中華の名店がおくる、ぜいたくな秋の味覚

ごほうびフード×ぐるなび

 人知れず頑張っているあなたへ。すてきなレストランやワンランク上の手土産など、女性にとって、最高においしい“ごほうびフード”情報をお届けします。

 夜風が涼しくなりはじめ、秋の気配が近づいてきました。おいしい旬の味覚が豊富な季節だからこそ、あこがれの高級食材を使った料理を堪能したい――そんな思いから、東京・港区・西麻布の中国料理「麻布長江ちょうこう 香福筳こうふくえん」を訪れてみました。

伝統を重んじつつ、オリジナリティーあふれる四川料理

 西麻布交差点からほど近く、有名店がひしめくグルメエリア。四川料理の名店「麻布長江」を現オーナーシェフの田村亮介料理長が引き継ぎ、2009年にオープン。中国料理の既成概念にとらわれない独創性豊かな料理の数々が注目を集め、平日は近隣の会社員、休日は家族連れやグルメ好きな女性グループでにぎわう人気店です。

 コンセプトは“一皿の口福こうふく”。「店名にある“筳”はゴザなどの敷物という意味。集う場所であり、料理は当たり前においしく、さらに感動したり幸せになったりしていただけたらという思いを込めております」と田村料理長。スパイス類は本場の中国・四川省で買い付け、化学調味料を一切使わず食材本来の味を大切にしているのだそう。今回は、秋を感じつつ、ぜいたくな食材を使用したアラカルト3品を田村料理長におまかせすることにしました。

一口ごとに幸せになれる前菜盛り合わせ

 スタイリッシュな黒い長角皿の上で輝きを放つのは、時季の恵みを生かした「運気の上がる前菜盛り合わせ」。見た目にも美しい一皿は、向かって縦方向が定位置とのこと。「下から順に召し上がってください。上へ、上へと運気も上昇するように願いを込めております」(田村料理長)。

 心がほっと温かくなるおもてなしに胸を打たれつつ、まずは細切り押し豆腐から箸をつけます。なめらかな口当たりと織り込まれたエビの卵の食感を楽しみつつ、次は殻ごと香料で煮込んだ大きな粒の落花生「おおまさり」。さらにヘベズ(香酸柑橘かんきつ類の一種)をくりぬいた器にピクルスと塩漬けレモンがさわやかなサーモンのマリネ、ぷりぷりと身が詰まった「白姫えび」の紹興酒しょうこうしゅ漬け――どれも丁寧に作りこまれた逸品ばかりで、一口ごとに幸せが運び込まれてくる気がします。最後は黒酢ソースと花椒かしょうが利いた特製のよだれ鶏をほおばりつつ紹興酒を傾け、すっかり多幸感でいっぱいに。ドリンクはほかにも焼酎、日本酒からワイン各種が充実し、好みのアルコールを選べるのもうれしいですね。

コラーゲン豊富なスッポンの希少部位“エンペラ”

 高級食材の代表格ともいえるスッポン。肉を使った鍋や生き血のイメージが先行しますが、ここで味わうのは甲羅周辺の縁の“エンペラ”と呼ばれる部分。コラーゲンがたっぷり含まれた希少部位です。

 5キロはあろうかという大物から取れた乾物のエンペラを、3~4日温度調整や沸騰を繰り返して戻し、黄ニラ、モヤシと炒めたのが「乾燥えんぺら・黄ニラ・もやし・天然塩炒め」。プルプルと美しく透き通ったエンペラと、シャキシャキとした食感がよく合います。四川料理の代表的調味料である自家製の酒醸(チューニャン)のほのかな甘みが、スッポン本来の繊細なうまみを引き立てているのです。

ポルチーニ茸を閉じ込めた香り高い“秋巻き”

 重厚感のある丸太を輪切りにした皿で登場したのは、中華の定番・春巻き……ならぬ、「雲南ポルチーニ・れんこん・牛蒡ごぼうの秋巻き」。ふんわりとした甘い香りは、蒸して薄削りされた栗によるもの。調味料は何もつけず、熱々のうちにかぶりつきます。パリパリと小気味よい音を立てつつ、ゴボウやレンコンの歯ごたえやキノコの豊かな香りを堪能。使われているのは、世界三大キノコの一つ、ポルチーニ。イタリア料理のイメージが強いですが、中国・雲南省では“牛肝菌(ニウガンジュン)”と呼ばれ、世界的に有名な産地の一つに数えられています。秋の香りをぎゅっと凝縮した味は、食べ終えてもなお、しばし余韻に浸ること間違いなし。

新世代を担う才能への継承 トップレベルの若手も

 数々の食通をうならせてきた田村料理長ですが、後進の育成にも力を入れています。なかでも同店の朴木祐人ほうのきゆうと)シェフは、現在開催中の日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35 2018」において、567名の応募者から2次審査に通過し、22名の“シルバーエッグ”に選ばれた実力者です。

 田村料理長の勧めがきっかけで、同コンペには第2回から参加している朴木シェフ。9月30日に開催される試食審査に向け、業務の合間を縫ってレシピを開発中とのこと。「参加されている方はみなさん、さまざまなジャンル、国内外から実力のある方ばかりで刺激になります。僕の料理の根底にあるのは地元・高知の存在。自分らしさを模索しつつ、より上を目指していきたいです」(朴木シェフ)。

 才能あふれる料理人が腕を振るう名店で味わう秋の味覚。これから年末にかけ、多忙を増していく日々を乗り越えるべく、ぜいたくなひと時で原動力をチャージしましょう。(ライター/麻林由、カメラマン/木村雅章)

【Youtubeへ】

【メニュー】(すべて税抜き)
 運気の上がる前菜盛り合わせ 1600円
 乾燥えんぺら・黄ニラ・もやし・天然塩炒め 4200円
 雲南ポルチーニ・れんこん・牛蒡の秋巻き(2本) 1600円
 ※平日ランチ以外はサービス料10%

[店名]麻布長江 香福筳
[住所]東京都港区西麻布1-13-14
[問い合わせ先]03-3796-7835
[営業時間]11:30~15:00(土・日・祝は12:00~、ラストオーダー14:30)、18:00~23:00(ラストオーダー22:00)
[定休日]月曜(祝日の場合は翌日の場合あり、詳細はHPにて要確認)
[ホームページ]https://r.gnavi.co.jp/e678400/

RED U-35(RYORININ’s EMERGING DREAM)
レッドアンダーサーティーファイブ(リョウリニンズ エマージング ドリーム)
RYORININ’s EMERGING DREAMとは、「料理人に現れる夢」という意味。
RED U-35は、夢をもった次世代の料理人たりを応援するプロジェクトです。