私は、ゲンゴロウを飼ったことがあります。その名も「ゲンちゃん」。まだ幼い頃のこと。弟が田んぼで捕まえてきてしまい、その世話を母とふたりでしていたのですが、これが結構大変でした。
彼(? !)は肉食なので、マグロなどのお刺し身を買ってきて冷凍しておいて、少しずつあげるのです。餌代もバカにならない。水がきれいじゃないと死んでしまうので、毎日水を取り替えます。私はあまり、生き物に対して感情がないのですが(! !)、なぜか昔から生き物係に任命されがち……。夏休みの1か月、亀を持ち帰ってお世話をしたり、学校で飼っていたウサギに毎朝餌をあげたりと、常に生き物がそばにいるという不思議な人生。
私が生き物に対して、結構対等な立場で向き合えるのは、小学校低学年の頃から「森の学校 キョロロ。」に通っていたからだと思います。ここは、新潟県十日町市にある科学館のような場所なのですが、もともと「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」をキッカケに建てられたすごくステキな建物です。茶色い鋼板でできたヘビを模した建築を、手塚貴晴、由比夫妻が手がけられており、巨大なアクリルの窓からは積雪の壁の断面が見られます。

志賀夘助のチョウコレクションは圧巻だし(ものすごい数の蝶々の標本)、木工工作も体験できるし、近くの里山を探検するプログラムもあり(ゲンゴロウはこのとき捕まえた)、子供にとっては一日中いても飽きません。カブトムシを朝から捕まえたりしたこともあります。里山に住む様々な動物や昆虫の生態を知ることもできるし、近くにある美人林は何度訪れても感動するし、子供時代を経て大人になってもワクワクする場所です。
(c)marie claire style/text: Emma Maeda
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