ビクトリアスポンジ 女王の心も癒やした焼き菓子

瀬戸理恵子のおやつ便り

ビクトリアスポンジ

 「サンデーベイクショップ」は、週に3日だけ(もともとは日曜日だけ!)オープンする、焼き菓子いっぱいのお菓子屋さん。店内の大きなカウンターは、スコーンやブラウニー、パウンドケーキ、季節のフルーツたっぷりのトレイベイク(四角く焼いて切り分けたケーキ)など、イギリス菓子を中心とする香り豊かなお菓子がぎっしり、ずらりと並びます。

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 訪れるたび、「どれを食べようかしら」とうんうん悩みながらも、やっぱり外せないのが定番の「ビクトリアスポンジ」!
 き立ての全粒粉を加えたスポンジ生地は、ほろっとした口当たりで粉の風味が豊かに広がります。間には、ふんわりミルキーなジャージーミルクのバタークリームと、果実味豊かなベリーのジャムをサンド。シンプルでおだやかな味わいは、何度食べても魅力的です。レモンカードや他のジャムがはさまれていることもあり、どんな味に出合えるかはその日のお楽しみ。
 「お茶をザバザバ飲みながら、肩の力を抜いて楽しんでほしいな、と思って作っています。そのお菓子があることで少し和めたり、あとひと息頑張れたりして、毎日がちょっと楽しくなるお菓子作りが私のテーマなんです」と、店主の嶋崎かづこさんは笑顔いっぱいに話します。

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 イギリス伝統のこのケーキはビクトリア・サンドイッチとも呼ばれ、もとは夫を亡くして悲しみに沈むビクトリア女王のために作られたものだとか。本来はジャムだけがサンドされていて、飾りすぎず素朴で温かい味わいが、きっと彼女の心を癒やしたのでしょう。昔も今も変わらないお菓子の素敵すてきな魔法に思いをせる、今日のティータイムです。

ビクトリアスポンジ
  450円(税込み)
店舗 サンデーベイクショップ 
東京都渋谷区本町1-58-7
営業日 水曜 7:30~17:30
    金曜 7:30~19:00
    日曜 9:00~19:00
その他の月・火・木・土曜は休み
毎月最終水曜は休み、その他不定休

瀬戸 理恵子(せと・りえこ)
フードエディター・ライター

 瀬戸 理恵子(せと・りえこ) フードエディター。 1971年東京都生まれ。銀行勤務を経て2000年にパリへ製菓留学し、エコール・リッツ・エスコフィエ、ル・コルドン・ブルー パリで菓子ディプロムを取得。ピエール・エルメ氏のもと研修を重ねる。2001年帰国し、月刊誌「料理王国」、「料理通信」の編集部を経て、2009年独立。お菓子を中心にフリーランスのフードエディター・ライターとして活動中。監修・共著に「東京手みやげ 逸品お菓子」(河出書房新社)など。このほか、「『オーボンヴュータン』河田勝彦の郷土菓子」(誠文堂新光社)など、パティシエの書籍製作も手がける。

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