ゴーフレット 奥深いコクと「ジャリリ」に魅せらせて

瀬戸理恵子のおやつ便り

 濃いめのコーヒーをじっくり入れて、今日のおやつは、「一度食べたらクセになる!」という言葉がぴったりな、このお菓子。「パティスリー フォブス」の「ゴーフレット」です。

 ゴーフルやゴーフレットというと、日本ではパリッ、サクッと軽快な歯触りを想像する人が多いかもしれませんが、とにかくそれとはまったく違います。お店のロゴとともに細かい格子模様が入った焼き色の美しい生地は、しんなり、やわらかでバターのいい香り! 間には、バニラの香り豊かな茶色いバタークリームがはさまれていて、これがまたびっくりのジャリジャリ食感。むごとにコクと奥深い味わいが広がって、口溶けなめらかなバターと混じり合い、リッチな風味を醸し出すのです。

 「斬新と思われるかもしれませんが、実は、北フランスのリールで古くから愛される伝統菓子。現地ではゴーフルと呼ばれています」と話すのは、シェフ・パティシエの安井義則さん。フランスで修業していたときに出合っておいしさに感激し、日本に帰国して記憶をたどりながら配合を探り、約2年をかけてようやく自分が思う味を再現できたそうです。

 まずは発酵バターたっぷりのブリオッシュ生地を、ずっしり重みのあるゴーフルメーカーではさんで薄焼きに。これを2枚に剥がして、バニラを贅沢ぜいたくに加えた、発酵バターのクリームをはさみます。ジャリジャリの正体は、同じくクリームに混ぜこまれた3種の砂糖!

 「ヴェルジョワーズでコクを、カソナードで風味とザラッとした食感を、グラニュー糖で甘みを与えるよう、3種の砂糖をバランスよく配合しています。生地にクリームをはさんでからひと晩休ませると、食感だけでなく味もなじんでおいしくなるんです」と、安井さん。

 五感をフルに働かせて「ゴーフレット」のおいしさを存分に楽しんだら、コーヒーをもう一杯。余韻とともに幸せが広がります。

ゴーフレット
   380円(税別)
店舗 パティスリー フォブス
東京都台東区寿3-8-4
電話 03-6231-7720
営業時間 10:00~19:00(日曜、祝日~18:00)
水曜休(祝日の場合は翌日休み、その他不定休)

瀬戸 理恵子(せと・りえこ)
フードエディター・ライター

 瀬戸 理恵子(せと・りえこ) フードエディター。 1971年東京都生まれ。銀行勤務を経て2000年にパリへ製菓留学し、エコール・リッツ・エスコフィエ、ル・コルドン・ブルー パリで菓子ディプロムを取得。ピエール・エルメ氏のもと研修を重ねる。2001年帰国し、月刊誌「料理王国」、「料理通信」の編集部を経て、2009年独立。お菓子を中心にフリーランスのフードエディター・ライターとして活動中。監修・共著に「東京手みやげ 逸品お菓子」(河出書房新社)など。このほか、「『オーボンヴュータン』河田勝彦の郷土菓子」(誠文堂新光社)など、パティシエの書籍製作も手がける。

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