那須どうぶつ王国(栃木)のマヌルネコ夫婦に待望の赤ちゃんが誕生しました。うれしいことですが、実は“意外”でした。それは、親になった2頭を以前取材したとき、メスの「ポリー」がオスの「ボル」を嫌っているように見えたからです。でも、ポリーの心境に変化があったのでしょう。いつの間にか愛を育んでいたのですね。ごめんなさい、乙女心がわからなくて。ともかく、赤ちゃんはすくすく育ち、もうすぐ一般公開の日を迎えます。一足早くかわいい子マヌルたちに会ってきました。
4月22日に誕生した子マヌルは、オスとメスのきょうだい。お部屋の中をのぞくと、右の体の大きい子がおオスちゃん、左がメス。2頭仲良く遊んでいるようです。
しばらく見ていると、やんちゃなオスがメスにしつこくちょっかいを出しているって構図です。でも、やり過ぎてメスの怒りを買っているようです。
メスの勢いに負けて追い詰められていますね。軽い気持ちでからかっていたら逆襲にあってしまうことってありますよね。
オスのだまし討ちです。自分の方が体が大きいことをいいことに、やりたい放題ですか? まあ男の子はこんなもんです。
メスも負けていません。女の子がキレると怖い。こんな感じで2頭でじゃれ合って日々過ごしているんですね。
子マヌルたちの遊びの時間は終わりました。獣医師さんにお部屋の中から運び出されます。
メスは瞳の色が少し青みがかっています。子猫と同じくマヌルネコも赤ちゃんの時は“キトンブルー”。徐々に大人と同じ黄色い瞳になっていきます。
メスの子マヌルは、食が細くあまり量を食べようとしないので、獣医師さんがスプーンで運んでサポートします。
オスの方は2杯目もたいらげていました。テーブルの上ではイタズラすることなく、お行儀良くしていました。おりこうさんです。
と思ったら、不機嫌な顔全開です。ブラッシングは嫌いなようですね。でもお手入れはしっかりしないといけません。
実は今回、ママのポリーは7頭の子を産んだのですが、次々と感染症にかかってしまい。獣医師の川端楓実さんやスタッフの懸命な処置も及ばず、このオスとメスだけが生き残りました。
亡くなったきょうだいたちの分も生きるため、食事やお手入れも含め健康面には十分に気を使っています。
メスは体が少し小さめですが、幸いやんちゃなオスに鍛えられ、たくましく育っています。
2匹の体調面に問題なければ、7月13日(土)から、新しく完成した施設「アジアの森」で子マヌルきょうだいがお披露目される予定です。ゆくゆくはきょうだいにすてきな名前がつけられることでしょう。
父親のボルにそっくりなやんちゃなオスと、少し体の色が薄めの可憐なメス。那須どうぶつ王国へ行った際は、ぜひきょうだいの違いを確かめてください。
先に「アジアの森」で暮らす母親のポリーです。マヌルネコの飼育下での出産は今まで1〜5頭。7頭も生んだポリーは、がんばりました。何かを待つように壁ドンをしてますね。
待っていたのはおやつ(お肉)のようでしたが、2本足で立つだけでなく、手を添えるところが賢いですね。
子マヌルたちの父親のボルと母親ポリーとのツーショット。以前との状況の逆転ぶりにまたも驚かされました。ボルばポリーに自分に近づくなと威嚇しています。ボルこそポリーに熱を上げてアプローチしていたのに……。
子どもができたら冷たい態度とは……。いますよね、人間にもこんなタイプ。でも忘れてならないのは自然界ではマヌルネコは基本、単独で生活する生き物です。
4月に引っ越してきた「アジアの森」は一部自然光が入って、今までと印象が違います。マヌルネコってこんなに明るいグレー色をしていたんですね。
子マヌルたちは、7月13日(土)から公開される予定です。(写真提供/那須どうぶつ王国)
子マヌルに会えたら、ぜひ他の赤ちゃんたちにも会ってきてください。「那須どうぶつ王国」の夏はベビーラッシュ。オットセイや、ワオキツネザルの赤ちゃんを園内で探してみてください。
那須どうぶつ王国
栃木県那須郡那須町大島1042-1
TEL.0287-77-1110
※公開時間は、赤ちゃんの体調により変動します。
※公開は、赤ちゃんの体調により中止する場合があります。
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