モンテネグロのメルヘンな街「コトル」のフレンドリーな猫たち

いろいろな猫の生き方(54)

 クロアチア・ドブロブニクから向かった、モスタルへの猫旅記を少し前に載せましたが、今回もドブロブニク発の猫旅です。隣国モンテネグロの「コトル」という世界遺産の街。ここにも猫がたくさんいて、何より街全体がメルヘンチックでかわいらしい。訪れるまで、こんなにすてきな街だとは知らず、日帰り旅行、しかも午後着のバスに乗り込んだことをとても後悔しました。猫たちは、この街に住む人々と同じく素朴でフレンドリー。少ない時間の中でとらえたかわいい街と猫たちの姿をお届けします。

 ドブロブニク発コトル行き長距離バスは、朝7時発をやめ11時発に乗りました。ところが、出発は30分遅れ、国境越えの検問にも時間かかり過ぎで焦ります。雄大なコトル湾の景色を見ながら心を落ち着かせて向かいました。

 午後1時到着予定が2時半になり、やっとコトルに到着です。コトルはアドリア海から繋つながるコトル湾の最奥にある街。大きな岩山の麓ふもとに作られた、中世の城壁の街です。

 岩山に古代の城壁が見えます。上へ登って見たコトル湾と旧市街の眺望がすばらしいらしいけど時間がない……。でも下からの光景でも十分に映えますね。

 城壁の門をくぐって街の中に入ると、広場の前に黒猫の姿。趣のあるお土産屋さんから出てきました。オシャレですね。

 コトル自体は小さな街で、端から端まで歩いても、20分ほど。中世の面影を残しつつ、まるで一枚の絵のようにコンパクトな感じが、メルヘンな印象です。

 コトルの猫も、ビニール袋をクシャと鳴らしたり、しゃがむ姿を見せると近づいて来ます。猫によって違いますが、警戒心が弱めです。

 教会も荘厳というより、こぢんまりした外観。この教会は1195年建造のセルビア正教会の聖ルカ教会です。じっ……時間がなくて中に入っていませんが、金色に輝く聖画があるそうです。

 教会の広場にあるお土産屋さんに入っていったキジ猫。飼い猫ではなさそうですが、コトルはお店の出入り自由な猫が多いようです。

 路地裏に入ると、小さなお店やレストランが立ち並んでいてかわいいんです。オフシーズンでも観光地として魅力的だと思いましたが、観光客はまばらです。ここは穴場ですね。

 人が少ない分、猫が目立ちます。城壁へ行く登山口近くに猫だまりがあって、猫たちが代わる代わる井戸の水を飲んでいました。

 ビニールを鳴らしながら近づくと、ちびっ子2匹が近寄ってきます。「いたたた」、フレンドリー過ぎて、爪を立てて脚に登ろうとします。

 このキジ猫はお店から堂々と出てきました。店に入って、人から怒られたり怖い思いをしたりしたことがないんでしょうね。警戒心の少ないモスタルの猫だって、店内には入らないのに。

 猫じゃらしを取り出すと、もう1匹の猫も店から出てきます。遊び盛りのきょうだい猫たちが、日が暮れて寂しくなってきた街を明るく盛り上げます。

 猫の写真が撮れなくなるほど、辺りが暗くなってきたので、猫雑貨専門店「Cats of Kotor」に入りました。海外で猫の専門店があるのはかなり珍しいですね。

 日本人との感覚の違いも興味深いのですが、普通のお土産屋さんでも猫モチーフをよく見かけました。コトルの街が猫に対して心が広いのがよく分かります。閉まっていて入館できませんでしたが、猫博物館もあって、メルヘンの街は猫で彩られているようです。

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)
デザイン事務所コイル代表。ソトネコ写真家&グラフィックデザイナー

猫の島「田代島」を訪れたのがきっかけで、「ソトネコたち」の生き方に興味を持ち、瀬戸内や九州の島で猫たちの写真を撮っている。ソトネコサイトの管理者。著書に「ソトネコJAPAN」「ねこ柄まにあ」「のんびり猫旅」「ねこ暦 七十二候」「サーバルパーク」ワル猫だもの」「どやにゃん」「ワル子猫カレンダー2019」「「辛口こねこカレンダー2019」ほか。

ソトネコ facebook sotoneko

怖い! かわいい!笑っちゃう?ドヤ顔だけ集めたねこ写真集。
「どやにゃん」南幅俊輔著。(辰巳出版、842円・税込み)
「辛口こねこカレンダーMOOK 2019」南幅俊輔著。  11月7日発売(OAK MOOK、800円・税込み)
「ワル猫カレンダーmook 2019」南幅俊輔著。12月5日発売予定(SUNエンタメ MOOK、800円・税込み)