「迷宮都市」モロッコ・フェズ、なめし革工場の猫

いろいろな猫の生き方(92)

エキゾチックな北アフリカの国、モロッコの古都は、どこも迷路のようなつくりです。その中でも必ず迷うといわれるほど入り組んでいるのが、フェズの街。旧市街フェズ・エル・バリは「迷宮都市」として世界遺産に登録されています。実はモロッコの旅に、この街を選んだのはフェズ名物「タンネリ(なめし革工場)」の絶景を眺めたかったから。で、これが大正解。すばらしい景色を見られたうえ、タンネリに行き着くまでに、この街で暮らすたくさんの猫たちに出会いました。

タンネリは、フェズのブー・ジュルード正門から入ったずっと奥にあります。絵の具のパレットのような色とりどりの円形の染色おけがズラリと並んだ中、染色作業をする職人さんをベランダから俯瞰ふかんで眺めます。

タンネリに向かう際もメインストリートを歩きながら細い路地の先を猫チェックします。迷宮の中、猫たちはそれぞれ好みの場所を見つけています。

路地のひとつにロシアンブルー風な灰色の猫がいましたびっしりと商店が立ち並ぶメインストリートとは違い、趣のある通りをゆっくり歩いています。

どうやらこの路地は、猫だまりのようです。灰色の猫以外にも数匹の猫が集まっていました。

人間がせわしなく行き来するメインストリートを歩き続けると、その喧噪けんそうに少し疲れてきます。路地裏でホッと和むのは、猫も同じなのでしょう。

ここの猫たちはとてもフレンドリーで、カメラにも慣れてくると猫の方から近寄ってきます。ただ、さっきから独特な臭いが漂っているのが気になります。後で気がついたのですが、この臭いはタンネリの染色の臭いでした。

この場所をもう一度、訪れてわかりました。路地の隣にも小規模なタンネリ工場がありました。迷宮都市フェズでは、タンネリと猫の相性はとてもいいようです。フェズのタンネリ工場見学の後に訪れてみてください。

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南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「パンダのすべて」「ハシビロコウのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

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