浅草で、ジロリとにらみをきかせる寄席の看板猫

いろいろな猫の生き方(55)

 台東区・浅草の寄席「浅草演芸ホール」の看板猫、それが「ジロリ」です。アメリカンショートヘアのミックスで、銀色に輝く毛、伸びやかな体、そして、そのいなせな表情に魅了されてしまいます。ジロリは演芸場内のねずみ退治や、チケット売り場での看板猫を任されていますが、ねずみの方はジロリのにらみが利いている模様。もっぱらチケット売り場での“おもてにゃし”に努めています。とはいえ、ジロリはまだ5歳。遊びたい盛りのようですが、その仕事ぶりをちょっとのぞいてみましょう。

  浅草演芸ホールに住んでいるジロリは、スタッフや出演者を毎日出迎えています。いわば、ここのあるじなので誰よりもくつろいでいます。

 夜間はジロリだけでいることもあり、ジロリのお世話係で、出札係のまさえさんには甘えるそう。実はジロリ、どうも独りでいるのが苦手らしい。 

 まさえさんは自宅でも、4匹の猫を飼っているほどの大の猫好き。多少かまれようが、引っかかれようが、ニコニコと笑顔です。見ているこちらは、ハラハラですが……。

  ジロリはとにかくアクティブ。激しく腕に絡んでいるところを見ると、ねずみが演芸場から逃げ出しているわけがよく分かりますね。 

 また表情がいい。カメラ目線で片目を細めてにらみを利かせる。男前な猫だけに、サマになっています。名前の由来はじろりと辺りを見回したことから名づけられました。

 こんなジロリだから、まさえさんと一緒に窓口に向かう途中も、演者さんやすれ違う人から「ジロリ〜」と声をかけられます。人気者ですね。 

 この入り口横が、ジロリがいるチケット売り場。浅草演芸ホールは一日中、落語をメインに漫才、マジックなどを披露しています。入れ替え制ではないので、好きな時間に気軽に入れます。 

 ジロリは、演者の「にゅうおいらんず」のメンバーが経営する喫茶店に堂々と入ってきた度胸の良さを買われて、浅草演芸ホールの看板猫になりました。人に対して物おじしません。 

 日中は主に、チケット売り場の小部屋で過ごしています。演芸場の前の通りを歩けば、ジロリの様子を見ることができます。朝(11時頃)と、夕方(5時頃)は会える確率が高いそうです。 

 小さな窓を通るチケットや、木戸銭の動きを気にしています。猫なので動体視力が刺激されるのでしょうか? 

 この台の上がジロリのお気に入りの場所なので、しっかり看板猫の役割を果たしていますね。チケットを購入する時は、ジロリの顔がよく見えます。 

 時間の経過とともにダレていきます。刺激が少ない(チケット購入など)とジロリは、たちまち睡魔におそわれてしまいます。 

 ついにゴロンと横になってしまいました。まぶたの方も重くなってきたようで、完璧に寝る態勢になっていきます。 

 そして結局、受け付けの小窓がジロリに塞がれてしまいました。窓口係をこなすはずが、思い切り邪魔することになっちゃってます。 

 場所は浅草の中心。落語を聴いたことがない方も、ジロリをきっかけに歴史と伝統ある寄席を訪れてみてはいかが?

「浅草演芸ホール」
東京都台東区浅草1-43-12 
営業時間:年中無休
昼の部11時40分〜16時30分 夜の部16時40分〜21時(特別興行の場合は時間・料金に変更あり)
料金:大人2800円(税込み ※消費税増税後は木戸銭が変更になります。要問い合わせ)
TEL:03-3841-6545
URLhttp://www.asakusaengei.com

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)
デザイン事務所コイル代表。ソトネコ写真家&グラフィックデザイナー

猫の島「田代島」を訪れたのがきっかけで、「ソトネコたち」の生き方に興味を持ち、瀬戸内や九州の島で猫たちの写真を撮っている。ソトネコサイトの管理者。著書に「ソトネコJAPAN」「ねこ柄まにあ」「のんびり猫旅」「ねこ暦 七十二候」「サーバルパーク」ワル猫だもの」「どやにゃん」「ワル子猫カレンダー2019」「「辛口こねこカレンダー2019」ほか。

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