アートをまとってポジティブに 大ぶりな柄を着こなすテク

宮田理江のモード日和

春の訪れを象徴するような大ぶりな柄のファッションは、気持ちまで華やぎます。フィンランドのデザインハウス「Marimekko(マリメッコ)」は、花弁モチーフや抽象的な模様など、独創的なプリントで広く知られるブランド。70周年を迎え、これまで以上にアート柄を表現したファッションアイテムが提案されています。2021年リゾートコレクションをお手本に、印象的なモチーフを上手に着こなす三つのテクニックをご紹介します。

ワンピース編 シャツやカットソーとのレイヤードで「こなれ感」

目を引く大ぶりなモチーフが配されたワンピースは、1枚で主役級の着映えに。動きの豊かな柄をまとえば、気分ものびのび、楽観的になります。ワンピースをラフに着こなしたいなら、インナーのシャツやカットソーに重ねるレイヤードがおすすめです。

紳士風シューズで、フェミニン×マスキュリンのテイストミックス

「マリメッコ」の代名詞とも呼べる「ウニッコ」と呼ばれる花柄は、朗らかさやナチュラル感を印象づけるモチーフです。シャツの上からワンピースを重ねると、きちんと感とフェミニンが響き合うコーディネートに。同系色のイエローでまとめて、春夏らしいエナジーを体全体で表現します。

赤を生かして、アート柄ワンピースにアクセントをプラス

アートを感じさせる抽象的なモチーフは、知的な雰囲気を漂わせます。ワンピースなら、エレガントなたたずまいになります。もちろん、ワンピース1枚で着ても申し分ないのですが、カットソーに重ね着することで、こなれ感が加わります。まだ寒い日もあるので、インナープラスワンのレイヤードは温度調節の点でも便利です。

柄×柄編 異なるモチーフを合わせて、スニーカーで軽快感を

ポジティブ気分を印象づけるために、試してみたいのは、異なるモチーフ同士の「柄×柄」のコーデです。トップスとボトムスで雰囲気の違う柄を、あえて合わせるのが味わいを深くするコツです。

ふんわりニットに落ち感のあるスカートで絶妙コントラスト

全体のバランスを保つには、同系色でまとめつつ、異なる柄を合わせるコーデが効果的。朗らかに波を打つ模様のトップスに、大ぶりなフラワープリントのボトムスをマッチング。どちらにも共通するおおらかな曲線が、全体にファニーで優しげな気分を演出します。

雰囲気の違う上下を合わせ、気負わないノンシャランとしたムードに

柄だけではなく、上下でカラートーンまで変えると、ダイナミックな印象になります。手持ち服でも異なる柄同士で合わせれば、大胆で華やかな「おしゃれ見え」がかなうので、手軽な着回しに役立てられます。見た目のインパクトが強い分、足元はスニーカーで軽やかに整えるのがおすすめです。

Tシャツ編 涼やかな波模様とつややかなレザースカートが好対照

春夏らしい柄ものアイテムといえば、やはりTシャツです。大胆なモチーフをあしらったTシャツには、デニムパンツ(ジーンズ)に代表されるカジュアルボトムスを合わせるのが一般的でしたが、ボトムスのムードを変えるだけで、一気にスタイリッシュに格上げできます。

涼やかな波模様とつややかなレザースカートが好対照

トレンドアイテムのレザースカートにTシャツを合わせれば、カジュアルからシックな着映えにシフト。さわやかな印象の大胆な柄Tシャツに、レザーならではの落ち着きやクール感をミックスします。硬質なレザーの風合いとくつろいだ雰囲気のTシャツとの素材コントラストがくっきり。硬軟が響き合うミックスコーデに整います。

複雑なコラージュで趣深いTシャツルックに

複数の画像や模様を組み合わせたコラージュは、この春夏に盛り上がりそうな人気モチーフです。様々な雰囲気を取り込んでいるので、着る場面を選びません。コラージュは、もともと現代美術の技法でもあり、アート感の高い装いに仕上がります。レザースカートを合わせるのは、コラージュTシャツの存在感を引き立てる賢いコーデ。白と黒のモノトーン系でまとめれば、コラージュがいっそう際立ちます。

タイムレスな「アート柄」をモダンに着こなしアップデート

1951年にアルミ・ラティア氏が創業した「マリメッコ」は、ファッションだけではなく、バッグ、アクセサリー、ホームインテリアなどを幅広く手がけるライフスタイルブランドの先駆け的存在です。創業当初から一貫して、時代に流されることのない、機能的でわかりやすいデザインを掲げていて、「タイムレス」が重視される今のファッション意識とも調和しています。今年、70周年を迎え、過去のアーカイブを題材にしながらモダンにアレンジしたコラージュモチーフを提案しています。

大ぶりなプリント柄やポジティブな色遣いは、着る人にパワーを与えてくれます。ファッションから元気をもらいたくなる、今の時代にふさわしいデザインともいえそうです。アート感の高いモチーフは、着る人のセンスの良さを感じさせてくれます。レイヤードのほか、「柄×柄」、レザーミックスなどの組み合わせを使って、ポジティブ気分にスイッチしたいなら、この春夏の着こなしに生かしてみませんか。

画像協力:マリメッコ
https://www.marimekko.jp/

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宮田理江
宮田理江(みやた・りえ)
ファッションジャーナリスト

 ファッションブランドの販売員としてキャリアを積んだ後、バイヤーやプレスも経験してジャーナリストへ。海外コレクションのリポートや次シーズンのトレンド予測、着こなしのアドバイスといった原稿執筆のほか、セミナー・講演なども手掛けている。著書に「おしゃれの近道」(学研パブリッシング)など。

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