私、“うーたん”の里親になります!

猫暮らしはじめました。Vol.14

【前回までのストーリー】

ペット飼育可能なマンションへ引っ越して早数か月。準備はできているのに、気持ちが追いついていない感じで、単なる願望になりつつあったリアル猫暮らし。

しかし、保護猫カフェ“小豆沢あずさわの森”主催の譲渡会に、ボランティアスタッフとして参加したことで、足止めをしていた何かが解けたのか、「猫暮らしを始めるなら今だ!」という気持ちになっていた。

ついに運命の猫が!

その週末、いつものように“小豆沢の森”に行くと、私の気持ちが伝わったのか、はたまた察知したのか、店長のアイさんから「真穂さんにオススメの三毛猫がいるんだけど」と何げない口調で提案され、ちょっと驚いた。

「猫暮らしをしたい!」と宣言して通い始めたものの、これまで「この子はどう?」という言い方でオススメされたことは一回もなかった。……それだけに、いよいよタイミングが来たのか!?と思いつつ、
「新入りさんですか?」と聞くと、「ううん、1年近くここで暮らしている三毛猫なんだけど」と言いながら、キャットウォークの上に視線を移した。

もしかして、何度か目が合ったのある三毛女子?

オススメの三毛猫が“あの子”だったら……と、淡い期待を抱いた瞬間、「あっ、いたいた!」と言うアイさんの視線の先に“あの子”がいた。

「うーたん、ちょっと降りておいで」

アイさんの呼びかけをキョトン顔で完全無視する三毛女子“うーたん”。しかし、なぜに“うーたん”!? 見た目と名前にギャップを感じるのは私だけ???

「慣れるとフレンドリーなんですけど、はじめのうちはちょっと警戒心が強くて」

あの子の名は“ウツボ”

「“うーたん”という名前は変えてもいいんですか?」
「もちろん! 保護主さんが付けた仮名が“ウツボ”というんです()。あんまりなので、少しでもかわいく聞こえるように“うーたん”と呼んでいます。飼い主になったら自由に変えてもらって大丈夫ですよ」

えっ、“ウツボ”からうーたんなの!?

ウケるんですけど! なぜに、どうしてそんな命名? いやいや、そんなことよりも、
「私、“うーたん”の里親になります!」
「えっ?」
「実は今日、彼女のことを聞こうと思っていたんです」

彼女のことは目が合ったあの日からずーっと気になっていた。もしかしたら運命の猫だったりして……とは思っていたが、まさかアイさんから勧められるとは。これはもう、断る理由なんてない。

「アイさんに推薦してもらって、気持ちが固まりました!」

私の中の母性がキュン

「“うーたん”は世田谷区で保護された元ノラ猫で、親きょうだいと一緒に保護された時、彼女だけ元気すぎて手がつけられず、海にいる『ウツボ』を連想した保護主さんがそのまま命名したんです。

今はのどをゴロゴロ鳴らしながら、すりよってくるようになりましたが、猫には甘えないタイプです。でも、ママが恋しくて眠くなると『ぬいぐるみのママ代理』のところへ行って、ふみふみチュッチュする甘えん坊でもあります。そんなギャップがたまらないと思いますよ! 小柄で童顔ですけど、今1歳半です。不妊手術も幼い時に済んでいます」

命名の由来に思わず笑ってしまったが、ママが恋しくて眠くなると……のくだりは聞いていて、私の中の母性がキュンとした。

「真穂さんのお住まいはペット飼育可能ということなので問題ないと思うんですけど、まずはケージの中で生活させて、新しい環境に慣らすことをお勧めしています。それと、事前にご自宅を訪問させていただくことになっているので、マンションに下見に行かせてもらいますね」
「見にきてくれるんですか?」
「はい、トライアル前に必ず見に行くようにしているんです」
「そうしてもらえると心強いです! よろしくお願いします」

トライアルに関する説明を受けている最中、スタッフの方が“うーたん”を抱いて連れてきてくれた。近くで見ると、歌舞伎メイクのような立派な目張りがより印象的で、おとなしい三毛女子という感じだった。

~野村真穂と申します。猫暮らし初心者の私ですが、どうぞよろしくお願いいたします~
(※この物語は、実在する飼い主募集型保護猫カフェをモデルにしたフィクションです)

猫クイズ!(四つの選択肢から選んでください)
 
Q.猫の去勢・不妊手術について間違っているのはどれか?
 
(1)手術は猫の体調を十分考慮してから行う
 
(2)発情期の鳴き声やスプレー行為(尿をかけてマーキングする)が抑えられる
 
(3)生殖器官に関わる病気の予防にはならない
 
(4)術後に肥満になりやすい

A.(3)生殖器官に関わる病気の予防にはならない
【解説】去勢・不妊手術は望まない子猫が生まれるのを防ぐだけではなく、ホルモンに関わる生殖器官の病気(子宮蓄膿ちくのう症や乳腺腫瘍、精巣や睾丸こうがんの腫瘍など)を予防できる。
ねこ検定公式ガイドブックより

(Photo by 保護猫写真家ねこたろう/写真提供・協力 CAT’S INN TOKYO)

筆者:姉川祐夏里
筆者:姉川祐夏里(あねかわ・ゆかり)

「神保町にゃんこ堂」猫本担当。2013年6月、神保町交差点近くにある姉川書店内に猫本コーナーをオープン。著書『猫本専門 神保町にゃんこ堂のニャンダフルな猫の本100選』(宝島社)、「ねこ検定」(日本出版販売株式会社)プロデュース、「ねこ画展」(東京ドームシティ/ギャラリーアーモ)キュレーターなど。

Facebook:https://www.facebook.com/nekobon.nyankodo
Twitter:https://twitter.com/anealoha65
HP:http://nyankodo.jp
 

里親募集型保護猫カフェ「CAT’S INN TOKYO」

東京都板橋区小豆沢3-4-17
都営三田線・志村坂上駅から徒歩5分

HP:https://cats-inn.tokyo
Facebook:https://www.facebook.com/CATS.INN.TOKYO/
Twitter:https://twitter.com/cats_inn_tokyo
にゃんこマガジン:http://nyanmaga.com/

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