モエルー オ シトロン キュンとさわやかなレモンケーキ

瀬戸理恵子のおやつ便り

 蒸し暑い夏に食べたくなるのが、酸味が利いてさわやかなレモンのお菓子。おいしいのはもちろん、疲れた体もリフレッシュしてエネルギーが湧いてくるような気がします。なかでも、ぷっくり、コロンとしたレモンの形がとってもキュートなレモンケーキは、見つけると引き寄せられずにはいられなくて、大好き! 昭和の香りを感じさせる、ちょっとレトロな雰囲気もまた、なんとも言えず心かれてしまうのです。

 最近では、さまざまなパティスリーでも見かけるようになってうれしいな、と思っていたら、ひと目れ、そして“ひと口惚れ”するレモンケーキに出合ってしまいました。それが、千葉県流山市にあるパティスリー「レタンプリュス」の「モエルー オ シトロン」です。

 表面を覆う淡いレモン色のグラス・ア・ロー(糖衣)は、口に入れるとシャリッ、シュワッと溶けて、レモンのキュンとした酸味がなんてフレッシュ! この“シャリリ”が、はかなくて、繊細で、たまらなく素敵すてきなのです。そして、ふんわり、やわらかな生地はしっとり、口溶けがやさしくて、さわやかなレモンの味と香りがたっぷり。まるで涼しいそよ風が吹き抜けるような、心地よい後味が口いっぱいに広がります。

 「実は、レモンケーキってあまり食べたことがなかったんです」と話すのは、「レタンプリュス」オーナー・シェフパティシエの熊谷治久さん。自身のベースであるフランス菓子から発想を広げ、「酸味があってしっとり、重すぎないレモンのケーキ」として生み出したそうです。生地にはレモンペーストとレモン果汁、レモンパウダーを混ぜこみ、アーモンドパウダーとホワイトチョコレートも加えることでしっとり、軽やかに。グラス・ア・ローにはレモン果汁をたっぷり加えて、酸味をクリアに際立たせています。

 「フランス菓子のオーセンティックな部分を大切にしつつ、僕なりのおいしさを表現したい」という、熊谷シェフのパティシエとしての思いが形となった確かな味わいに、レトロとは一線を画す、奥深さとエレガンスが感じられます。

モエルー オ シトロン
  280円(税抜き)
※取り寄せ可能。
店舗 レタンプリュス
千葉県流山市市野谷543-1
電話 04-7168-0960
営業時間 10:00~19:00
火曜休

瀬戸 理恵子(せと・りえこ)
フードエディター・ライター

 瀬戸 理恵子(せと・りえこ) フードエディター。 1971年東京都生まれ。銀行勤務を経て2000年にパリへ製菓留学し、エコール・リッツ・エスコフィエ、ル・コルドン・ブルー パリで菓子ディプロムを取得。ピエール・エルメ氏のもと研修を重ねる。2001年帰国し、月刊誌「料理王国」、「料理通信」の編集部を経て、2009年独立。お菓子を中心にフリーランスのフードエディター・ライターとして活動中。監修・共著に「東京手みやげ 逸品お菓子」(河出書房新社)など。このほか、「『オーボンヴュータン』河田勝彦の郷土菓子」(誠文堂新光社)など、パティシエの書籍製作も手がける。

 瀬戸理恵子さんが取材・文を担当した、「アテスウェイ 川村英樹の菓子」が出版されました。7月1日発売、柴田書店、税込5184円です。都内屈指の人気パティスリー「アテスウェイ」のお菓子を、詳細なレシピと作り方とともにていねいに解説。オリジナリティあふれるプチガトーからアントルメ、焼菓子、アイスクリームを使ったデザート、チョコレート菓子など56品を全276ページにわたって紹介しています。

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