとしたチャコさんショータイムといったところ。お客さんの目もくぎ付けです。

お店は現在の場所へ移る前も含めると、オープンから30年目。チャイ専門店としてスタートしましたが、チャイに合うデザートや軽食も出すようになり、その中でもカレーが人気メニューに。写真は、オーガニック野菜がたっぷり入ったカレーで、オリジナルのお皿もすてきです。しかも、とてもリーズナブルなお値段でした。

写真を撮り忘れましたが、注文したチャイは、さすが専門店といえる深い味わいでした。店内には、入り口の土間を抜けると、テーブル席と板張りの座敷があります。古いアパート独特の懐かしさを感じさせ、暖かく居心地の良い空間には、海外の珍しい楽器や小物が飾られています。最寄り駅から遠く、バスか車でなければ訪れにくい、ちょっと不便な場所ですが、とてもすてきなお店でした。

チャイ工房
大阪府大阪市大正区北村1丁目149 JR・地下鉄大正駅から徒歩30分 電話: 06-6552-1924 営業時間:昼12時から夜8時 定休日:不定休(休日は要確認) ホームページ 

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南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「パンダのすべて」「ハシビロコウのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

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