毎月一つの野菜をテーマに、「とことん簡単で、食べて美味しく、ヘルシーなレシピ」を紹介しているこのコーナー。今月は、カゴメ「野菜と生活 管理栄養士ラボ」の山口彩夏がお届けします。
7月のテーマは、甘くて真っ赤な、今が旬の「トマト」です。
ヨーロッパの「おふくろの味」
トマトは、うまみ成分である「グルタミン酸」「アスパラギン酸」の宝庫です。日本で昆布だしやかつおだしが、さまざまな料理に使われてきたように、南ヨーロッパの地中海地方では18世紀頃から、うまみの豊富なトマトが親しまれています。イタリアの家庭において、トマトソースはまさに“おふくろの味”です。
値打ちの高い果物や野菜を「リンゴ」と呼ぶ習慣のあるヨーロッパで、「ラブ・アップル(愛のリンゴ)」や「ポモドーロ(黄金のリンゴ)」などと称されることからも、トマトが欠かせない存在であることが分かりますね。
おいしいトマトの選び方
トマトを買う時は、肩の部分やそのまわりが、よく張って固く締まったもの、そして手に取ってずっしり重いものを選びましょう。皮はよく色づいてムラがなく、ヘタは濃い緑色のものがおすすめです。キズのあるものは、いたみやすいので避けるのが無難です。
トマトに含まれる「リコピン」という成分は、体の調子を整えてくれます。旬のトマトをいっぱい食べて、夏の疲れを吹き飛ばしましょう!
◇ ◇ ◇
〈おだしのうま味 冷製トマト〉
◇材料
トマト 2個
めんつゆ(ストレート) 150ml
しそ 適量
【作り方】
1.トマトを湯むきする。
※丸ごと冷凍した場合、水につけるだけで皮がむけます。
2.めんつゆにつけ、冷蔵庫で2時間ほど冷やす。
※濃縮タイプのめんつゆは、希釈しましょう。
3.千切りのしそを上に載せる。
〈ブルスケッタ〉
◇材料
トマト 2個
バケット 8枚
チューブにんにく 1センチ
オリーブオイル 小さじ2杯
粉チーズ、塩コショウ 少々
【作り方】
1.トマトを1センチ角に切る。
2.チューブにんにく、オリーブオイル、粉チーズ、塩コショウと(1)のトマトを合わせる。
3.(2)をこんがり焼いたバケットに載せる。
◇今日の栄養メモ~リコピン~
トマトが真っ赤なのは、リコピンが含まれているから。植物などに含まれる赤色やオレンジ色の色素成分・カロテノイドの一種で、抗酸化作用が強いことでも知られています。油に溶ける性質を持つため、油と一緒にとると吸収率が高まります。熱に強いので、炒めたり、煮込んだりしても、成分が変化しにくいのが特長です。
「いつ取るか」も重要なポイント。トマトジュースを飲んだとき、朝昼晩どの時間帯がリコピンの吸収率が良いか、カゴメが研究をした結果、朝の吸収率が一番良いことが分かっています。効率良く、おいしい食べ方を試してみてくださいね。