「若草物語」映画化で新たなジョーを演じる、シアーシャ・ローナン

マリ・クレール スタイル

映画「つぐない」でキーラ・ナイトレイ演じる姉と、ジェームズ・マカヴォイ演じる姉の恋人の運命の糸を操り、破滅に追いやった罪深い妹を堂々と演じ、13歳にしてアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたシアーシャ・ローナン。

その後も10代でピーター・ジャクソン監督の「ラブリーボーン」やジョー・ライト監督の「ハンナ」などに、近年では「ブルックリン」や「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」など多くの長編映画の主演をこなし、大活躍している。

また、ウェス・アンダーソンやライアン・ゴズリング監督作など、とがったインディペンデント作品やスタジオジブリの「借りぐらしのアリエッティ」の英語版吹き替えなどにも携わり、広いジャンルで底知れない才能を開花させてきた。

2017年、グレタ・ガーウィグ監督の半自伝的映画「レディ・バード」では、自由奔放で型破りな18歳の主人公を演じ、2度目のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。新作「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」で、再度ガーウィグ監督とタッグを組む。

監督とは、お互いの限界に挑戦できる関係

「グレタとは家族のような関係なの。お互い愛し合っているし、親友だし、私達の関係を表現するのに一番近いのはバンドのメンバーみたいな関係かな。とても特別な仕事の関係よ、U2みたいなの」と、監督との関係を同郷の有名ロックバンドになぞらえた。

「私たちはお互い特別に理解し合っていて、お互いの限界に挑戦できる関係にある。正直に腹をわって本音をぶつけ合うことができる。例えば、彼女がどう反応するか承知しているし、それがどういう意味かも知っている。そんな関係を誰かと築くことができたのはとても嬉しい。それによってベターな仕事ができると思うから」と監督との絆についても語った。

「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」は、米作家ルイーザ・メイ・オルコットの不朽の名作「若草物語」の映画化だ。南北戦争末期を背景に4人姉妹の絆を描き、日本でも長年、多くの人から愛されてきた小説で、彼女が演じるのは主人公、次女のジョー・マーチ。「レディ・バード」のプロモーション中に監督からこの新作の製作案について聞かされ、絶対にジョーを演じたいと主張したという。

「ルイーザの小説を通して、自分はジョーと一緒に育った、マーチ家の姉妹と一緒に育ったと感じる。この役を絶対に演じたいと言ったのは、思いあがりではないの。楽しいからやりたかったし、自分はジョーを演じるのに準備万端だと感じた。どうやって演じようかしら、と考えるだけでもワクワクした。いろいろ試してみて上手くいかなくても、まったくの大失敗だとは思わない。試行錯誤しているのだと感じられる仕事で、俳優としてこれまで以上に自分を試せる役だと思った」

シアーシャ・ローナン(c)Emma McIntyre

原作が出版されたのは1868年、150年以上も前のことで、これまで何度も映画化された。ハリウッドの黄金時代、1933年版ではキャサリン・ヘプバーンがジョーを、49年版ではジャネット・リーが長女のメグを、エリザベス・テイラーが四女のエイミーを演じている。94年版ではウィノナ・ライダーがジョーを演じた。

「私にとって初の出会いは94年版の映画だった。その後で原作を読んだの。4人の姉妹はまったく異なるけれど、それぞれに共感できる。原作が今年出版されたとしても、違和感がないと思う。150年以上前に出版されたというのは革命的だったと思う。キャサリン・ヘプバーンのジョーも見てみたい。パーフェクトなジョーだと思う」

150年続く、女性と結婚の問題

ジョーに思慕を抱くお隣の家のローリーを演じるのは、「レディ・バード」で共演したティモシー・シャラメ。封建的な時代、自立を目指す逞しいジョーにひかれながら、自らのアイデンティティーを模索する草食系男子(?)を好演。

「この映画は男女についての映画ではなく、男性的であること、女性的であることについての映画だとも思うの。一人の人間の中に両方が存在する。私の中にも男性的な面と女性的な面があるし、男性でも女性的な面を持っていると思う。その点について触れているのも重要だわ」

さらに、ティモシーとの再共演について「ティモシーとの共演はいつも最高よ。お互い愛し合い、成長を促し合う。私たちは俳優としてとても異なるけれど、それがエナジーを生み出すことになるの」とコメント。

本作では、当時の社会における女性と結婚の問題にたびたび光をあてている。150年前に比べると、現代女性は恵まれているだろうか。

「この映画は150年前の女性の状況がいかに厳しかったかを物語るだけではないと思うの。確かに近年、女性の地位は改善されたと思うけれど、理想的とまでは言えない。まだまだ改善の余地はある。闘いは続くと思う。この映画は、だから重要なんだと思う。かわいらしさだけでなく、もっと多くの面から女性を語っているから」

(c)marie claire style/text: Yuko Takano

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

2020年初夏、全国ロードショー予定
配給: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
※3月27日(金)より劇場公開の予定でしたが、政府および関係機関等による新型コロナウイルス感染拡大防止対策の方針に鑑み、公開が初夏に延期となりました。

シアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan)
女優

 1994年4月12日、アイルランド人の両親のもと、ニューヨークに生まれる。3歳の時に家族はアイルランドへ帰国。9歳より子役として本国テレビに出演。2007年に「つぐない」で映画デビューを果たし、09年、「ラブリーボーン」の主役に抜擢。以後多くの映画に主演し、アカデミー賞助演女優賞や主演女優賞に何度もノミネートされている。16年にはブロードウェイ・デビューも。そして、「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」で主役のジョーを熱演。本作でアカデミー賞主演女優賞に再びノミネートされた。

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