芸術の秋、五感で味わい尽くす上海料理

ごほうびフード×ぐるなび

人知れず頑張っているあなたへ。すてきなレストランやワンランク上の手土産など、女性にとって最高の“おいしいごほうび”情報をお届けします。

豊かな食であふれる最高の季節がやってきました。実りの秋だからこそ、食材を生かした丁寧な逸品に出会いたいものです。

訪れたのは、東京都港区・赤坂の裏路地にひっそりとたたずむモダンな一軒家。中国料理界の巨匠・脇屋友詞シェフがオーナーを務める「Wakiya一笑美茶樓いちえみちゃろう」では、上海料理の手法を軸に、日本の食材と季節の味を重んじた独創性あふれる料理と出会うことができます。所属する精鋭シェフの中でも近年、注目を集めているのが、日本最大級の若手料理人コンペティション「RED U-35」で2018年準グランプリに輝いた立岩幸四郎シェフ。そんな立岩シェフが考案する、上海がになど旬の上質な素材をふんだんに使ったメニューをご紹介します。

酔っ払い蟹をはじめ、秋冬の贅を尽くした前菜

まるで、“秋”をそのまま閉じ込めたような一皿が到着しました。彩り鮮やかなモミジやギンナンを敷き詰めた上に、季節の食材をふんだんに使った前菜の数々に心躍ります。

フレッシュな柿とピータンは、ソースとの味のコントラストが楽しいひと品。春菊とエノキ、菊の花の湯葉巻き、白菜のマスタード漬けは、みずみずしい食感を楽しめます。牛すねの煮こごりからは、ほのかに爽やかな香りが。オレンジの皮を乾燥させた陳皮チンピと牛すね肉をしょうゆと砂糖で約4時間かけてじっくり炊き上げた濃厚な味わいです。伊達鶏の蒸したものを甘唐辛子と青山椒ざんしょうのソースと絡め、アーチ状にカラッと揚がった中華麺と合わせていただきます。

そしてグラスの中には、まさに旬を迎えた上海蟹を紹興酒に約2週間漬け込んだ酔っ払い蟹。殻ごとかじり、中の身を吸い出すと、紹興酒の風味とともに、とろりと濃厚な蟹肉の味わいが口の中に広がります。

まるでアート! ダイコンを使ったあんを繊細なパイで包んだ“蘿蔔白鳥酥”

ひと目見た瞬間から、感嘆すること間違いなしのこちらは湖面にたたずむ優雅なハクチョウが表現された「蘿蔔白鳥酥ローボーバイニャオスー」。ダイコンを細切りにしてパイ生地で包んだ、上海ではポピュラーな点心です。「五感のすべてでおいしく味わえる料理を」という信念のもと、驚きと喜びを与えてくれる立岩シェフの遊び心が感じられます。

いつまでも眺めていたい気持ちをこらえつつ、畳んだ羽に見立てたパイを崩すと、ダイコンに金華ハムのあんがとろり。うまみがぎゅっと凝縮したチャイナベーコンと一緒に口に運びます。パイのサクサクと軽やかな食感に加え、旬を迎えたダイコンのほのかな甘みと上品でまろやかなあんが心地よさを与えてくれます。

柚子窯でいただく“蟹黄獅子頭”はジューシーさ満点

獅子頭シーズートウとは、上海料理の定番メニューであるこぶし大ほどの肉団子のこと。「寒い時期に旬を迎える柑橘かんきつの香りを楽しんでもらえたら」と、くり抜いたユズに入れ、耐熱性のある特殊なフィルムで包み、蒸し焼きにすることで香り豊かに仕上げた「蟹黄獅子頭」です。

透明なフィルムを開くと、湯気とともにふわりと広がるユズの香りがやすらぎを与えてくれます。迫力満点の肉団子に箸を入れると肉汁があふれ出し、上海蟹のミソや卵などを贅沢ぜいたくに使ったソースの深みのある味わいに思わずにんまり。旨みの強い豚の脂と爽やかなユズの相性も最高です。ふたの部分のユズを搾ってかけるもよし、肉団子の下に隠れた春雨をあふれ出た肉汁に浸しながら食するのもよし。さまざまな食べ方で楽しめるのも魅力です。

JAL機内食メニュー監修など多彩なジャンルで活躍

調理師専門学校を卒業後、脇屋シェフのもとへ弟子入りして16年目。脇屋シェフの「何にもとらわれない柔軟な発想と、アイデアがあふれ出る様子を間近に見て、たくさんの刺激を受けています」と語った立岩シェフは、活躍が目覚ましい若手料理人の中で、さらなる飛躍を期待されている一人。「RED U-35」では2017年にSILVER EGG(2次審査通過者)、18年には準グランプリを獲得している実力者でもあります。

受賞後は、同コンペで優秀な成績をおさめた若手料理人と歴代の審査員が集うコミュニティーである「CLUB RED」に所属し、企業とのコラボレーションなどに参加。今年9~11月の期間限定でJAL(日本航空)のプレミアムエコノミークラス・エコノミークラスにて提供されている機内食の監修にも携わっています。

同店では月に1度、全国各地の食材についての勉強会も開かれ、学びを深める日々。「まだまだやり切れていないことばかりですが、いつかは独立して自分の店舗を持てたら」と立岩シェフ。これからもたくさんの心震える一皿に出会わせてくれる予感でいっぱいです。(ライター/麻林由、カメラマン/片桐圭 ※JAL機内食を除く)

●お店とメニュー情報●

[メニュー]※すべて税込み、サービス料別途13%
■酔蟹美菜碟  酔っ払い蟹と旬の野菜のチャイナオードブル 3080円
■蘿蔔白鳥酥  上海伝統点心 大根のサクサクパイ     1650円
■蟹黄獅子頭  黒豚の柔らか肉団子上海蟹ソース      3080円

[店名]Wakiya一笑美茶樓(ワキヤイチエミチャロウ)
[住所]東京都港区赤坂6-11-10
[営業時間]11:30~14:30 L.O.17:30~22:00 L.O.(土日祝は21:00 L.O.)
[定休日]なし
[問い合わせ先]050-3460-8645
[ホームページ]https://r.gnavi.co.jp/sevs7b580000/

RED U-35(RYORININ’s EMERGING DREAM U-35)
レッド(RYORININ’s EMERGING DREAM)とは、「料理人に現れる夢」という意味。RED U-35は、夢をもった次世代の料理人たちを応援するプロジェクトです。