“バンコク共通”の、人に媚びない猫らしさ

いろいろな猫の生き方(40)

 「ほほ笑みの国」といわれるタイ・バンコクの、高層オフィスビルやホテルが立ち並ぶエリアにある「ルンピニー公園」。このタイ国民のいこいの公園は、緑豊かな園内に広場や池が点在していて、観光客にも人気です。のんびり過ごしたり、ジョギングロードで汗を流したりする人の姿を見れば、それだけでも安らぎますが、猫好きにとっての一番の癒やし効果は、公園内で過ごす猫たちです。ただし、ここの猫たちはただかわいいだけではなく非常にタフな面を持ちあわせています。人間に対しての接し方に改めて猫らしいな、と感じさせたルンピニーの猫たちを紹介します。

 公園内は広々としたジョギングロードが設置されています。外国人だけでなく地元でもマラソン人気が高く、大勢の人々が汗を流しています。

 猫たちは公園のあちこちで自由に過ごしています。シャム猫の原産国タイだからか、瞳の青いシャム猫ミックスがいたり、和猫と同じような毛柄のタイプもいたりします。

 用事がなければ人と交流するつもりはないようですが、おなかがくと態度を変えてきます。家猫と同じように、積極的にアピールしてきます。

 猫からお呼びが掛かると、持っていたペットボトルからジャーッと、ドライフードをあげています。猫好きランナーさんの日課なのでしょう。

 芝生ではヨガをしている地元民がいます。湖を望む場所で気持ちよさそうですね。しかしその背後からじっと見つめる者が……。

 黒猫が、じっとヨガが終わるのを待っていました。この人間なら何かおいしいものをもらえると思っていたようですが、待ちくたびれたようです。

 諦めて違うターゲットにくら替えです。湖から離れてジョギングコースへトコトコ歩いていきました。

 ランナーの女性が、黒猫に気がついたらしく近寄っていきます。お互いに交渉成立ですね。

 黒猫は無事にドライフードをゲットできました。ランナーもこうした猫との交流を楽しみに公園に来ているのでしょう。

 さて、この公園のボスとおぼしき猫に遭遇しました。体も大きくないし若そうですが、このキジ白猫は人に対してそうとう強気です。

 多分日本にもいる、人間を“下僕”扱いするそんなタイプの猫です。自転車に乗った人間の行く手を塞ぐのも、本人にとって当たり前のこと。

 地元男性が、屋台で買ってきたチキンのようなフードをあげていました。キジ白猫はにおいを嗅いで、気に入らない反応をします。

 ついに立ち去ってしまいました。しかたがないので男性はあげたチキンを片付けます。そのまま放置しないのがタイ人のマナーなんですね。

 人にびない生き方ができてしまうのも、この公園が「ルンピニー」という慈悲深い釈迦の生まれた聖地名がつけられているからでしょうか。

 余裕を持った振る舞いと、強い意志を持った瞳を持つルンピニー公園の猫たち、エネルギッシュな街バンコクでアジアの喧騒けんそうに疲れたら、ここの猫たちに会いに行ってみてはいかがでしょう。

Lumpini Park(タイ バンコク、ルンピニー公園)
BTSスカイトレインの「サラデーン駅」、地下鉄MRTの「シーロム駅」すぐ

※注意:夜間、公園周辺は暗いので近寄らないよう、ご注意ください。

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)
デザイン事務所コイル代表。ソトネコ写真家&グラフィックデザイナー

2009年猫の島「田代島」を訪れ、「ソトネコたち」の生き方に興味を持ち、月1回、瀬戸内や九州の島で猫たちの写真を撮っている。ソトネコサイトの管理者。著書に『ソトネコJAPAN』『ねこ柄まにあ』『のんびり猫旅』『ねこ暦 七十二候』『ワル子猫カレンダー2018』『ワル猫だもの』『サーバルパーク』『どやにゃん』ほか

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