巣ごもりの夏、軽くて簡単に結べる帯で浴衣を楽しむ

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高島屋日本橋店の呉服売り場には、様々な色柄や素材の兵児帯が並ぶ(東京都中央区で)

コロナ禍で花火大会や夏祭りが相次いで中止となったこの夏は、浴衣を自宅で楽しむ提案が目立っている。リラックスウェアとしての活用だけではなく、オンライン交流会で「映える」装いとしても重宝されそうだ。

「兵児帯」活用 締め付け過ぎず

横浜市の女性会社員(33)は毎夏、浴衣を着て友人と集まるのが恒例だったが、今年は中止に。「家で着ようかとも思うけど、浴衣を着るのは一苦労。帯もそれなりに苦しいので、どうしようか悩んでいます」と話す。

高島屋呉服部買い付け担当の夏目晴加さんによると、この女性のように、着付けや着た後の苦しさを理由に、家で浴衣を着ることをためらう人は多い。夏目さんは「それなら兵児帯へこおびを使ってみてはいかがでしょう」と提案する。

兵児帯は薄めで幅が広く、軽いのが特徴。結びやすく、締め付け過ぎないので、長時間着ていても楽だという。子どもの着付け用という印象が強いが、ここ数年は大人用も増えている。

高島屋日本橋店(東京)の呉服売り場では、約50種の兵児帯をそろえている。素材は、ふんわりしたシフォン生地や、張りがある麻100%のものなど。色柄は、幾何学模様やグラデーションや横じまを用いたものなど様々ある。

「クルクル巻いてチョウ結びをし、リボンの形を整えるだけでもさまになる。幅が広いので、柄や色の出し方も自在にアレンジできます」

顔周りが華やかに見える浴衣やストレッチのきいた浴衣をそろえた松屋銀座の呉服売り場(東京都中央区で)

松屋銀座(東京)も自宅で楽しむ浴衣をすすめている。伸縮性のある生地で仕立てた浴衣は動きやすく、吸湿速乾性にも優れている。白地に大輪のシャクヤク柄の浴衣など、オンライン交流会向けに顔周りが華やかに映る浴衣も紹介している。

買い付け担当者は「襟元の色柄がはっきりしたもの、地の色と柄の色のメリハリがついたものは、パソコンなどの画面でも映えます」と語る。

着付け不要

やまとの「ゆかた0」は簡単に着られる工夫が施されている(同社提供)

洋服のように着られる浴衣も登場した。着物専門店「やまと」(東京)は5月、着やすさが特徴の「ゆかたゼロ」を発売。柄は5種類で、上下別の前開き型とかぶり型、ワンピース型の3タイプがある。作り帯は、平面的な矢の字結びと立体的なリボン結びの2種類から選べる。

障害がある人が着やすいようにと企画されたが、「着付けが大変」という人からの問い合わせも多いそうだ。開発担当の根本愛奈美さんは「生地を立体的に裁断したり、寸法の微調整を繰り返したりして、美しい着姿になるように工夫しました」と話す。

着物スタイリストの秋月洋子さんは「自宅で楽しむのであれば、絞りや綿ちりめんなど、柔らかい肌触りの生地で仕立てた浴衣を」とアドバイスする。帯は、平面的な結び方の方が、座っている時の姿勢が楽だという。

「今夏は、着心地がよく、着崩れしない方法を自宅で研究できるいい機会」と秋月さん。実際に着て、動いてみることで、着崩れしにくい所作がわかり、美しい立ち居振る舞いも身につくそうだ。

オンライン交流会 髪形やメイク工夫

家で浴衣を着る際、髪形やメイクも一工夫してみてはいかがだろう。和装の際のヘアメイクに詳しい資生堂シニアヘアメイクアップアーティストの鎌田由美子さんに、オンライン交流会向けのヘアメイクについて聞いた。

髪形は、正面から見たときのバランスに気を使う。「思い切って派手な造花を髪飾りに使い、襟足からチラリとのぞくようにつけてもいいですね」。顔周りの髪に動きをつけ、リラックスした雰囲気を出すのもポイント。髪が短い場合でも、片側だけ耳にかけたり、整髪剤でツヤを出したりするだけで雰囲気が変わるという。

メイクは、額のてかりを抑え、頬のツヤを出す。口紅は崩れにくいマットタイプや、ほんのり色が付くティントタイプがおすすめ。アイカラーは浴衣や帯に使われている色と同色を選ぶといい。

(読売新聞生活部 野倉早奈恵)