マルタ島のマルチーズキャットを探して

いろいろな猫の生き方(62)

日本でも人気の小型犬「マルチーズ」は、地中海の島国・マルタ共和国が発祥の犬種です。そのマルタでは、ある特定の猫を犬と同様にマルチーズと呼ぶらしい。そんな情報をネットで発見して、マルタに行くならマルチーズキャットに会おうと決めていました。手がかりはグレー系の毛色。そして短毛種とのこと。実際にマルタで探していたら、他の猫はいっぱいいるものの、マルチーズキャットも多数生息していると聞いていましたが、お目当てのマルチーズキャットにはサッパリ会えない。もしや幻の猫なのか? そんな不安の中、必死に歩き回りました。

前回、マルタの猫たちを紹介した際、猫たちに会うなら観光客が少ない場所とお薦めしたとおり、地元の人がよく訪れる憩いの公園を最初に捜索しました。

マルタには茶トラ猫が多い。次に多いのがキジトラ猫。つまり、トラ柄猫とばかり出会ってしまい、思わず猫たちに聞きたくなってきます。「君たちマルチーズキャット知らない?」

それでも猫たちが集団でいる場所にマルチーズキャットもいる可能性が高い。群れになっている猫たちの後を追っていたら、いました! それらしい灰色の猫。

う~ん、全体に茶色い印象。この猫はサビ猫だけど、毛色が薄いタイプに見えます。でもマルチーズキャットではなさそうです。

公園の敷地に目を向けると、柵にじゃまされてよく見えませんが、灰色っぽい猫。隣にいる黒猫と比較したら絶対グレー系です。

この猫はどうかな? やはりサビ猫の毛色が薄いタイプに見えなくもない。しかも毛が長めなので短毛の規定から外れてしまいます。

首都バレッタと、その北側の町セントジュリアンの間にあるスピノーラ湾で出会った猫は、朝早いせいでしょうか、光の加減で灰色に見えます。よく見ると薄いキジ柄の猫なのかも。

先に見た柄が薄いサビ猫よりは茶色味が少なくて、ブルーグレーな色です。だけど、トラ模様が入っているので違うのかな。

日が昇ってくると、ブルーグレーに見えた色の青みの割合が少ないようです。残念、この猫もマルチーズキャットとは呼べなさそうです。

バレッタの北東に位置するスリーマの公園内(Independence gardens)にいる地域猫の中に、灰色の毛並みのかわいい猫がいました。スピノーラ湾の猫よりも色のトーンが薄めです。

ブルーグレーな毛色に一番近いと思いますが、やはりこの猫も、薄い毛色のキジ柄タイプのようです。

マルタにはマルタ島以外に、「ゴゾ島」と絶景のブルーラグーンで有名な「コミノ島」という小さな島があります。ゴゾ島には猫の目撃情報が多いので、ここでマルチーズキャットを探してみます。

ゴゾ島の公園の植栽を分け入って近づいてきた猫がいます。んっ、灰色の猫? しかも全身にトラ模様が入っていません。

まだちょっと茶色っぽく見えます。でもマルタは日差しが強いので、例えばロシアンブルーでも、外で出会ったら、光の加減でこのようなトーンに見えるのかもしれません。

青い遊具の色にも、よく映えていますね。決めました。このゴゾ島の公園に住んでいた猫をマルチーズキャットに勝手に認定します。

探し求めていたマルチーズキャットに出会えて一安心。と、思っていたらトラ柄ではなくて、斑点柄のキジ猫が目の前を通り過ぎていきます。

オシキャットやエジプシャンマウのような斑点模様です。日本のソトネコでもまれに斑点模様のミックスはいますが、ここまでキレイな斑点は珍しいです。

オシキャット風の猫に会えましたが、日本でよく見かける、白猫とシールポイント猫(シャム猫)とは会えませんでした。写真のように白毛の範囲の広い猫も少ないようです。

マルタで出会った猫は約135匹。茶トラ35%、キジトラ23%、黒猫11%、黒白8%、サビ8%、三毛7%、ムギワラ4%、サバトラ2%、灰色2%でした。

たくさんのかわいい猫に会えましたが、私の中では、灰色の毛柄でなくても、マルタの猫たちのことを総じて「マルチーズキャット」と呼びたいと思います。

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)
デザイン事務所コイル代表。ソトネコ写真家&グラフィックデザイナー

猫の島「田代島」を訪れたのがきっかけで、「ソトネコたち」の生き方に興味を持ち、瀬戸内や九州の島で猫たちの写真を撮っている。ソトネコサイトの管理者。著書に「ソトネコJAPAN」「ねこ柄まにあ」「のんびり猫旅」「ねこ暦 七十二候」「サーバルパーク」「ワル猫だもの」「どやにゃん」「ワル子猫カレンダー2019」「辛口こねこカレンダー2019」ほか。

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