子猫軍団、カフェデビューを果たす

猫暮らしはじめました。Vol.12

【前回までのストーリー】

ミルクボランティアさんのところで大事に育てられた子猫たちが“小豆沢あずさわの森”で猫カフェデビュー(里親募集を始める)したと聞き、ワクワクしながら店に足を運んだ。

子猫軍団を一目見ようと、この週末はいつもよりお客さんの数が多く、店内はワクワクとした明るい雰囲気でいっぱいだった。
ケージの中で動き回る4匹の子猫軍団。

想像を超える子猫のかわいさ

キャワイイーーー!と大声で叫びたいところだが、子猫がびっくりしちゃうので、小声で「かわいい!」を連発。

「予告した通りのかわいさでしょ!」
という店長のアイさんの言葉に、

「いやっ、想像を超えるかわいさです!」
とユルんだ頬を押えながら答えた。

猫カフェにいる先輩猫たちも子猫軍団に興味津々な様子で、キャットウォークや棚の上からチェックしていた。

「そういえばこの子たち、この近くで保護されたんでしたっけ?」

「はい、同じ町内で保護したきょうだい猫です。子猫の時期は保護が重なるのでいつもてんやわんやなんですけど、今年は特に赤ちゃん猫ラッシュで、ミルクボランティアさんがいて本当に助かりましたよ。
この4匹は保護時100グラムなかった上にかなり衰弱していたので、ちゃんと育つか心配だったんです。無事大きく育ってくれてひと安心です」

「こんなに元気でかわいかったら、すぐに里親さんも決まりますね!」
「実は、もう3匹は里親さんが決まっているんです」
「ほんとですか!?」
予想通りとはいえあまりの早さにビックリし、笑いがこみ上げた。

「猫カフェデビューしてすぐに里親さんも決まるなんて、親孝行な子たちですね」

子猫が持つすごい武器

「里親さんが決まったってことは、すぐにここも卒業しちゃうんですね」

と、ちょっぴり残念な気持ちを抑えつつそう言うと、
「ううん、まだワクチンの2回目が終わったばかりで体調も安定していないし、不妊手術もこれからだから、あと1か月くらいはここで暮らす予定ですよ」

とうれしい返事が返ってきた。

「この大きさで体重はどれくらいあるんですか?」

「今600グラムくらいですね」

「もうミルクは卒業して、離乳食を食べているんですか?」

「まだミルクも併用しています。本来、生後4、5か月くらいまでは、お母さん猫のおっぱいを吸っていますからね」

赤ちゃん猫から子猫へ順調に成長中、という感じだが、私から見るとまだまだとても小さく危うさ満載。でも、見た目的にはこの頃が一番かわいい時期なのだろうか。歯も爪も驚くほど小さく、そしてものすごく鋭い。攻撃力は小さくても、その分いい武器を持っている。

好奇心旺盛で目が離せない

「この時期でも、やっぱり目を離せない感じですよね」

「好奇心旺盛で、体が小さい分、どんな隙間でも入っていけちゃうし、危険回避能力もほとんどないので、部屋の中で自由に放すことはできないですね。この子たちもまだケージからは出していません。あと、ちょっとした温度変化でも、“猫風邪”をひいたり、下痢になったりと、体調を崩すので、室温湿度管理と体重管理も欠かせないです」

「猫暮らし初心者が育てるにはまだまだ難しい感じですね」

「できなくはないですが、長時間家を空けるお仕事を持ちながらでは難しいですね。ある程度大きくなるまでは、ミルクと離乳食を併用したり、1回の食事量も少ないので、その分回数を増やしたりしないといけないんです。朝晩2回の食事で大丈夫になってくる生後5、6 か月の子が理想ですね」

「なるほど。生後5か月前後の子猫だったら、お留守番も大丈夫ですか?」

「性格によっては、できなくないです。でも一緒に遊んだり、温め合ったりできるように、仲良しの子猫2匹で飼うのが本当は理想です。精神的にも安定した子に育ちますし、お留守番させる罪悪感も少なくなりますよ」

大人猫か、ギャル猫か…

かわいさ全開の子猫を目にしちゃうと、どうにか迎えられないものかと考えてしまうが、やっぱり今の私には、ツンデレ大人女子がいいのかなぁ。いや、ツンデレギャルでもいいのか。

赤ちゃん猫ラッシュから、里親募集待ちの子猫ラッシュに突入ということで、保護子猫の譲渡会を“書店”で開催するという話を聞き、ボランティア参加を志願した。

書店に並ぶ子猫の入ったケージ……うまくイメージはできないが、保護猫の存在を知らない人に見てもらえるいいチャンスだと思った。

(※この物語は、実在する飼い主募集型保護猫カフェをモデルにしたフィクションです)

 

猫クイズ!(四つの選択肢から選んでください)
 
Q.子猫の社会化期について間違っているのはどれ?
 
(1)子猫の社会化の時期は生後2~3か月である
 
(2)社会化期に食べたものはその後の食べ物の嗜好しこうに影響する
 
(3)母猫や兄弟猫とふれあうことで環境への適応力を身につける
 
(4)子猫のしつけにはある程度の体罰を使って、やってはいけないことを教える

A.(4)子猫のしつけにはある程度の体罰を使って、やってはいけないことを教える
【解説】猫に体罰などの暴力を使ってはいけません。猫に体罰を与えることは恐怖心を植え付け、逆に問題行動を引き起こし、人間嫌いな猫になってしまいます。
ねこ検定公式ガイドブックより

(Photo by 保護猫写真家ねこたろう/写真提供・協力 CAT’S INN TOKYO)

筆者:姉川祐夏里
筆者:姉川祐夏里(あねかわ・ゆかり)

「神保町にゃんこ堂」猫本担当。2013年6月、神保町交差点近くにある姉川書店内に猫本コーナーをオープン。著書『猫本専門 神保町にゃんこ堂のニャンダフルな猫の本100選』(宝島社)、「ねこ検定」(日本出版販売株式会社)プロデュース、「ねこ画展」(東京ドームシティ/ギャラリーアーモ)キュレーターなど。

Facebook:https://www.facebook.com/nekobon.nyankodo
Twitter:https://twitter.com/anealoha65
HP:http://nyankodo.jp
 

里親募集型保護猫カフェ「CAT’S INN TOKYO」

東京都板橋区小豆沢3-4-17
都営三田線・志村坂上駅から徒歩5分

HP:https://cats-inn.tokyo
Facebook:https://www.facebook.com/CATS.INN.TOKYO/
Twitter:https://twitter.com/cats_inn_tokyo
にゃんこマガジン:http://nyanmaga.com/

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