パヴロヴァ エキゾチック トロピカル気分で軽やかに

瀬戸理恵子のおやつ便り

今日のおやつは、夏のティータイムにぴったりな、軽やかでトロピカル感いっぱいのひと品。東京・吉祥寺「アテスウェイ」の「パヴロヴァ エキゾチック」です。

「パヴロヴァって、どこの国のお菓子? 名前からするとロシア?」と思いきや、実はニュージーランド、もしくはオーストラリア生まれ(両国が名乗りを上げているのだとか)の伝統菓子。20世紀初頭に活躍したロシアの名バレリーナ、アンナ・パヴロヴァが世界ツアーでかの地を訪れた際、彼女のために考案されたことから、この名前がつけられたそうです。

もともとの構成は、軽やかに焼き上げたメレンゲ+ふんわり泡立てた生クリーム+フルーツと、とってもシンプル。これが海を渡って、イギリスの家庭でも広く愛されるお菓子となっています。そして最近では、フランスのパティシエたちも多く手掛けるようになって、一気にブラッシュアップ。より複雑に、モダンに進化した味とスタイル(しかもグルテンフリー!)で人気を集めています。

「アテスウェイ」オーナーシェフの川村英樹さんがつくり始めたきっかけも、フランスでのパヴロヴァとの出合いから。「ムラング・シャンティ(焼きメレンゲの間に泡立てた生クリームをサンドした、フランスの定番菓子)にも通じるクラシックな趣がありつつ、フルーツが加わることですっきり食べられて、新しさが感じられるのがおもしろいと思いました」と、川村さん。

そして生まれた「パヴロヴァ エキゾチック」は、ココナツとトロピカルなフルーツがハーモニーを奏でる、夏らしさいっぱいの組み合わせ。ひまわりの花がパッと咲いたかのようなコロンとした形もかわいくて、見るだけでなんだか元気が湧いてきます。

口に入れれば、軽やかな焼きメレンゲがサクサクッと崩れて、ローストされたココナツの香りとシャキシャキ感が、たまらない小気味よさ。トロピカルフルーツのクリーム、カスタード風味のクリーム、ココナツ風味のクレーム・シャンティイがまろやかに混じり合います。そこに、ライムの香りをまとわせたパイナップルの酸味とみずみずしさが加われば、川村さんならではのシャープでメリハリある調和が完成! さわやかな南国の風が吹き抜けていくようなおいしさです。

パヴロヴァ エキゾチック
  530円(税込み)
店舗 アテスウェイ
東京都武蔵野市吉祥寺東町3-8-8 カサ吉祥寺2
電話 0422-29-0888
営業時間 11:00~19:00
月曜休、その他不定休

瀬戸理恵子(せと・りえこ)
フードエディター・ライター

 1971年東京都生まれ。銀行勤務を経て2000年にパリへ製菓留学し、エコール・リッツ・エスコフィエ、ル・コルドン・ブルー パリで菓子ディプロムを取得。ピエール・エルメ氏のもと研修を重ねる。2001年帰国し、月刊誌「料理王国」、「料理通信」の編集部を経て、2009年独立。お菓子を中心にフリーランスのフードエディター・ライターとして活動中。監修・共著に「東京手みやげ 逸品お菓子」(河出書房新社)など。このほか、「『オーボンヴュータン』河田勝彦の郷土菓子」(誠文堂新光社)など、パティシエの書籍製作も手がける。

瀬戸理恵子さんが取材・文を担当した、「アテスウェイ 川村英樹の菓子」が出版されました。7月1日発売、柴田書店、税込5184円です。都内屈指の人気パティスリー「アテスウェイ」のお菓子を、詳細なレシピと作り方とともにていねいに解説。オリジナリティあふれるプチガトーからアントルメ、焼菓子、アイスクリームを使ったデザート、チョコレート菓子など56品を全276ページにわたって紹介しています。

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