猫を飼い始めたいあなたに、知ってほしいこと

インタビュー

「猫と触れ合いたい、飼ってみたい!」と思う人たちに向けて、15日から新連載「猫暮らしはじめました。」がスタートします。猫を飼うための基礎知識をクイズ形式で学んでいきます。連載の監修を担当する、保護猫カフェ「CAT‘S INN TOKYO/キャッツイン東京(東京・板橋区小豆沢)」運営責任者・藍智子さんと、執筆者で東京・千代田区神田神保町の猫本専門書店「神保町にゃんこ堂」の姉川祐夏里ゆかりさんに、猫の魅力や猫を飼うことを検討している人に知ってほしいことを聞きました。

――藍さんが“人店長”兼、運営責任者を務める“里親募集型”保護猫カフェ「キャッツイン東京」では、子猫5匹が元気に走り回っています。

藍さん:うれしいことに、みんな引き取り手が決まりました。

姉川さん:うれしいような、さびしいような……。

保護猫カフェ開業のきっかけは

――藍さんが保護猫カフェを始めたきっかけは?

藍智子さん

藍さん:東日本大震災があった2011年、福島第一原発の事故で、住民がペットを残して避難しなければならなくなったため、住民の方から依頼のあった犬の保護活動をしていました。1、2か月たつと、猫の保護依頼が多く来るようになりました。そこで、保護した猫たちを東京に連れて帰り、一時保護主や新しい飼い主を探すようになったのがきっかけです。猫を預かりたいという人がいても、住まいがペットの飼育が不可で、あきらめなくてはならないケースも多々ありました。世の中にはこんなにもペット不可の物件が多いのだと知りました。

それから、ペットと一緒に暮らせる部屋の開発を企画したり、賃貸物件の紹介をしたりするため、14年6月から不動産業を始めました。ところがある日、仕事で取り扱った保護猫カフェとして営業するはずの物件がキャンセルになり、穴埋め的に私が代わりに営業することになりました。保護猫カフェは私の使命だと感じ、開業することに。そこで約2年半営業し、猫好きの大家さんとのご縁もあって、去年11月末、ここに引っ越してきました。日々悩みながら“人店長”をやっています。

猫店長と営む猫本コーナー

――姉川さんは、実家の「姉川書店」猫本専門コーナー「神保町にゃんこ堂」を始めて、話題になりました。

姉川祐夏里さん

姉川:両親が東京・神保町交差点近くで営んでいる「姉川書店」内で、猫本を紹介するコーナーを担当しています。私が猫好きだったのもあり、出版不況の中、両親に「猫に特化したお店作りにしてはどう?」と提案しました。2013年頃、ちょうど世間で「猫ブーム」と言われ始めたころです。現在、常時600種類、2000冊以上の猫本が並んでいます。

今は、にゃんこ堂のほか、オリジナルグッズ販売や猫関連のイベントやねこ検定のプロデュースを行っています。元保護猫の2代目猫店長:リクジロウ(店内には不在)とスミレちゃんの2匹と暮らしています。

藍さん:スミレちゃんはうちの卒業生なんです。

――お2人の出会いはどこで?

藍さん:私が企画した、猫と暮らすための賃貸物件の内覧会で、にゃんこ堂さんの出張猫本図書館を出展してもらおうとしたとき、「ねこ検定」の監修者、1級建築士の清水満さんに、姉川さんを紹介してもらったのがきっかけです。

藍智子さん

姉川さん:それまでは、ただの猫好きだったのですが、藍さんと出会って、保護猫の実情などを知り、オシャレに保護猫と暮らせるライフスタイルも教えてもらいました。

保護猫ともオシャレに暮らせます

――キャッツイン東京の店内もすごくオシャレですし、トイレの臭いもほとんどしませんね。

姉川さん:今までSNSで見ていた保護猫の画像は、ケガをしていたり、悲しい感じだったりして、飼うのは大変なのかなという印象がありました。

藍さん:「猫っておもしろい生き物なんだよ」というのも知ってほしいし、猫と暮らすと家が汚くなると思われたくない。猫がいてもオシャレできれいに暮らせるんです。

――トイレが大変ではないですか?

藍さん:そんなことないですよ。小さめのトイレをたくさん置いて、換気扇2台と、消臭効果があるヒノキ100%のペレット(猫砂)、シラスという鉱物のぬり壁の三つで対策をしています。でも、まめにトイレ掃除をしないと臭くなりますし、猫もかわいそうです。衛生管理には特に気を使っています。

どんな人に「猫暮らし、始めました。」を読んでほしい?

――新連載はどんな内容になりますか?

姉川さん:猫を飼ってみたい、お金に少しは余裕がある。でも、心の準備ができていないという人の参考になればいいなと思います。いざ、猫と暮らそうと思っても「どうしよう!」と直前になって二の足を踏んでいる女性が、理想の猫暮らしを求めていくような内容です。

――お2人にとって「猫の魅力」とは?

藍さん:猫はとてもユニークな生き物。おもしろいこと、変なこと、行動が予測できないところが好きです。私が飼っていた犬は、留守中ひたすら寝て待っていましたが、猫は毎回いろんないたずらをして何かしらやらかしてくれました。扉という扉を開けますし、もう、猫との知恵比べです。そこを楽しめる人でないと、猫と暮らすのは難しいと思います。

姉川さん:猫は、自分の思い通りにならないところがおもしろいです。「そうやっちゃうか」って(笑)。毎日が飽きません。

――今回の連載では、「猫クイズ」も出題されます。猫の不思議、常識ってありますか?

姉川さん:「ねこ検定」にかかわることになって初めて、猫の鳴き声や、しっぽの振り方で、いろいろな感情を表していることを知りました。猫が発するメッセージがわかってくるようになりました。

藍さん:犬と違って、猫が左右にしっぽを振っているときは、警戒をしているとかね。比較的人間になれている猫は、人差し指をゆっくり目の前に差し出すと、鼻をつんとすり寄せてきます。通称「鼻チュー」と呼ばれる猫とのあいさつですね。おなかを触ると、いやがって逃げる子もいれば、喜ぶ猫もいます。

姉川さん:上から急に触ると驚いて逃げちゃいます。猫の体も触っていい場所といけない場所があるんですよね。

保護猫カフェを実家だと思って

――猫を飼おうと検討している人にアドバイスがあれば。

姉川さん:猫を初めて飼うと、何かしらトラブルがあると思います。ペットショップで買うという選択肢もありますが、保護猫カフェから迎えていろいろアドバイスをしてもらえたことが、参考になりました。本当に心強かったです。

藍さん:もっと、気軽に来て相談できる場所になればと思います。ここを猫の「実家」のような存在にできたらいいですね。

姉川さん:何度もお店に会いに来て、相性をみて、トライアルで預かってから飼うことができるのは、猫暮らしをスムーズに始める、いいきっかけになると思っています。猫暮らしを始めると、なんでもない日常が楽しくなります。この連載を通じて猫の魅力を知ってほしいです。

藍さん:猫がいる生活は毎日が、コントをやっているみたいで笑いが絶えません(笑)。

(聞き手:撮影/メディア局編集部・遠山留美)

姉川祐夏里(あねかわ・ゆかり)

 「神保町にゃんこ堂」猫本担当。2013年6月、神保町交差点近くにある姉川書店内に猫本コーナーをオープン。著書『猫本専門 神保町にゃんこ堂のニャンダフルな猫の本100選』(宝島社)、「ねこ検定」(日本出版販売株式会社)プロデュース、「ねこ画展」(東京ドームシティ/ギャラリーアーモ)キュレーターなど。

Facebook:https://www.facebook.com/nekobon.nyankodo
Twitter:https://twitter.com/anealoha65
HP:http://nyankodo.jp
 

藍智子(あい・ともこ)

 里親募集型保護猫カフェ「CAT’S INN TOKYO」運営責任者。元上野動物園園長の増井光子氏に憧れた幼少期の夢は獣医師。9年暮らしたカナダでSPCAのボランティア活動を体験。福島第一原発事故避難区域での動物の捜索保護を機に2014年、猫と暮らすための住宅を企画紹介する不動産事業を開始。2015年ウェブメディア「にゃんこマガジン」をリリース。2016年10月、板橋区で同店をオープン。

HP:https://cats-inn.tokyo
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Twitter:https://twitter.com/cats_inn_tokyo
にゃんこマガジン:http://nyanmaga.com/

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