三重の高級食材で春を彩る懐石料理

ごほうびフード×ぐるなび

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 新年度を迎え、転職や異動といった新たなスタートを切った方も多いでしょう。大型連休を迎える前にエネルギーをチャージするべく、今回は完全予約制の高級割烹「伊勢 すえよし」へ向かいました。

目に触れるものすべてで、とことん三重を楽しむ

 東京・西麻布のほぼ中心地でありながら、閑静なエリア。小さなビルの3階にあるのれんをくぐると、正面に5席のカウンターが目に入ります。左手には6席の個室のみで、こぢんまりとしつつもりんとした空間が広がっています。

 三重県出身の田中佑樹さんが「伊勢食材を懐石料理で味わってほしい」との思いから、2015年にオープンしました。さっそく、「今日は特別大きいんですよ」と見せてくださったのは、体長50センチ強はあろうかという伊勢湾で取れたイセエビ。長い触角と大きな触覚がゆっくりと動き、新鮮さが伝わってきます。こんな会話ができるのも、カウンター席ならではの醍醐味です。

 三重といえば、カキやアワビ、松阪牛や伊賀牛など、挙げればきりがないほどの高級食材の宝庫。料理に使用されるのは、ほとんどが三重産なのはもちろん、卓上には組子細工で作られた雪の結晶コースター、盛り付けられるシックな大皿は萬古焼と、いたるところに三重の伝統がちりばめられています。

炙り平貝を、見た目にも美しい春野菜とともに

 いずれも10品前後、8000円、1万円、1万3000円の3種のコースから選ぶことができます。今日は奮発し、1万3000円コースをチョイス。旬の食材を使った春らしい品をご紹介します。

 まずは「平貝と春野菜」。タイラギとも呼ばれる二枚貝を、杉おけでじっくり熟成したしょうゆで味付け。こんがりとした網模様の焼き目が、食欲を一層そそります。芽キャベツやコゴミ、スナップエンドウなど、さわやかな緑で彩られています。ソースはニンジンのすり流しで華やかに。器に使われた貝の真珠層の輝きと相まって、美しい一品です。

土鍋でうま味を凝縮した、タケノコの炊き込みご飯

 春の味覚の代表格であるタケノコは、三重県桑名市の名産品です。甘みが凝縮された肉厚なタケノコの、火を通すとほっこりと軟らかくなる特性を存分に引き出したのが、土鍋で炊き上げた「タケノコごはん」。日本穀物検定協会の2018年産のコメの食味ランキングで、最高位の特Aランクを獲得した伊賀米コシヒカリと、油揚げ、出汁だしとともに炊き込んだシンプルで温かみのある味わいです。

“世界”で感じた、懐石料理の可能性

 お客の約半数は海外からの観光客。「懐石料理の文化を、世界の方々に広めたい」と英語解説付きコース(1万6000円)を用意し、ベジタリアンやビーガン、グルテンフリー、ハラールなどの食事規制にも対応しています。

 京料理・懐石料理の老舗「菊乃井」で修業した後、欧米14か国の郷土料理店をめぐり、“武者修行”を積んだ田中さん。各国のシェフたちと料理談義を交わすうち、懐石料理というジャンルの知名度の低さを痛感したのだそう。

 「日本文化を食で体感できるすばらしさが知られていないのはもったいない。まだまだ知らない、きちんと説明できない自分自身が恥ずかしかった」(田中さん)と、帰国後は実家の和食店で働きながら地元の生産者を訪ね、作業を手伝い、食材について体感しながら学びました。「食を通して、価値観が変わるきっかけを作ることができるのがシェフのやりがい。生産者の見える化はもちろん、食材を作る方へも“消費者の見える化”を行っていけたら」と田中さん。おいしいお食事はもちろん、食への飽くなき追求心に触れ、身が引き締まる思いでした。

「RED U-35 2019」開催! 次世代のスターシェフの推薦を

 田中さんは18年、一般の方からの勧めでエントリーする「応募者推薦制度」で、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」に出場しました。その結果、2次審査通過者 の称号である「シルバーエッグ」を獲得しています。

 4月23日に応募がスタートする「RED U-35 2019」の1次審査テーマは「ニッポンの宝」。熱い心を抱いたシェフの自薦はもちろん、行きつけや近所のお店で働く若き才能を推してみてはいかがでしょうか(応募者推薦制度は4月22日まで受け付け)。

(ライター/麻林由、カメラマン/中田浩資)

[メニュー](消費税、サービス料10%別途)
■コース 8000円、1万円、1万3000円の3種
※季節や仕入れ状況により、内容が異なります

[店名]伊勢 すえよし
[住所]東京都港区西麻布4-2-15 水野ビル3F
[営業時間]17:00~23:30(最終入店21:00)
[定休日]日曜
[問い合わせ先]03-6427-2314(予約受け付けは11:00~22:00、日本語のみ。海外からは下記HPより)
[ホームページ]https://r.gnavi.co.jp/8kn0g0d80000/

RED U-35
(RYORININ’s EMERGING DREAM) レッド アンダー サーティーファイブ(リョウリニンズ エマージング ドリーム) RYORININ’s EMERGING DREAMとは、「料理人に現れる夢」という意味。 RED U-35は、夢をもった次世代の料理人たちを応援するプロジェクトです。