シチリア島・カステルモーラで、人間と猫のちびっ子対決

いろいろな猫の生き方(66)

イタリア半島の西南にある地中海に浮かぶシチリア島。「カステルモーラ」は、以前紹介したシチリア島のリゾート地「タオルミーナ」の背後にある小さな町です。山頂付近にあることから、中世の町並みが残り、展望台からは青い海とタオルミーナの絶景が広がります。人口は約1000人だそうですが、その割合でいけば、猫密度は高いといえます。坂のある入り組んだ路地のあちこちに、猫の姿がありましたから。とある路地では、幼い兄弟がおっかなびっくり子猫に触ろうとしていましたが、結局近づけないまま逃げられてしまいました。そんな人間と猫のちびっ子対決の様子を報告します。

写真は「タオルミーナ」にある遺跡「ギリシャ劇場」から望遠レンズで撮ったカステルモーラの町。岸壁の上にへばりつくように建物が密集しています。

カステルモーラの入り口にあるサンアントニオ広場。展望台やカフェが並んでいます。観光の町ですから、このあたりは人が多く、にぎやかです。

標高は500メートルあるそうで、町の外れへ行けばどこからでも絶景が望めます。猫たちも毎日、この景色を見ているのでしょうね。

観光客以外は、住人の姿は数えるほど。多分。猫の方が多かったと思います。半日ほどの滞在でしたが27匹の猫と出会えました。

ここの猫たちは、積極的に近寄ることも逃げることもせず、人間を気にしません。まるでカステルモーラの住民のように振る舞っています。

町の中程にある民家の前に、猫ハウスを発見。その近くに小さな子猫が丸くなっていました。子猫に会えるなんてラッキーです。

子猫は階段を降りて路地までやってきました。このあたりの路地は細くて車が入ってこられません。子猫にとっても安心です。

好奇心が強いタイプなのでしょう。くしゃくしゃとビニール袋を鳴らすと、その音の正体を知りたくて近づいてきます。

子猫の背後で、民家の石段を降りる動きが見えました。もう1匹の子猫です。やはり音と、先を行く猫の行方が気になり近づいてきます。

見た目がちょっとネズミっぽい子猫です。動きがまだ、よたよたとしていたことから、子猫のきょうだいでしょう。

気がつくと人間の幼い兄弟が、じっと子猫たちを見つめていました。この町の住人でしょうか? 私と同じく猫たちに興味津々のようです。

子猫の撮影に夢中になっていて、気づかなかったのですが、私に遠慮して撮影の邪魔にならないよう遠目に眺めていたようです。

後ろに下がって子供たちに譲りましたが、ワッと子猫に近づいてよさそうなものを近づかない。猫に興味があるものの、同時に怖いと感じているのでしょうか?

触ってみたいけど触れない、そんなことから近くに落としていったチラシを丸めて、まず母猫に差し出しています。

チラシでシミュレーションができたので、今度は兄弟仲良くそろい、恐る恐る手を差し出します。

その間に兄弟の一番の関心であったはずの子猫たちは逃げてしまいました。母猫が自分に気を引きつけて子猫を守ったってことでしょうか?

猫を未知の生き物のように扱っていた兄弟たち。もしかしたら親戚の家に遊びに来たのかも? 何しろ、ここに住んでいれば、猫には慣れっこのはずですから。

「カステルモーラ」は、タオルミーナからはバス一本で簡単に行ける場所です。観光+猫探しでも2〜3時間で十分回れる小さな町で、あなたも猫物語にめぐりあえるかも。

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「パンダのすべて」「ハシビロコウのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

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