女性らしい柔らかさのなかにも、意志の強さを秘めた眼差しが印象的な新星ローラ・ハリアー。ブレイク必至の若手女優として、大きな注目を集めている。ローラが身にまとっているのは、「ルイ・ヴィトン」の秋冬コレクション。現在、ミシェル・ウィリアムズやタンディ・ニュートン、ソフィー・ターナーといった今をときめく女優たちと肩を並べて、同ブランドのミューズを務めている。恵まれた完璧なスタイルと、モデルとしての輝かしいキャリアを持つ彼女だけに、その着こなしは見事の一言に尽きる。
スパイク・リー監督へのリスペクトの思い
ローラが世界的な脚光を浴びるようになったのは、2017年に大ヒットした映画『スパイダーマン:ホームカミング』に抜擢されたことがきっかけ。主人公のピーターが思いを寄せる高校のマドンナ役をチャーミングに演じ、人気を獲得した。
さらに、その翌年にはスパイク・リー監督作『ブラック・クランズマン』にも出演。本作は、カンヌ国際映画祭で最高賞に次ぐグランプリを受賞したのち、アカデミー賞においても作品賞、監督賞など6部門へのノミネートを果たした話題作だ。劇中では、黒人解放運動に取り組むヒロイン役を演じたが、彼女が得たのは、世間からの高い評価だけではない。
「この作品に出演したことによって、人生が大きく変わったわ。特に、スパイク・リー監督と一緒に仕事ができたことは、私にとっては最高の機会。なぜなら、私は彼自身と彼の仕事をずっと尊敬し続けてきたからよ」と喜びを語る。
鬼才と呼ばれる監督との仕事は、どんな女優にとってもエキサイティングな経験であることは想像に難くないが、ローラにとってスパイク・リー監督は特別な存在だったという。
「彼はアメリカ映画だけでなく、黒人映画を製作するうえで、つねに新しい方向に舵を切ってきた人物。もし、子供の頃に彼の映画と出会っていなければ、私が女優になりたいと思うことはなかったかもしれないわ。これまでに彼の作品はたくさん見てきたけれど、私に『真の映画監督とは何か』ということを理解させてくれた最初の人が、まさにスパイク・リー監督だったのよ」
自分にしかできない映画に挑戦したい
2013年に女優デビューして以降、出演作の本数は決して多い方ではないが、女優としては早くも次のステージへと上がったことは間違いないだろう。事実、最新作『Balance, Not Symmetry(原題)』では主役を務め、撮影を終えたばかりの『BIOS(原題)』ではトム・ハンクスとの共演も果たしている。
名匠だけでなく、名優さえも虜にしてしまうのが、ローラの魅力といえるだろう。そんな彼女は現在、NBAのスター選手であるクレイ・トンプソンと熱愛中だが、イマドキのセレブたちと同様に、SNSにプライベートな写真をアップし、ありのままの自分を発信することも楽しんでいる。ところが、その一方で「私は自分の意見もモラルも持ち合わせている一人の人間だけど、私の発言が人々の目に触れた瞬間、突然“活動家”とみなされてしまうリスクがある」と、発言に関しては慎重にコントロールしている部分もあると話す。
関心を集める存在ゆえに、「ファッション業界やレッドカーペットのような“虚構の世界”にいながら、気候変動などの社会的な問題について発言することに矛盾を感じたことは?」という少し意地悪な質問を受けることもある。しかし、芯の強いローラは、そんなときでも毅然とした態度でいられる女性。
「私は片方がもう片方を否定するようなことはないと思うわ。つまり、ファッションや服が大好きな女性だからといって、ほかの重要な問題をないがしろにしているというわけではないのよ。だから、どうして『君はかわいいドレスを着ているから、フェミニストじゃないよね』といわれてしまうのか、私には全く理解できないわ」と怯むことはない。
モデル時代には、黒人ということで人種差別的な扱いを受けた経験もあるというローラ。それだけに、「有色人種が恋に落ちるシーンを観客は見たがらないと思われているけれど、だからこそ、私のようなキャストがあまり出ない恋愛コメディー映画に挑戦したい」と胸を膨らませる。スパイク・リー監督が映画で新たな可能性を切り開いてきたように、ローラもまた女優として自分にしかできないことを模索しているのかもしれない。
そして、彼女はすでに自分のやるべきことや興味のあることを実現すべく、歩き出している。「まだ詳しくは話せないけれど、今まさにいくつかの本の脚本化に携わっているの。もうすぐ自分ならではの映画を形にできる瞬間が来ると思うわ」と興奮を抑えきれない様子。演じるだけでなく、プロデュースなどにも積極的に参加する女優は増えているが、ローラもまた自身の才能を惜しみなく映画へと注いでいるようだ。今後、「ローラ・ハリアー」の名がハリウッドで轟く日も遠くはないだろう。
(c)marie claire style/interview:Jane Mulkerrins text:Masami Shimura/photo:Olivia Malone
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