女性向け腕時計のトレンド紹介 スイスの時計見本市より

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Eric Sauvage© Cartier

 スイスのジュネーブとバーゼルで相次いで開かれた時計見本市では、各ブランドが発表した男性用のハイエンドな新作に加え、女性向けの華やかな腕時計も見逃すことができません。ファッションブランドが手がけるカジュアルなデザインのものから、時計専業ブランドによる複雑な機能を盛り込んだ機械式時計まで、多彩な時計がそろいました。それらの中から、ブランドの特色が色濃く反映された魅力的な新作を紹介しましょう。

 1月にジュネーブで開かれたSIHH(国際高級時計展)で、その中心を担うカルティエに、パンテールのゴージャスな新作が加わりました。特徴は何と言っても腕にしなやかに巻きつく二重巻き、三重巻きのブレスレット。「重いのでは」と一瞬不安になりますが、荷重が分散されるようなデザインで、付け心地は軽やかです。素材はイエローゴールド、ピンクゴールド、そしてホワイトゴールドの3種類があり、ジュエリー感覚で身につけられ、手元を華やかに演出してくれます。

カルティエ「パンテール ドゥ カルティエ ウォッチ」 ¥4,860,000(税別)、発売中

 SIHHと同時期にジュネーブ郊外で独自に新作を発表しているフランク ミュラーも魅力的な新作を見せてくれました。トノウ(たる)型のケースが特徴のヴァンガードから、ピンク色を基調にしたかわいらしい新作が登場しました。例えば「ヴァンガード レディ スケルトン ハート」という商品はムーブメントがケースの裏表から鑑賞できるスケルトン仕様になっていて、カラフルなハートをかたどった意匠が優しい雰囲気を強調してくれます。

フランク ミュラー「ヴァンガード レディ スケルトン ハート」 ¥4,200,000(税別予価)、発売時期未定

 世界最大の規模を誇る時計見本市「バーゼルワールド」でも女性用の新作から目を離せません。ブルガリは、「ルチェア」コレクションから新作「ルチェア トゥボガス」(ケース径33mm、オートマティックまたは自動巻き)を発表しました。奇をてらわずモダンなデザインは、オンオフ問わず愛用できそうです。ブルガリのジュエリーから発想したというブレスレットはシルクのストラップのような滑らかな付け心地です。マザー・オブ・パールのダイヤルにあしらわれた11石のダイヤモンドインデックスも華やかな印象を引き立ててくれます。

ブルガリ「ルチェア トゥボガス」 ¥1,200,000(税別)、発売中

 ハイジュエラーとして知られるハリー・ウィンストンからは、「HW エメラルド」コレクションのニューモデルが誕生しました。ブランド創始者のハリー・ウィンストンが最も愛したエメラルドカットのシルエットを現代的に反映させたケースは、1930年代のアール・デコ様式を彷彿(ほうふつ)とさせます。ケース外周に配されたダイヤモンドと文字盤のピンクサファイアが柔和なイメージを強調します。時計としての実用性とジュエリーの華やかな存在感を求める女性のために作られた新作時計です。

ハリー・ウィンストン「HW エメラルド」 ¥1,600,000(税別)、8月発売予定

 ショパールは、メゾンを象徴するエレガントでスポーティなレディースウォッチ「ハッピースポーツ」の誕生25周年を記念した新作を発表しました。自社で特別開発した機械式自動巻きムーブメントを搭載し、シルクのような虹色の光沢を放つ文字盤に、アリゲーターストラップが添えられています。高級時計とハイジュエリーの栄光を築いてきたメゾンの全ての技巧と能力を結集して実現した名作が完成しました。

ショパール「ハッピースポーツ」¥2,370,000(税別)、10月発売予定

 シャネルが1987年に発表した女性のためのウォッチコレクション「プルミエール」から、ゴールドカラーを取り入れた限定モデルが登場しました。パリ・ヴァンドーム広場の形からインスパイアされた八角形のケースが特徴です。過剰な装飾を省いたシンプルなデザインは凛(りん)とした印象です。実際に付けると、華やかさに加え、理知的な雰囲気も強調してくれそうです。

シャネル「プルミエール」 ¥512,500(税別)、10月発売予定、世界限定1000本

 グッチの「G-フレーム」コレクションに、グッチらしいウェブストライプが文字盤にあしらわれた新作が加わりました。別売りのストラップを付け替えることにより、アクセサリー感覚で多彩な表情を楽しめます。グッチのクリエイティブ・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレの美意識が隅々まで浸透したポップなファッションウォッチに仕上がっています。

グッチ「G-フレーム」 ¥175,000(税別)、発売中

 今年のSIHHとバーゼルの時計見本市を見て感じたのは、各ブランドが女性用の時計開発に本腰を入れ始めているということ。女性の社会進出が進み、ビジネスなどでしかるべき責任を担う女性を中心に、クラシックなデザインの機械式腕時計に関心が高まっているという背景もあるのでしょう。ストラップを替えることで男女兼用となる腕時計も数多く発表され、これから女性用の時計開発の動向からも目が離せなくなりそうです。

(YOMIURI BRAND STUDIO クリエイティブエディター/ライター 高橋直彦、広告第六部 島田和春)