「わあ、お姫様が着るドレスみたい!」と、子供の頃に目をキラキラ輝かせながら(自分では見えませんが、たぶん)食べていた、「東京會舘」の「マロンシャンテリー」。フリルのように美しく絞られたクリームがエレガントで、今でも目にするたび、ときめかずにはいられない、ずっと大好きなお菓子のひとつです。
しばらく夢見心地で眺めたあと、ふんわり、軽やかなクリームにそっとフォークを入れると、中から現れるのは黄金色に輝くそぼろ状の栗。しっかり存在感を放ちながらも、ほろほろっと崩れてミルキーなクリームとなめらかに混じり合い、口いっぱいにやさしい風味が広がります。
シンプルながら、このバランスがたまらない! 自然と笑顔がこぼれ、幸福感と懐かしさで胸がじんわり温かくなるのです。
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「東京會舘」副製菓長の湯田英明さんによれば、おいしさの秘訣は、甘露煮の栗をミンチマシーンで2回裏漉しし、いったんまとめてから再び粗い目の網で漉すこととか。「手間のかかる作業ですが、これによってほどよく空気を含んで、よりなめらかな口当たりになります。形作る際にも、手でぎゅっと押さえないことが大切です」と話します。
この「マロンシャンテリー」が誕生したのは、1950年頃のこと。「東京會舘」初代製菓長の勝目清鷹さんが、モンブランを日本人向けにアレンジして考案したといい、以来、当時と変わらないレシピと味が守り継がれています。もちろん今日(2019年1月8日)、創業から97年を経てリニューアルオープンを迎えた、新生「東京會舘」でも!
光あふれる「ROSSINI TERRACE」のソファに身を沈めて、緑あふれる皇居とお堀を眺めながら味わう伝統の味は、また格別に感じられます。
マロンシャンテリー
1皿 1000円(税・サービス料別)
※コーヒー・紅茶など飲み物は別料金になります
店舗 東京會舘「ROSSINI TERRACE」(ロッシニテラス)
東京都千代田区丸の内3-2-1 東京會舘 本舘1F
050-3134-4890(本舘レストラン予約センター)
平日 10:00~21:30LO
土曜、日曜、祝日 10:00~21:00LO
※ドリンクは~22:00LO
(土曜、日曜、祝日 ~21:30LO)
無休
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