元メジャーリーガーの妻・松井美緒さんが編み出したホムパの極意

インタビュー

 埼玉西武ライオンズの二軍監督を務める松井稼頭央さんの妻・美緒さんが、ホームパーティーにおすすめの料理のレシピをまとめた「松井家のおもてなしごはん」(世界文化社)を出版しました。ママ友や稼頭央さんの友人などを招いてホームパーティーをよく開くという美緒さんに、パーティーのゲストたちを喜ばせるコツなどについて聞きました。

最大50人のゲストを招いたことも

 現在は、18歳の娘と10歳の息子の母として子育てをしながら、モデルやエプロンの商品デザインなどの仕事をしている美緒さんですが、プライベートのパーティーの様子を収めた写真が、インスタグラムで「盛りつけがおしゃれ」「おいしそう」と人気を集めています。

ホームパーティーの様子(「松井家のおもてなしごはん」より)

 「『近くにいるんだけど、今から食べに行っていい?』とフラッと訪ねてくる方もいるので、数人ほどの小規模なホムパなら、週1回は開いていますね」という美緒さん。規模が大きくなると20人ほど、一番多い時には50人ものゲストを自宅に招いたこともあるそうです。何度も開いているうちに、テーブルのセッティングや料理の準備など、段取りよく進められるようになったといいます。

「ゲストに気を使わせない」をアメリカで学ぶ

 そんな「ホームパーティーの達人」とも言える美緒さんが、どんな時でも大切にしていることがあります。それは「ゲストに気を使わせないこと」。

 夫の稼頭央さんは、2004年から10年まで米大リーグで活躍。そのため、一家でアメリカ暮らしをしていましたが、当時はホームパーティーに招かれる機会がたくさんあったそうです。

 「向こうのホームパーティーでは、ホストがゲストと同じように楽しんでいます。だから、ゲストも気を使わずに楽しめる。その家の主人が台所に立ち、働いていたら、招かれた方もゆっくり座ってお料理やお酒を楽しめませんよね。みんなが来る前にできる限りの準備をしておいて、パーティーが始まったら自分も加わって一緒に楽しむ。それがゲストに対する一番のおもてなしだということを学びました」と美緒さんは話します。

 日本に帰国後、ホームパーティーを開くようになり、自分なりに準備の仕方やレシピを編み出したといいます。

準備は2時間前までに

 「準備が終わらないうちにゲストが到着、という失敗がありがちですよね。そんなことがないように、ゲストの到着時間から逆算して準備を開始し、到着2時間前にすべての作業を終えるようにしています」という美緒さん。お皿の配置も事前に決めておいて、付箋にどの料理を置くのか書いておきます。

 「どこに料理を運べばいいのか一目でわかるので、運ぶお手伝いもお願いしやすくなります」

お皿の配置は事前に決めて、何の料理を置くのか書いたふせんをはっておく(「松井家のおもてなしごはん」より)

 マリネやサラダなどは、ラップをして上に保冷剤を載せておき、ゲストが到着する前にテーブルに並べておけば、冷蔵庫とテーブルの間を往復するのを省略できます。「ラップを外したままだとお料理がペタッとなっているので、立体的に盛りつけ直すのがコツ。おいしそうに見えますよ」と美緒さん。

準備を終えたらシャワーを浴びる

 アメリカで学んだ「ホストが楽しむ」というスタイルを守るため、2時間前までに準備を終えた美緒さんがするのは、シャワーを浴びること。「料理していると油が飛んだり、メイクも崩れたり、よれよれになってしまいます(笑)。ゲストの方と同じように楽しむため、一度シャワーを浴びて、メイクや髪をセットし直します」と美緒さんは説明します。

 ゲストと同じように、きちんとおしゃれをしてパーティーに参加。そして、パーティーが始まったら、台所には極力立たないようにしています。

パーティー料理はライブ感が命

できたてを味わっていただくのも、おもてなしの一つ(同)

 あらかじめ用意しておくメニューも多いですが、パーティーの料理は“ライブ感”が命。「スペアリブのグリルなど、できたてがおいしい料理は、タレにつけ込んでおいて、ゲストが到着してから焼き始めます。オーブンに入れておけば焼き上がるので、鉄板ごとテーブルに運べば手間もかからないし、ジュウジュウという音や立ち上る香りも楽しめます」

ゲストから歓声が上がる「スパークリングワイン鍋」(同)

 ほかにも、目の前で鍋にスパークリングワインを注いで作る「スパークリングワイン鍋」や、自家製のタレを使ったプルコギなど、見た目も香りも楽しめる料理を用意することを心がけているそうです。

仕上げには必ずトッピング

 美緒さんが料理の時に大切にしているのが、仕上げのトッピングです。「白ごまや糸唐辛子、ハーブなど、ほんの少しのトッピングですが、あるのとないのとでは、見た目や味がまったく変わるので、必ずのせるようにしています」

豚バラ大根の仕上げにのせる糸唐辛子。忘れないようラップにくるんでお皿の上に(同)

 ところが、準備でバタバタしていて忘れてしまうことも。「あれ、どこだっけ?」を防ぐため、お皿の置く位置を決めた時に、トッピングするものをあらかじめお皿の上に置いておくことにしているそうです。

稼頭央さんも絶賛のプルコギ

 「松井家のおもてなしごはん」には、ホームパーティーにぴったりのレシピや盛りつけのコツなどが掲載されていますが、中でも美緒さん自身がイチオシなのが、しょうゆやゴマ油などを混ぜて作ったオリジナルのタレ「Mioだれ」です。

冷蔵庫に常備してあるという「Mioだれ」

 元々、夫婦そろって韓国料理好きで、プルコギを家で作ろうと考えたのが始まりでした。結婚したばかりの頃は料理が苦手だったという美緒さんですが、「Mioだれで作ったプルコギは、主人が最初に褒めてくれた料理」だと言い、稼頭央さんは「うちのプルコギは外で食べるよりおいしい」と絶賛しているそう。

松井稼頭央さんも大絶賛というプルコギ(「松井家のおもてなしごはん」より)

 Mioだれを牛肉に絡めて焼けばプルコギに、豆板醤トウバンジャンを混ぜて焼きそばに、カレー粉と一緒に入れてドライカレーにと、アレンジ自在なのもうれしいところです。

普段からホムパ料理を作って慣れる

 そのほか、本に載っているレシピは、ハンバーグやポテトサラダ、お酒のおつまみになりそうなマリネなど、普段使いができるものばかり。


 美緒さんは「ホームパーティー用の料理と捉えてしまうと、パーティー本番で初めて作って失敗してしまうかもしれません。普段から作って慣れておけば、あわてず上手に作れるのでおすすめですよ」と話していました。

(取材・写真/山口千尋)

Profile プロフィル

松井 美緒(まつい・みお)

1974年生まれ、新潟県出身。1998年 タレントとしてテレビ、CMを中心に活動。25歳で結婚し、15年ほど家庭に専念。18歳の娘、10歳になる息子の母。本書で着用しているエプロンのプロデュースを手がける。