職場で隠れんぼする、石巻「タマホテル」の猫スタッフ

いろいろな猫の生き方(88)

宮城県・石巻には「タマホテル」という、聞くだけでなんとも和んでしまう名の宿があります。実際に、宿には「タマ」という部長を務める猫をはじめ、5匹の猫スタッフがいます。そのほのぼのとした印象とは裏腹に、大きなホテルには負けないとの高評価の口コミで、ある旅行会社の宿泊部門アワードを3年連続で受賞した経歴のあるホテルなんです。そんなうわさを聞きつけ、訪ねてみましたが、なぜか食堂でタマ部長ら猫たちと隠れんぼをする羽目になってしまいました。

「タマホテル」には、2か所の宿泊棟があり、間にある食事棟の2階に猫たちは住んでいます。お客様の食事時間以外は、自分たちの意思で1階の食堂に下りてきます(気分で下りてこない時もあります)。で、こちらが部長のタマ。トラ柄が年々薄くなっているそうですが、そのおかげか、銀色に輝いて見えて威厳がありますね。

見慣れない私を、猫たちは警戒しています。それでも写真を撮りたいので、カメラ片手に猫たちを追います。比較的、撮りやすかったマーブル(オス5歳)。人慣れ度が高い猫スタッフで、ホテルが設けた宿泊プラン「猫とのツーショット記念写真プラン」に一番応じる接客担当だそうです。

食堂を見渡しても、猫スタッフたちがテーブルの下に隠れてしまい、姿がありません。テーブルクロスを持ち上げてのぞいてみると、マーブルにそっくりなきょうだい猫、のりたま(オス5歳)が大きなひとみで見返します。ちょっとビビりな猫です。

こちらはマイペースなマロン(メス5歳)。マーブル、のりたまの3匹は、子猫の時に保護され、タマホテルで暮らすことになりました。タマホテルの猫スタッフは全て、引き取り手のいない保護猫です。そんな縁があり、猫好きオーナーの加藤さんの狙いで、ホテルオープン時に「猫推し」をしたのですが、口コミで、瞬く間に人気ホテルになりました。

キウイ(メス1歳)。一番若いこともあり、隠れていても興味津々にこちらをうかがっています。キウイは日頃からお客様の猫じゃらしに元気いっぱい反応しているそう。ここでは食事時間以外なら自由に猫スタッフたちと触れ合うことができます。ただし、猫たちが1階に下りてきた場合のみで、そこは猫なので必ず会えるわけではありません。

撮影時、猫たちがなかなか姿を現さない状況をみかね、加藤さんが、またたび入りのおもちゃを投入してくれて、無事にいい写真が撮れました。実は、私の到着が遅かったので、駅まで向かえに来てもらったり、おいしいお昼をごちそうになったり、色々と面倒をみてもらいました。宿泊者の口コミでも、親身になっておもてなしをしてくれるオーナーやスタッフに感謝する書き込みが多くみられ、人気のホテルの理由を肌で感じることができました。

場所はJR石巻駅から徒歩25分。JR仙石線「陸前山下駅」より徒歩10分。駅からの送迎サービスあり。松島から有名な猫の島「田代島」を訪ねる際の拠点として利用するお客様も多いそう。

TAMA HOTEL タマホテル
所在地: 宮城県石巻市蛇田閘門16−4
電話:0225-98-8188
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南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「パンダのすべて」「ハシビロコウのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

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