タルト・フレーズ 鮮やかなイチゴの味と香り

瀬戸理恵子のおやつ便り

 イチゴがおいしい季節になりました。お菓子屋さんのショーケースにも、真っ赤なイチゴを使ったお菓子がたくさん並んで、一段と華やかさを増しています。

 ウキウキした気分でパティスリー「シャンドワゾー」を訪ねたら、ルビーのようにキラキラ輝くイチゴがギュギュギュッと並んだ、「タルト・フレーズ」に、目がくぎ付けになってしまいました。

 しっかり存在感があるタルトの上には、見るからにジューシーでおいしそうな「とちおとめ」のイチゴが7粒も。艶やかなベリーのコンフィチュールをたっぷりまとい、愛らしい赤みをより一層深めています。

 いそいそとナイフを入れて頬張れば、みずみずしいイチゴが弾けてコンフィチュールと絡み合い、ジュワッと口いっぱいに押し寄せるイチゴの力強い風味と甘酸っぱさ!

 土台のタルトは生地が厚めでサクッと香ばしく、アーモンドクリームの深みあるコクが豊かに広がります。それらをつなぐのは、とろりとまろやかな卵黄たっぷりのカスタードクリーム。シンプルなタルトに表現されたメリハリと調和が、なんともドラマティックです。

     ◇     ◇     ◇

 「素材感の際立つお菓子が好きです」と語る、シェフ・パティシエの村山太一さん。「でも、フルーツのタルトだからといってフルーツに依存しすぎれば、お菓子の味にばらつきが出てしまう」。そこで行うのが、フレッシュ感を生かした「味付け」です。イチゴとフランボワーズ、カシスをブレンドしたコンフィチュールで風味を補強された、イチゴのなんと鮮やかなこと! リッチなタルトに負けない力強さの秘密が、ここにあります。

タルト・フレーズ
    556円(税別)
店舗 シャンドワゾー
埼玉県川口市幸町1-1-26
048-255-2997
 10:00~20:00
 不定休

瀬戸 理恵子(せと・りえこ)
フードエディター・ライター

 瀬戸 理恵子(せと・りえこ) フードエディター。 1971年東京都生まれ。銀行勤務を経て2000年にパリへ製菓留学し、エコール・リッツ・エスコフィエ、ル・コルドン・ブルー パリで菓子ディプロムを取得。ピエール・エルメ氏のもと研修を重ねる。2001年帰国し、月刊誌「料理王国」、「料理通信」の編集部を経て、2009年独立。お菓子を中心にフリーランスのフードエディター・ライターとして活動中。監修・共著に「東京手みやげ 逸品お菓子」(河出書房新社)など。このほか、「『オーボンヴュータン』河田勝彦の郷土菓子」(誠文堂新光社)など、パティシエの書籍製作も手がける。

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