栃木県・那須高原にある「夢屋」は林の中の、隠れ家風古民家カフェ。3匹の猫がおもてなしをしてくれると聞いて訪れてみました。築150年の古民家を移築した建物は、高い天窓から光が差し込み、囲炉裏や、小上がりのこたつ席もあって、おもわずほっこりしてしまいます。この空間にふさわしい女将とよばれる猫が、小上がりでおもてなしをしていました。おもてなしといっても、ごろごろ好き勝手にしているだけですが、猫好きなお客さんは大喜び。猫の名は「おぎん」。まさに女将らしい名前ですが、彼女にはちょっと悩みの種があるようです。
お店は、那須街道から奥まった小川が流れる林の中を進むと、いきなりどーんと現れました。でも、カーナビと看板の案内があるので、スムーズにたどり着けます。さすが築150年、堂々とした立派な建物です。
和室の窓から、猫が外を見つめていました。この子がおぎんさんです。看板猫の仕事をしていますね。
元々はギャラリーとしてオープンしていたということで、店内のそこかしこに印象的な陶器作品やグッズが並んでいます。おぎんさんは、この場所から外を見ていたんですね。
この日、初めて訪れたという、2人の女性客がこのこたつ席を利用していましたが、おぎんさんの威厳からか触れもせず、ずーっとその動きを眺めていたそうです。
おぎんさんは触られるのは大丈夫なようです。シルバーの毛色が美しい、アメリカンショートヘアのミックスで10歳になります。
夢屋には代々、猫女将がいて、おぎんさんは現・大女将。実は若女将の猫も店内にいるらしいのですが、見回しても姿が見えません。

約1年前、ありし日の先代猫女将「ちびまる」と若女将の「がんも」です。「ちびまる」は、「がんも」を譲り受けてからしばらくして、体調を崩して天国に旅立ってしまいました。

数日間、「ちびまる」と一緒に過ごすことができた「がんも」。先代から未来の女将業を託す形になったのかもしれません。
夢屋のオーナーに促されて、現れた若女将の「がんも」。たぬきっぽい風貌からすっかり美人猫に成長しましたが、おもてなしには、大女将のおぎんさんから見ると多少の不安が残ります。
隣にいるのは、がんもの弟「こんぶ」。こんぶは一時預りの約束で来ていましたが、里親が見つからず、「がんも」同様、夢屋の家族になりました。
そして、この「こんぶ」が、最も女将に近い、人懐っこい猫へと成長しました。男子なので女将と呼ぶわけにもいかないのですが、抱っこされても平気なようです。
お客さんにかまってもらえないと、「今日は自分の出番はない」とばかりに奥に引っ込んでしまう。それぐらい人が大好きな猫なんです。
ギャラリーらしく、すてきな陶器で提供される、大人気のガレット。厚めに焼いたそば粉の生地に、ルバープの酸味とアイスクリームの甘みのバランスが絶妙です。他にもイチゴやブルーベリーなど旬のフルーツを使ったガレットも。また、季節の野菜にこだわった豊富なメニューやスパイシーなスープカレーも評判です。
写真は囲炉裏席。夢屋では陶芸作家の作品を展示販売しています。その他、草木染めや織物のワークショックも随時行っています。
週末や連休などお店の繁忙期は、猫なりに気を遣っているのか、外出していることもあるそうです。出会えたらラッキーと思って訪れてみてください。ついついお店の雰囲気に和んでしまって長居してしまいますよ。
古民家のカフェ 夢屋
栃木県那須郡那須町高久乙1846-92
東北自動車道那須インターより車で15分
電話:0287-78-3272
営業時間:10:00 ~17:30(Lo17:00)
ランチ11:30~15:00
定休日:水曜日(祝日の場合営業、翌日休業)
駐車場あり
![]() 「どやにゃん」南幅俊輔著。(辰巳出版、842円・税込み) |
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