ブシュロン創業160周年パリでユニークな企画展

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色別に宝石を展示して華やかな雰囲気の会場 (c)BOUCHERON

 高級宝飾店が建ち並ぶパリ・ヴァンドーム広場で、最も古くから本店を構えている「BOUCHERON(ブシュロン)」。その創業160周年を記念し、新作発表も兼ねた企画展「VENDORAMA(ヴァンドラマ)」が、今年1月12日から28日までパリで開かれました。会場は、フランス・パリ造幣局「モネ・ド・パリ」の中庭。デジタル技術を駆使したユニークな展示で、ブシュロンの華やかな魅力を多くの人が体感しました。

パリ注目のスポットで魅せる華やかな新作

 パリ中心部の6区。セーヌ川右岸のポン・ヌフ駅を降りて、対岸まで橋を渡りきると、パリ造幣局はもう目の前です。ネオクラシック様式の美しい建物に近年、現代アートの発信拠点ができたり、フランスを代表する高級レストラン「ギ・サヴォワ」が移転してきたりして、パリでも有数の観光スポットになっています。

セーヌ河畔のモネ・ド・パリはフランスの新しい観光スポット (c)BOUCHERON

 その中庭で企画展を行うのが、フランスを代表する5大高級ジュエリーブランド「グランサンク」の一つブシュロンとあって、取材当日は入場を待つ人たちの行列ができるほどにぎわっていました。

回顧展を超越した未来へのメッセージ

 入口から会場に通じる小道の壁一面にグラフィティアートが描かれ、「BOUCHERON(ブシュロン)」「VENDOME(ヴァンドーム)」など、ブシュロンとゆかりの深い言葉が並んでいました。1150年以上の歴史を誇るモネ・ド・パリと現代アートが見事に融合し、「VENDORAMA(ヴァンドラマ)」が単なる回顧展ではないことを予感させます。

壁一面のグラフィティが来場者の気分を盛り上げる (c)BOUCHERON

 ブシュロンのエレーヌ・プリ=デュケンCEO(最高経営責任者)も「ありきたりの回顧展にするつもりはありませんでした。ジュエリーの鮮やかな世界を見せ、未来へのビジョンを提示しようと意図したのです」とコメントを寄せています。

ウラジミールが各展示をハイライト

 自然光をふんだんに取り込んだ明るい会場は、160周年という歴史の重みを、現代的な雰囲気で包み込みました。オリジナルのスマートフォンのアプリを使うと、広告モデルとして登場したこともある黒猫の「ウラジミール」がAR(拡張現実)で登場。人なつっこいしぐさで会場内をユーモアたっぷりに案内し、来場者を楽しませました。

未来的な空間にブシュロンを彩ってきた写真を展示 (c)BOUCHERON

歴史が息づいている新作の数々

 創業から20世紀初頭までのオーダー帳やデッサンが並び、職人の視点で制作をバーチャル体験できる動画ワークショップもありました。セレブたちが愛したハイジュエリーコレクションなど、ブシュロンが現在に至るまで紡いできた感性とクラフツマンシップの歴史をたどることができます。

オーダー帳やデッサンなどの資料があり、歴史を感じさせる (c)BOUCHERON

 貴重なアーカイブに囲まれた環境で、新作コレクションを見ていると、歴史が現在のブシュロンに脈々と息づいていることが伝わってきました。これこそがブシュロンの伝えたかった、未来へのビジョンなのでしょう。

伝統と技術に裏打ちされた今年の新作

 節目の年に発表した新作だけに、ひときわ力の入った作品が並びました。例えば「セルパンボエム」。1968年に生まれ、神秘的なセルパン(蛇)の美しさをモチーフに、ゴールドのビーズで囲まれたデザインを大胆に読みかえ、オーバーサイズのドロップやカラーストーンのロードライトやマラカイトが追加されています。

「セルパンボエム」からはゴージャスなネックレスが目を引いた (c)BOUCHERON

 すでに20種を超えている「アニマルコレクション」にはオオカミやシロフクロウが新たに仲間入りしました。毛皮や羽根の部分にパヴェ・ダイヤモンドをあしらうなど、丁寧な手作業の積み重ねが、動物たちに新たな命を吹き込んでいます。
 自然への賛歌をテーマにしたコレクション「ナチュール トリオンファント」も、のびのびとしたデザインが新しく加わりました。クジャクの羽根をデザインした「プリュム ドゥ パオン」の指輪は、女性の指の曲線に沿ってカーブを描き、最適なポイントで輝きを放ちます。

左から「ルウ」オオカミのブローチと、「プリュム ドゥ パオン」クジャクの羽根をデザインした指輪 (c)BOUCHERON

 そのほか、ダイヤモンドブレスレットを発表したメゾンのアイコン「キャトル」、服地やレースのようなしなやかさを貴金属に追究したクチュールがテーマの作品、そしてフェミニンな腕時計の「リフレ」もコンテンポラリーな美しさでした。

左から、ダイヤモンドをセッティングした「キャトル」のブレスレット、レースのようなしなやかさを誇る「ポンポン」のブレスレット、「リフレ」の腕時計はフェミニンなピンクのダイアルも登場 (c)BOUCHERON

会場の跡地を庭園として改装

 会場跡地の中庭は、今後、ブシュロンの支援により「ジャルダン・マンサール」と名付けられた庭園に生まれ変わる予定です。モネ・ド・パリの敷地内にある邸宅のデザインやヴァンドーム広場の設計などで知られる17世紀後期バロック建築の第一人者、ジュール・アルドゥアン=マンサールに庭園名はちなんでいるといいます。文化への惜しみない支援が、フランスを代表するハイジュエラーとしての矜持も感じさせました。

(YOMIURI BRAND STUDIO クリエイティブ エディター/ライター 高橋直彦、広告局パリ駐在 阿部泰三)

問い合わせ先
ブシュロン カスタマーサービス 
03-5537-2203 ※10:00-19:00(土日祝日、年末年始を除く)
公式サイト https://www.boucheron.com