元牛舎、秘境のインスタ映えする人気カフェの看板猫

いろいろな猫の生き方(67)

「看板猫を探して」静岡編です。事前にチェックした猫がいるお店「Antique Cafe Road(アンティークカフェロード)」を目指して一路、静岡県掛川市へ向かいます。「アンティークカフェロード」は、県内外からお客さんがかけつける大人気カフェで、その人気は猫というより、「秘境のインスタ映えするカフェ」として評判を集めています。確かに牛舎を改装した店内は、アンティークショップの倉庫の中にいるといった感じでオシャレです。しかも猫は総勢11匹いるそうで、猫カフェレベルの多さですね。店の内外を自由に行き来する猫たちなので、全員に会えるのは難しそうですが、取材した時に会えた5匹の猫たちを中心にカフェの様子をリポートします。
店内に入ると、タイルの上で「きなこ」がゴロンとしていました。このタイルを敷き詰めた通路は、牛舎だった時の名残。牛たちが食事をする時にコンクリートの床で鼻を痛めないよう設えたものです。

厨房ちゅうぼう前にいたのは「キャサリン」。猫たちは掛川市の町中で保護された猫と、その子供たちです。オーナーが常連客から飼い主のいない猫たちの窮状を聞き、里親になることを決めました。

敷地内にはカフェになっている牛舎以外に建物が2棟ありますが、猫たちはその家に住みついたり、車の下でくつろいだり、おのおの好きなように過ごしています。写真は「チム」。

厨房前にいたシャム猫ミックスのキャサリンのきょうだい猫「ミルク」も、車の下でまったり。きょうだいでもお気に入りの場所は違うんですね。寒くなると、暖かい室内で見かけることが増えるでしょう。

店に向かう細い山道は車が転落しそうになるほど狭いと話題になり、マスコミにも取り上げられました。お客さまにとって、店に向かうこと自体が大変なのかもしれません。

店内に戻ってくると、さっきまで棚の上で爆睡していた白猫が席の間を歩いていました。この白猫は「シロじい」です。保護した時から外にいた猫だったので、年齢不詳ということで名づけられたようです。

シロ爺はオーナーの大場サダオさんのことが大好き。お話を伺っているときも、体を寄せて片時も離れません。また、店一番のおもてなし猫で、お客さんのなでなでにも優しく対応してくれます。

実は保護する前から体に問題を抱え、まともに歩けない状態だったシロ爺。病院の手当てなど大場さんのサポートを受け、今やテーブルにジャンプするほど元気に回復しました。

シロ爺が回復したのは、この場所の環境もあると大場さんは語ります。ご自身も休日でも来てしまうほど、お店にいるだけで気持ちが安らいでくるそうです。

大場さんはカメラマンをしながら、ネットを中心にアンティークショップを運営していたときに、この牛舎に出会いました。廃虚のような状態から1人で半年程かけ、カフェを完成。

オープンから1年後にやってきた最初の保護猫2匹からどんどん増え、生まれた猫も合わせて現在は11匹になりました。週の半分は山で過ごす猫、朝出かけて夜になると帰宅する猫など、ライフスタイルはさまざま。

元々動物好きでしたが、猫は飼ったことがなかった大場さん。現在、保護猫の引き受けはストップしていますが、猫たちの自由な振る舞いにはどこかシンパシーを感じるそうです。

定番メニューのオリジナルカレーは大人気で、オープン20分で完売することもあるそうです。これ以外にも思いつき?で限定メニューを出すことも。

オリジナルブレンドのコーヒーを焙煎ばいせんし、パンも店内で焼いています。知人の作家が作る器も個性的で、店内にも自由な空気が流れ、猫がいる空間にとても合っていると感じました。

取材当日は全員の猫たちに会うことはできませんでした。代わりに、前職がカメラマンの大場さんが撮影した写真アルバムをご覧ください。
バイクも乗ります「チャイ」

自転車も乗ります「シロ爺」

「ビワ」

「ゴマ」

写真左から「きなこ&ゴマ&トラ」

写真左から、屋根の上の「ゴマ&きなこ」

「トラ」

「ミルク」

アンティークカフェ ロードで猫たちとのんびりとした休日を過ごしてみませんか?お店に向かう道は幅が狭いので、ゆっくり進んで行くことをお勧めします。

アンティークカフェ ロード
Antique Cafe Road
住所:静岡県掛川市大野1776-7
電話:090-4853-0851
営業時間:11:00~16:00頃まで営業
定休日:月・火曜日
インスタグラム:https://www.instagram.com/antiquecaferoad/

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「パンダのすべて」「ハシビロコウのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

Facebook:Sotoneko Japan Instagram:sotoneko_japan

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