カシス ポンム 秋の香りあふれるかわいいリンゴ

瀬戸理恵子のおやつ便り

9月に入って、漂い始めた秋の気配。アイスクリームやゼリーといったひんやりスイーツから少し離れて、「そろそろまた、おいしいケーキが食べたいな」という気持ちがムクムクと湧き上がり始めました。

そんな季節の気分にぴったりなのが、「パティスリー アヴランシュ ゲネー」の「カシス ポンム」です。コロンとしたリンゴの形がかわいくて、心の中でキャー、キャー、キャーと大騒ぎ。お皿にのせてテーブルに置くだけで、ティータイムがパッと華やぎます。

かわいいリンゴを形づくっているのは、フリーズドライの甘酸っぱいフランボワーズパウダーと、アーモンドダイスを混ぜこんだホワイトチョコレート。上からそっとナイフを入れるとパリンと割れて、中からカシスと赤ワインのムースが現れます。

真ん中には、オーブンで火を入れてトロッ、シャキッとしたキャラメル風味のリンゴがたっぷり。タルト・タタンを思わせるような、リンゴの甘酸っぱさとキャラメルのコク深い甘さ、苦みと、カシスと赤ワインの力強い酸味と果実味のハーモニーが、もうたまらないのです。

さらに、土台にはポルト酒入リのシロップをしみこませたビスキュイと、シナモンが香るサブレが層になっていて、このサブレのサクサク感とスパイシーさがまた素敵。見た目、味、香り、食感ともに変化に富んでいて、秋を感じさせるさわやかで深みあるエレガントな味わいに、うっとりしてしまいます。 

◇    ◇    ◇    

「変わったお菓子をつくりすぎないようにしながらも、当たり前になりすぎないものをつくりたいんです」と話す、「パティスリー アヴランシュ ゲネー」オーナーシェフの上霜考二さん。「どこかにひっかかるところがあってこそ、本当のおいしさが感じられる」という考えのもと、繰り出されるお菓子はどれも遊び心たっぷりで、驚きと喜び、ワクワクがあふれ出します。

カシス ポンム
  560円(税抜き)
店舗 パティスリー アヴランシュ ゲネー
東京都文京区本郷4-17-6 1F
電話 03-6883-6619
営業時間 10:00~19:00
月曜、火曜休
※祝日・振り替え休日の月曜は営業し、水曜休
詳しくは、公式HPで確認を

瀬戸理恵子(せと・りえこ)
フードエディター・ライター

 1971年東京都生まれ。銀行勤務を経て2000年にパリへ製菓留学し、エコール・リッツ・エスコフィエ、ル・コルドン・ブルー パリで菓子ディプロムを取得。ピエール・エルメ氏のもと研修を重ねる。2001年帰国し、月刊誌「料理王国」、「料理通信」の編集部を経て、2009年独立。お菓子を中心にフリーランスのフードエディター・ライターとして活動中。監修・共著に「東京手みやげ 逸品お菓子」(河出書房新社)など。このほか、「『オーボンヴュータン』河田勝彦の郷土菓子」(誠文堂新光社)など、パティシエの書籍製作も手がける。

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