イスタンブールの自由な猫

いろいろな猫の生き方(24)

 トルコ・イスタンブールの猫をテーマにしたドキュメンタリー映画「猫が教えてくれたこと」が昨年公開されました。古都に暮らす個性的な猫たちと人が織りなす優しい物語。その猫天国ぶりを確かめてみたくて、飛行機で12時間かけて向かいました。初日は残念なことに冷たい雨! 猫との遭遇率が落ちる最悪の条件。でも、2日間の滞在中、100匹を超える猫たちに出会うことができました。

 映画に出演した猫「ガムシズ」が住むジハンギル地区は、特に猫が多いらしい。観光の拠点「タキシム広場」から、スラセルヴィレル通りを下った左側にあります。ジハンギル通りを目指して進むと、さっそく「トルコ猫」に遭遇。

 1匹どころの話ではなく、このフサフサ猫のいる石階段の路地には、なんと7匹の猫の姿。坂道の多いこの辺りは、こうした猫の好きそうな石段が大小いくつもあります。

 

 俳優猫「ガムシズ」が通う、ベーカリーを見つけて感激。お店の方に「ガムシズはどこにいるの?外かな?」と聞くと「イエス」との返事。これ以上は話せなくて、会えずじまい……。代わりに茶トラ白の猫が店の前で居座っていました。

 ジュースショップで外から看板猫の写真を撮っていたら、笑顔で「カムイン、カムイン」と、中で撮るように促してくれたオーナーさん。猫が多い地域なだけあって、やさしい猫好きさんが多いです。

 左側の三毛猫は店内で撮ったオーナー自慢の看板猫。でも、さっき撮った右側のソトネコだって、比べてみるとそんなに差はないんだね。颯爽さっそうとした美猫です。

 この地区ではソトネコでもウチネコでも、猫好きさんにとっては同じ猫。だから同じようにかわいがっているのでしょう。車のボンネットで寝ている猫の安らかな表情がそれを物語っています。

 地元の人は餌をあげたり、まるでアートのようにソトネコが寝るための猫ハウスをあちこちに置いたりしています。猫たちはお気に入りの場所で自由に過ごすことができます。とにかくこの街は、猫にとって居心地がよさそうです。

 カフェが多いこの地区ではオープンエアの席がオススメ。行き交う猫たちを眺めたり、足元にスリスリしにくる猫と和んだり「ネコカフェ」ならぬ「ソトネコカフェ」を満喫できます。

 

日本の猫と同じような柄だけど、異国風情のあるこんな長毛の猫の姿もチラホラ。アヤソフィアなどの世界遺産が並ぶ旧市街地も猫スポットなので、あなたもトルコのフサフサ猫を探しに、旅をしてみては?

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)
デザイン事務所コイル代表。ソトネコ写真家&グラフィックデザイナー

2009年猫の島「田代島」を訪れ、「ソトネコたち」の生き方に興味を持ち、月1回、瀬戸内や九州の島で猫たちの写真を撮っている。ソトネコサイトの管理者。著書に『ソトネコJAPAN』『ねこ柄まにあ』『のんびり猫旅』『ねこ暦 七十二候』『ワル子猫カレンダー2018』『ワル猫だもの』『サーバルパーク』『どやにゃん』ほか

ソトネコ facebook sotoneko

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