グリオット かわいくて甘酸っぱいサクランボ

瀬戸理恵子のおやつ便り

 本日のおやつは、お皿の上にちょこんとのった、かわいらしいサクランボ。春から初夏へと変わる季節の香りを運ぶ、「エクラデジュール」の新作ケーキ「グリオット」です。

 フランスでお菓子や料理、お酒などに広く使われるグリオットは、小粒で深みのある赤色が美しいサワーチェリーの一種。「シャープでさわやかというよりも、ちょっと鈍くて重厚感のある独特の酸味が好き」と、オーナーシェフ・パティシエの中山洋平さんは話します。「その魅力を味にも見た目にも打ち出して、フレッシュ感だけではないフルーティーさを表現してつくったのが、このお菓子です」

 まわりをやわらかく覆うのは、グリオットのピュレを混ぜこんだマジパン。まるでアマレットのようにアーモンドの香りがふくよかに香り立ち、むごとに深みあるグリオットの風味がじわじわと広がります。

 中には、グリオットのピュレとケーキクラムが混ぜこまれた、ちょっぴりもちっとしたビターチョコレートのガナッシュがたっぷり。そこかしこからふっくら、コロンとしたグリオットのコンポートが現れて、みずみずしい甘酸っぱさと力強い果実味をジュワッと解き放ちます。

 さらに、真ん中に隠れた軽やかなバニラのババロワと混じり合えば、後に広がる余韻はとっても華やかでフルーティー! 紅茶やコーヒーはもちろん、シャンパンをはじめお酒との相性もぴったりで、エレガントな香りのふくらみをより一層楽しめます。

◇    ◇    ◇    

 「フランス菓子ならではの奥深く濃厚な味わいを貫きつつ、ジューシーでみずみずしく、日本人の口に合う食べやすさを表現したい」と語る、中山さん。その思いが確かに伝わる、大人な味わいのひと品です。

 

グリオット
   500円(税別)
店舗 エクラデジュール
東京都江東区東陽4-8-21 TSK第2ビル1F
03-6666-6151
10:00~20:00
水曜休

瀬戸 理恵子(せと・りえこ)
フードエディター・ライター

 瀬戸 理恵子(せと・りえこ) フードエディター。 1971年東京都生まれ。銀行勤務を経て2000年にパリへ製菓留学し、エコール・リッツ・エスコフィエ、ル・コルドン・ブルー パリで菓子ディプロムを取得。ピエール・エルメ氏のもと研修を重ねる。2001年帰国し、月刊誌「料理王国」、「料理通信」の編集部を経て、2009年独立。お菓子を中心にフリーランスのフードエディター・ライターとして活動中。監修・共著に「東京手みやげ 逸品お菓子」(河出書房新社)など。このほか、「『オーボンヴュータン』河田勝彦の郷土菓子」(誠文堂新光社)など、パティシエの書籍製作も手がける。

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