ヴァネッサ・パラディが語る映画への情熱

マリ・クレール スタイル

ヴァネッサ・パラディ (c)marie claire style /photo:Philip Gay

9月4日から13日までフランスのドーヴィルで開催した第46回「ドーヴィル・アメリカ映画祭」で審査員長を務めた歌手・女優のヴァネッサ・パラディ。10代でデビューし、音楽から映画まで幅広い活動を通じて人々をインスパイアし続け、「シャネル」のアンバサダーとしても活躍している。47歳の今、昔と変わらず気取らない姿でインタビューに現れた彼女は、映画への情熱やキャリアについて語ってくれた。

―――新型コロナウイルスの影響で、カンヌ国際映画祭も通常形式での開催を見送りました。ロックダウンの間どのようなことを感じましたか?

ロックダウンを経験して、映画でも音楽でも演劇でも美術でも、生きるためには文化が必要だと痛感したはずよ。文化は夢を与えてくれる。病気の人に喜びと夢を与えれば、生きようとする手助けになるわ。

アンバサダーを務める「シャネル」の最新ルックを軽やかに着こなすヴァネッサ・パラディ (c)marie claire style/photo:Philip Gay

―――ドーヴィル・アメリカ映画祭の魅力は?

インディーズ映画に焦点を当てているところね。女優としても観客としても、そういう作品にかれるの。扱うテーマは決してわかりやすいものではないけれど、自分の現実の外側へと連れて行ってくれるわ。インディーズ映画の撮影現場では特別な連帯感や寛容さが感じられるの。自由にできる予算は少ないけれど、そこには何か人間的なもの、とてもアーティスティックなものがあると思うわ。

―――2016年のカンヌ映画祭では審査員を務められました。印象に残っていることは?ドーヴィル・アメリカ映画祭に生かせることはありますか?

素晴らしい経験だった。この仕事についての見識を深めることができたわ。映画祭で身に付けたことを生かしたかったから、すぐに何か映画に出演したいと思った。それに、審査にその日の気分が影響するという事実も忘れてはいけないの。審査員として一日に2、3本の作品をた。自分の心の声を聞くことはとても大事だけれど、一晩寝て次の朝目覚めてみると、物事を前日と同じように見られないこともある。ドーヴィル映画祭の審査員たちとも話をして、私自身なるべく公平でいたいと考えているわ。もちろん、とても緊張しているけれどね!

ヴァネッサ・パラディ (c)marie claire style/photo:Philip Gay

―――人生で最初に見た映画は?

最初はもちろんアニメ映画よ。『ジャングル・ブック』は音楽もストーリーも素晴らしくて好きだった。7歳くらいからミュージカルに夢中になったわ。『雨に唄えば』は私の人生の中でも一番のお気に入りよ。音楽、オーケストラ、ダンス、テクニカラーの発色なんかに魂が震える。他にも『ザッツ・エンタテインメント』がミュージカル映画として、とてもよくできていたと思うわ。ティーンになってからはボブ・フォッシーのファンだったし、バーブラ・ストライサンドの『ファニー・ガール』は何度も何度も繰り返し観たわね。

―――ミュージカルに出演したことはありませんよね?

そうなの! 前から出たいとは思っていたんだけど、そういえば出演しようと準備をしたことはなかったわね。この仕事は好きだし、人生も充実している。けれど、少し恐れている部分もあるの。ミュージカルというジャンルが本当に好きだから、やるからには本当によいものを作りたい。まだ遅くないとは思っているけれど、20歳の時よりは少し勇気がいるわね!

―――女優を始めたことで、歌手としての活動に変化はありましたか? その逆は?

女優も歌手も、体や声を使って表現する仕事よ。音楽では、コンサートでオーディエンスを沸かせて、ムードを作り上げるの。これは、とてもフィジカルなもの。具体的な変化というと難しいけれど、どちらの仕事も、もう一方を補完する形で、私なりに成長できたと思う。より気持ちよく、よりよく生きるには、自分自身を受け入れて、気に入らない部分でもすべて認めることが大事よ。そうすれば、本当に自由で楽しく過ごせるわ。

アイコニックなツイードをトップとショーツでかれんな表情に。ボリューム感のあるベルトやアクセサリーがモード感を添えて。トップ/25万9000円、ショーツ/41万3000円、ベルト/42万1000円、ブローチ・ブレスレット[ともに参考商品](すべて税抜き・すべてシャネル) (c)marie claire style/photo:Philip Gay

―――カール・ラガーフェルド、ジャン・バプティスト・モンディーノ、ジャン=ポール・グードなど、ビジュアルアートの巨匠とも仕事をされています。何を学びましたか?

私にとってはとても重要な要素ね。16歳の時にモンディーノと写真やビデオを撮影したけれど、それが私のイメージを変えた。偉大なアーティストたちと仕事をして、その集中力と自由な発想に圧倒されたわ。彼らは前もって撮影の準備を入念にしているんだけど、みんなの前で新しいことを試すのも躊躇ちゅうちょしない。最初のテイクで、すべてを出し切ることはできない。時間とともに発見できることもあると、たくさんのことを学べたわ。

(c)marie claire style/interview:Philomene Piegay

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