猫の島「田代島」にすむ子猫の心配事

いろいろな猫の生き方(68)

4年振りに訪れた有名な猫の島宮城県石巻市にある「田代島」。ここのところ猫島を再訪すると猫の数が減っていることが多く、「もしかしたら田代島も?」と案じましたが、そうした心配には及びませんでした。田代島は相変わらずの「猫天国」です。また、最寄りの石巻駅から遠く、タクシーかバスを利用していた石巻港のフェリー乗り場が駅寄りに移動していて、とても便利になっていました。そんな猫好きにはうれしい猫島なのに、仁斗田港には浮かない顔をした子猫がぽつんと1匹。なにか心配事をかかえているようです。

ここが近くなった船乗り場。以前と同じ北上川河口から出発ですが、漫画家・石ノ森章太郎さんのマンガミュージアム「石ノ森萬画館」が近くに見えます。

石巻港発のフェリーが着いた田代島の仁斗田港から集落へ入ってすぐにある招き猫が並んでいる民家の前。ここには毎回リアル猫とのツーショットが撮れる場所です。

港もすっかり整備されて待合所も何だかオシャレな作りになっていました。相変わらず休日は猫にかれて訪れる人が多い。

集落の中に入っていくと若い猫が多い印象。観光客の姿を見ると近寄って来ます。好奇心が旺盛なんですね。

耳毛が特徴的な猫発見! 島内は観光客だけでなく工事関係者の姿もあって活気を感じさせますが、きっとこの猫もかわいがられているんでしょう。

耳毛猫についていくと黒板の看板の前まで誘導されました。アンテナショップのような飲食店ができていました。

以前、小学校の跡地に、その黒板のお店がありました。なんとお店の前には猫たちが集結しています。猫スポットですね。


小学校の跡地なだけに広い運動場のような空き地が広がっていました。草の中にたたずむ猫の姿は島特有の絵になる景色です。

あちこちで猫同士の衝突もありますが、若い猫にとってケンカは遊びの一部。生き生きと仲間と暮らしている姿が見られるのも猫島ならでは。

そんな田代島の今年の姿ですが、港に暮らしている親子猫が目の前を通過していきました。母親の後を追う子猫の姿がかわいい。

若い猫が多いとは思いましたが、この母猫もかなり若そうで、顔つきはまだ子猫のよう。そのせいかちょっと放任主義のよう。

父親でしょうか? オス猫が寄り添ってきました。親子3匹でいるのは微笑ほほえましい姿。これも猫島でないと、なかなか見ることができないシーンです。

 


でも、子猫はちょっと困った顔をしているように見えます。子猫の浮かない気持ちの理由は、翌日に港に行って判明しました。

昨日見かけた猫と別のオス猫が近くにいました。昨日の猫よりは若い猫で、若い母親にはお似合いなんですが……。

子猫はこの若い猫が苦手らしく、おびえた表情を見せていました。でも子猫はすぐに大きくなるもの。数か月でこうした心配事はなくなるでしょう。

母猫から離れて自分の気の合う猫たちと暮らすこともできる。そんな選択肢があるのが猫だらけの田代島ですから。のんびりした猫島の懐の深さを感じさせます。

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「パンダのすべて」「ハシビロコウのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

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