「全部、青い。」迷宮の街、シャウエンの猫

いろいろな猫の生き方(34)

 モロッコはアフリカ北西部にあるイスラム教の国。もともとトルコなどのイスラム圏は猫が多いものですが、モロッコも例に漏れず、どの街でも必ず猫の姿がありました。フェズ、マラケシュ、エッサウィラなど世界遺産の街の中で、特に猫たちがかわいくて、しかもインスタ映えする「シャウエン(シェフシャウエン)」の街の猫たちを紹介します。

 青の街で有名なシャウエンも、建物すべてが青いわけではありません。1階2階の低層が青く、高層部は白や持ち主の好みの色が塗られているようです。でも、猫は低い場所にいるので、当然、背景は青になります。

 山岳地帯に位置するシャウエンは山の斜面に沿って造られているの街なので、階段が多い坂の街です。車も入れない(無理やり入ってくる地元車もあり)迷路のような路地が網の目のように広がっています。

 ここもフェズやマラケシュと同じ迷宮の街なのだそうです。確かに、どこもかしこも青に塗ってあるから、誰でも自分がどこにいるのかわからなくなってしまいます。地図は手離せません。

 シャウエンは、規模が小さい街だと思って油断していました。何度も地図とにらめっこしながら歩いていたのに、全く逆方向に進んでいたりして、自分でも不思議な空間に迷い込んだような感覚です。

 街は壁も扉も道も全て青色ですが、扉はそれぞれ趣向を凝らしたデザインです。同じ物がないのでは?と思わせるほど、さまざまなカタチをしています。

 早朝のシャウエンをさまよっていたら出窓で目を覚ましたハチワレ猫を発見。この時間は人がいなくて、猫に遭遇しやすいです。

 活発に活動していた茶トラ猫。私の姿を見かけるとダッシュで近づいてきます。茶トラ猫は青に映えます。

 この街は、あちこちで壁の重ね塗りをしています。ハゲ落ちているところもありますが、そこをまた重ね塗りするから、オシャレなんでしょう。

 

 

家の中から猫がたくさん出てきました。猫は飼い猫もソトネコも区別はつきません。飼い主、近所の人、通りがかりの人、観光客もみんなで面倒をみている印象でした。

 おみやげ屋さんがオープンする時間には猫たちが寄ってきます。モロッコはセンスの良い手織り物がそろっていて、それもまた猫のいい背景になっています。

反対側の丘から街を一望したところ。全体を見るとご覧のように真っ青な印象はありません。青い部分は半分ぐらいでしょうか。

 この界隈かいわいで、唯一ビールが飲めるホテル「HOTEL PAADOR(ホテルパラドール)」前にタクシー乗り場があります。ちなみに、タクシーの色も分かりやすく青色でした。タクシーのドライバーさんたちの周りも猫スポット。

 シャウエンの中心地ウタエル・ハマム広場。カフェがいくつも並ぶこの場所も猫スポットでした。地元の子どもを見ると、なんとシャツもバッグも青い。青で統一したこの街を、住民たちはこまめに手入れをしていて、みんな青に誇りを持っているのでしょう。

 気がついたら、子猫が私の足に飛びついてきました。ジーンズをはいているからなのでしょうか。人だけじゃなく、シャウエンの猫たちも青が好きらしいです。

 そういえば、猫の生態の本によると、猫の目は認識しづらい赤い色に比べて、青い色は、はっきり見えるそうです。だからシャウエンの猫たちの青好きは本当かも知れません。

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)
デザイン事務所コイル代表。ソトネコ写真家&グラフィックデザイナー

2009年猫の島「田代島」を訪れ、「ソトネコたち」の生き方に興味を持ち、月1回、瀬戸内や九州の島で猫たちの写真を撮っている。ソトネコサイトの管理者。著書に『ソトネコJAPAN』『ねこ柄まにあ』『のんびり猫旅』『ねこ暦 七十二候』『ワル子猫カレンダー2018』『ワル猫だもの』『サーバルパーク』『どやにゃん』ほか

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