全自動シャンプー体験にタブレットでお試しメイク 進化する化粧品売り場

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そごう横浜店が昨年導入した全自動シャンプー台(そごう・西武提供)

百貨店の化粧品売り場で、改装が相次いでいる。面積を広げて落ち着いた雰囲気にしたり、体験型のサービスを充実させたり。ネット通販など化粧品の購入先が多様化する中、百貨店を訪れる楽しみを感じてもらいたい狙いがある。消費者も自分に合った商品を選びやすくなりそうだ。

売り場改装 ゆったり

伊勢丹新宿本店は、化粧品売り場を改装して2階にも広げ、ゆっくり買い物をできる雰囲気にした

伊勢丹新宿本店(東京)は9月、開店以来1階にあった化粧品売り場を2階にも広げた。改装が終わる11月には、売り場面積は1.5倍に拡大。車いすの人やベビーカーも通りやすい。1階はメーキャップ、2階はスキンケア中心で、約100ブランドを扱う。

新しい2階の化粧品売り場を訪れた埼玉県の女性会社員(47)は「ゆったりと落ち着いて買い物できた」と、満足げに笑った。

同店では、また、美容部員の接客を受けずに商品を購入できる「クイックカウンター」も18ブランドに設置。担当者は「対面で詳しく説明を受けたい人にも、商品購入だけを気軽にしたい人にも、来店しやすい売り場作りを考えた」と話す。

百貨店の化粧品売り場といえば「店の顔」である1階にあり、着席して美容部員から丁寧な説明を受けるのが定番だ。しかし、ネット通販やドラッグストアで手軽に購入できるようになり、買い物に時短を求める客も増えた。そうした中、化粧品売り場に付加価値をつける動きが各地の百貨店で相次いでいる。

化粧を落とさず、タブレットで“お試し”

高島屋大阪店(大阪)は9月、実際に化粧しなくても画面上でメイクを試せるタブレット端末を導入した。例えば、口紅だと、同店が扱う13ブランドの約140色から好きな色を選び、端末に映る自分の顔が化粧を施したように見える。その都度化粧を落としたり、各ブランドのカウンターを訪れたりといった手間をかけず似合う色を探せる。

高島屋大阪店が導入したタブレット端末では、画面に映った顔に口紅などを試すことができる

昨年改装したそごう横浜店(横浜)は、肌の状態や悩みに応じ、店内の各ブランドから自分に合った商品やメイク法を提案してもらえる無料カウンターを設置した。すぐに予約が埋まる人気ぶりだ。売り場の一角にシャンプー台も設け、シャンプーやトリートメントの体験(初回無料、2回目以降1320円税込み)もできる。

第一生命経済研究所主席研究員の的場康子さんは「消費者は、自宅で買い物ができる時代だが、来店するメリットが増えれば、自分に合った商品選びもより楽しくなるだろう」と話している。

肌の状態分析、提案…化粧品メーカーが機器

各化粧品メーカーは、肌の状態を分析する専用機器の開発にも力を入れている。店頭でセンサーなどを肌にあてて水分量やキメなどを測定し、商品の提案やお手入れ方法のアドバイスを充実させるもの。

イプサ(東京)の機器は、肌状態の測定結果から似合うファンデーションやアイシャドー、口紅の色を提案する機能がある。測定結果は保存され、来店時に活用できる。

カネボウの肌解析機の店頭での使用イメージ(カネボウ化粧品提供)

カネボウ化粧品(同)は今年、センサーとカメラ、タッチパネル式の画面が一体化した「肌解析機」を導入した。カメラ機能などがより高性能になり、肌のハリや毛穴の状態、水分・油分量など14項目を測定。頭皮や髪の状態も確認できる。

同社の担当者は「季節やストレスなどで肌の状態は変わる。スマホなどで美容情報も簡単に手に入る時代だが、自分の肌情報を高度な技術で確認できるなど、対面によるサービスの良さを感じてほしい」と話している。

(読売新聞生活部 矢子奈穂、木引美穂)