恋の三角関係? シチリア島、ロマンチックなリゾート地の猫

いろいろな猫の生き方(64)

シチリア島は、イタリア半島の西南にある地中海に浮かぶ島。一年を通して温暖な気候と、美しい青い海が人気で、世界中から観光客が訪れます。中でも島の東海岸にある「タオルミーナ」という街は、風光明媚めいびなリゾート地としてにぎわっています。私がここを訪れた目的はもちろん猫です。猫につられ、かつてはヨーロッパ上流階級の保養地として知られた地まで足を延ばしてしまいました。実は地中海の“猫王国”マルタ島に近く、そのついでに立ち寄りました。そして、シチリア地方を代表する陶器「マヨリカ焼」や、ペインティングで飾られたカラフルな街で、ちょっといわくつきの3匹の猫に出会いました。

タオルミーナは、古代ローマ時代の遺跡が数多く残されています。街の中心にある遺跡NAUMACHIE(ナウマキア)はちょっとした猫スポットでもあります。

海を望む高台にリゾートホテルが並んでいます。ヨーロッパの美しい景色です。

手入れの行き届いた市民公園からイオニア海の眺め。近くのビーチへ下りるにはケーブルカーを使います。

シチリア島の名物料理といえば新鮮な魚介類。レストランに集まるのは人だけでなく、おこぼれ目当ての猫たちの姿もあります。

左上から時計回りに繁華街のウンベルト1世通り、カラフルな民家。中心地にある。展望台のような「4月9日広場」、同広場にある聖ジュゼッペ教会。

メインのウンベルト1世通りから無数にある道幅が狭い坂の路地裏は、猫が好む街のつくりです。ただ、昼間、猫は空き地でノンビリしています。私が訪れた5月はちょっと観光客が多すぎたようですね

昼から夜にかけて、ウンベルト1世通りや「4月9日広場」はお年寄りから小さなこどもまで観光客でごったがえしています。この街の治安のよさがわかります。

街の猫たちはボランティアさんや観光客からごはんをもらっているようです。朝、出勤をする女性に甘えている猫の姿もありました。

さて、二つ目の写真に写っている遺跡ナウマキアの看板の裏手に空き地があります。そこで3匹の猫たちを発見しました。

3匹のうち、体の小さい猫は人慣れした様子で、ぐいぐいこちらに迫ってくる猫でした。体格や顔のかわいさから、メスではないかと思われます。

積極的な性格から想像すると、3匹の中のリーダーかもしれません。リーダーが空き地から出ると、お供するように2匹も後をついていきます。

ナウマキアの1本内側の通りは猫たちの多い通りです。それを表すかのように、通りにはユニークな猫の絵が描かれています。

かなり個性的な猫の絵です。シンプルなデザインを追い求める日本人と真逆というか、華やかでデコラティブ。実はこれはタオルミーナの街の全体の特徴なんです。

よく見ると、リーダーのキジ(トラ柄)猫の子分と思っていた猫たち、黒猫とキジ猫はリーダー猫のスキを狙っているようです。

2匹の猫はオスで、お互いにリーダー猫を先にとられまいと牽制けんせいし合っていたようです。三角関係?ですかね。リゾート地での恋のゆくえが気になります。

「タオルミーナ」は猫たちの恋模様のようにショーウィンドーや街のあちこちに猫をモチーフにした飾りがあります。個性的な猫雑貨をお土産にしてみるのも良いでしょう。

ところでイタリアの猫はパスタを食べると聞いていましたが、確かに猫小屋の前に置いてありました。でも猫たちはカリカリ(ドライフード)しか食べません。残り物のごはん(猫まんま)をあげていた昔の日本と同じ感覚でしょうか?

天気が良ければ世界遺産のエトナ山も見られる紀元前3世紀の遺跡「ギリシャ劇場」。猫とも出会えるロマンチックな雰囲気があるタオルミーナでのバカンスはいかがでしょうか。

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)
デザイン事務所コイル代表。ソトネコ写真家&グラフィックデザイナー

猫の島「田代島」を訪れたのがきっかけで、「ソトネコたち」の生き方に興味を持ち、瀬戸内や九州の島で猫たちの写真を撮っている。ソトネコサイトの管理者。著書に「ソトネコJAPAN」「ねこ柄まにあ」「のんびり猫旅」「ねこ暦 七十二候」「サーバルパーク」ワル猫だもの」「どやにゃん」「ワル子猫カレンダー2019」「「辛口こねこカレンダー2019」ほか。

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