ミャンマーに受け継がれる幻の猫、バーミーズ

いろいろな猫の生き方(38)

 シャム猫やアメリカンショートヘアなど、優に100は超えるといわれる猫の種類。そのひとつに、ミャンマー(旧ビルマ)原産の「バーミーズ(Burmese)」がいます。アメリカやヨーロッパでも人気のバーミーズは一時期、ミャンマー固有の種にもかかわらず、国内から1匹もいなくなってしまったことがあるそうです。その事態を憂えた人たちが、ミャンマー東部にあるインレー湖畔で繁殖・保護に努め、純血のバーミーズが復活しました。その猫たちに、観光客が気軽に触れ合えると聞いて訪ねてみました。

 インレー湖はミャンマーの中でも人気の観光地。ニャウンシェという猫っぽい名前の街からボートに乗り込み、水路をたどって向かいます。

 エンジン付きのボートが高速で湖上を進みます。船頭さんは後方で船を操るので、遮るものなく湖上の風を全身で浴びます。なんて清々すがすがしい。水の上の家屋、寺院、農園など、湖上で暮らす人々の様子を眺めながら南へと進みます。

 1時間ほどで、インレー湖畔に暮らす人々「インター族」の住居を改装したホテル&観光施設「インレー・ヘリテイジ」に到着しました。ここのキャット・ビレッジにお目当ての猫たちがいます。

 ボートから下りて通路を左に進むと、レストランがあり、その下のフロアがキャット・ビレッジです。公開時間が決められているので、次の公開までインター族伝統のおいしい麺料理とビールでランチタイム。

 さて、猫たちとご対面。ん? ビールで酔いが回ったせいなのか、見つけられない。猫たちのいるフロアはちょっと薄暗くしてあります。

 いました、いました。こげ茶色の被毛をベースに、シャム猫のように顔や足の末端の色が濃くなっています。部屋の内装と保護色なので、見つけづらかったんですね。猫たちは「純血種」だという誇りからなのか、ちょっと強そうに見えます。

 30匹ほどの猫たちは、ほとんどがこげ茶色ですが、薄めの色やロシアンブルーのような灰色の被毛の猫もいます。国外から集められた7匹の純血種から繁殖していったので、違いが表れたのでしょうか。

 この体の小さな猫は、被毛がシャンパンのような色をしています。バーミーズは被毛の密度が高く、光沢が美しいと評判の猫なんです。

 室内の少ない光をなだらかに反射していて、とてもフォトジェニックなメス猫です。その姿に、オス猫も引き寄せられているようです。

 背後からちょっかいを出してきたのが気に入らないのでしょうね。間髪を入れず首元に足蹴りを食らわせています。さすが純血種の猫、強くてプライドが高い。

 少し離れた所で、見慣れないおもちゃを相手に床でコロコロしている猫がいます。猫のオモチャに使っていいのか、この場所で使っている日用品にも見えますね。

 この麻紐でつくられた猫のオモチャや、流木のキャットタワーらしきものもあって、アジアンテイストあふれている小物がまた、興味深いというか面白い。

 猫の負担も考慮してか、触れ合いの時間はおよそ30分で終了。短い時間だったので、隣にあるショップで名残惜しさを解消します。次に来るときは宿泊して、ゆっくり猫たちと過ごしたいと思います。

 オリジナルの猫モチーフのTシャツや、布小物が充実していました。お米の上にディスプレイしてあった、へたれたセルロイド製の小物をお土産に購入。足蹴りをしていた気の強いシャンパン色の猫にちょっと似ています。

参考;2012年の記事「ミャンマーに『帰郷』するビルマネコたち」

場所
Inle Heritage
インレー・ヘリテイジ

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)
デザイン事務所コイル代表。ソトネコ写真家&グラフィックデザイナー

2009年猫の島「田代島」を訪れ、「ソトネコたち」の生き方に興味を持ち、月1回、瀬戸内や九州の島で猫たちの写真を撮っている。ソトネコサイトの管理者。著書に『ソトネコJAPAN』『ねこ柄まにあ』『のんびり猫旅』『ねこ暦 七十二候』『ワル子猫カレンダー2018』『ワル猫だもの』『サーバルパーク』『どやにゃん』ほか

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